こんにちは、キノ子です。
発達障害の長女ピノ子の育児にヘトヘトになりつつ、たまに見せてくれる笑顔に癒されてなんとか毎日生活しています。
今回は、ピノ子のはじめての療育について書きたいと思います。
ピノ子は2歳で初めて集団療育に参加しました。それまでは病院や自治体の発達相談(診察)などは受けていましたが、「本格的な療育は2歳になってから、今はご家庭でできることをやってみましょう。」と言われていました。これについては、今考えると1歳台から療育をしてくれるところをもっと探せばよかったかなと思ったりもします。
ピノ子が初めて参加した療育は、週に1回2時間で、親子で参加するものでした。集団療育で同じ学年のお友達(8人程)と一緒に行うものでした。
1回の療育の基本的な流れは、はじめはトランポリンや平均台、ジャングルジムなどの遊具を使って体を動かして自由に遊び、その次は親子で手をつないで皆で輪になって行進したりダンスをしたりします。
最後は教室に戻り、椅子に座って先生の手遊び歌などを聞くという感じでした。週によっては教室の外にお散歩に行くこともありましたが、基本的には体を動かしてから、最後は椅子に座っての活動という流れでした。
ピノ子は多動傾向もあり動くことは大好きな反面、椅子に一定時間座ることは大嫌いです。
はじめの体を動かす遊びの時間にピノ子は教室をひたすら走り回ります。教室内とはいえ、親子参加型の療育でピノ子を放置するわけもいかないので、私はひたすらピノ子の後を追いかけてヘトヘトです。もういっそプールの監視員さんのように椅子に座って見守りたいところですが、他のお友達の遊具を奪ったり、順番を無視したりとやりたい放題なので追いかけざるを得ません。
その時間が終わると次は行進やダンスの時間です。行進はまだしもダンスに全く興味のないピノ子は泣いて暴れて逃走しようとします。前半に使った遊具がしまわれているスペースに侵入しようとするピノ子を走って捕獲します。
遊びの時間が終わるときに先生が大きな絵カードで「次は皆で輪になって行進だよ~」といった風に説明はしてくれているのですが、ピノ子の耳にも目にも届くはずもなく……。見通しを立てて活動できる日はやってくるのか……。
手つなぎでの行進はほぼ引きずられながら歩いて終了。当時模倣が全くできないピノ子はダンスに興味もなく棒立ち。立っていればいいほうで、途中からほぼ座り込み。大人が楽しそうにやることで子どもも興味を持つようになるとのことで、全くやる気のないピノ子の横で必死に踊ります。もうただの苦行でしかない……。
最後は、最大の山場、椅子に座って先生のお歌やお話を聞く時間です。こちらの療育は、泣いたとしても多少抑えつけてでも頑張って座る練習をするという方針でした。もちろん身体の安全は最優先ですが、嫌がっても可能な範囲で頑張らせることを親には求められていました。
そのため、まず椅子に座らせるためにピノ子を追いかけて捕獲。椅子に座っている間も逃走を試みるピノ子を後ろから抑えながら必死になだめます。嫌がって暴れるため隣のお友達にぶつかりそうになり隣のママさんにもその都度謝ります。
ようやく終わりの時間になるのですがここでさらなる試練がやってきます。
ピノ子はとにかく「切り替え」が苦手です。療育が終わり、帰る時間になっても出口に向かうことができません。無理やり出口に引っ張っていこうとすると、全力で手を振り払い逃走。走って追いかけてどうにか引きずって下駄箱がる場所まで連れていきますが、泣いて暴れて抵抗します。
私一人では靴下と靴を履かせることができず、ほぼ毎回先生が手伝ってくれて一緒に履かせてくれていました。靴を履いた後も駐輪場まで歩かずに泣いて暴れて逃走しようとします。最後は大暴れするピノ子を抱きかかえ、なんとか自転車の後部座席に座らせます。
その後自転車で保育園に移動した後も大暴れで大変な状態なのですが……、ひとまず毎週こうして心身共に削られながら、その療育に約1年間ピノ子と一緒に通いました。
療育中に泣いてしまう子は他にもいましたが、帰りのときまで泣いて暴れている子はピノ子だけでした。いたたまれず毎週私が泣きそうになるのをこらえながら、先生や周りのママさんに「すみません。」を連発して逃げるように退散していました。
こうして振り返ると、今より体は小さかったけど2歳頃は本当に大変だったな~と思います。
しかし、こんな怪獣のように暴れていたピノ子も最近ようやく「切り替え」ができるようになり、療育先で楽しく遊んでいても「帰るよ~。」と声をかけると、手をつないで出口に向かえるようになりました。これだけでも本当に有難く、ピノ子の成長を感じます。(何年もかかったけど……)
もちろん2歳頃の怪獣から突然成長してできるようになったわけではなく、「前よりマシになった」という感じで少しずつ改善していきました。
自閉症の子どもは切り替えが苦手な子も多いと思います。私も3年前は半泣きでずっとこんな状態が続くのか!?これ以上体が大きくなったら抱きかかえて運ぶのなんて無理だと絶望していましたが、療育を続けることで、発達障害の子どもでも少しずつ成長するんだなと思いました。
ピノ子のはじめての療育は、結果的には通ってよかったなと思っています。親としては心がだいぶすり減りましたが、ピノ子の得意なことや苦手なことも再認識できたし、その対策や日々の悩み事を先生方にご相談できる機会となっていました。
はじめての療育先からこれまでいくつかの療育を経験してきたピノ子ですが、本人のそのときの状況に合っていると思うところもあれば、まだ少し難しいなと思うところもありました。
お住まいの地域にもよるかと思いますが、療育も探してみると案外たくさんあるので、まずは見学や体験に行くのもおすすめです。実際に通いたいなと思っても順番待ちで数年待つことあるので、気になったときに早めの行動が大切だなと思いました。