2歳になっても喋らない子ども。「個人差なのかな……」「もしかして発達障害なのかな……」と不安をかかえている親御さんへ。この記事では、言葉が遅れる原因、そして「言葉を促すにはどうしたらよいのか」について、発達障害の娘を育てる私の経験をもとに、具体的な方法について紹介します。
目次
2歳になっても喋らない理由は?
子どもが2歳になっても喋らないという場合、発達障害の疑いを持たれる親御さんも多いかと思います。実際に、私の娘(ピノ子)が2歳のときも発語がなく、同じような不安を抱いていました。
しかし、まだ2歳という年齢であれば、必ずしも自閉症やADHDなどの発達障害とは限りません。子どもの発達には個人差がありますし、家庭環境や性格なども影響すると言われています。
2歳で喋らない原因
発達障害であった場合を除き、2歳になっても喋らない原因として考えられるのは、以下のような点です。
- 言葉を理解していない
- 言葉は理解しているが、話す必要性を感じていない
- 聴力に問題がある(呼びかけや物音に反応しない、など)
- 口腔機能に問題がある(食べこぼすことが多い、など)
聴力や口腔機能に問題がある場合は病院で検査が必要ですが、多くの場合は「言葉の理解」に原因があると考えられます。
たとえば、「お水飲む?」と聞いたらコップを持ってきたり、「お片付けしようか?」と言うとおもちゃを片付けたりするような反応があれば、言葉自体は出ていなくてもコミュニケーションが取れています。「話す必要性を感じていない」ことが原因と考えられるでしょう。
また、発達障害があるかどうかを正確に知るためには専門機関などで検査を受ける必要がありますが、2歳の時点でそこまでやる必要はないかと思います。実際に、ピノ子も小児科や保健所に相談しましたが、そこでおすすめされたのは家庭療育を含めた「早期療育」でした。
早期療育の重要性
ピノ子も2歳から療育に取り組み始めましたが、「もっと色々取り組んでおけばよかった……」と思うことも少なくありません。実際に、ピノ子の周りで早期療育に積極的に取り組んでいたご家庭の話を聞くと、「言葉が出るようになった!」「この1年ですごく成長した!」という声も多かったのです。
2歳で喋らないお子さんを抱える親御さんには、今から療育に取り組んでいただくことを強くおすすめします。結果的にお子さんに発達障害でなかったとしても、療育自体は悪い影響はなく、むしろ成長を促す効果があるといわれています。
次の項からは、発語(言葉)を促す具体的な療育方法について、ピノ子が色々な療育などからいただいたアドバイスを参考にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
2歳で喋らない子どもに言葉を促す方法【具体的な療育について】
では、家庭での療育について具体的に紹介していきます。2歳になっても喋らなかった私の娘のピノ子が、実際におすすめされたのは次のような方法です。
- 目を合わせて話しかける
- 子どもの興味や感情に共感する
- 喃語や行動に反応してほめる
- 外出機会を増やして体を動かす
- 絵本や歌を一緒に楽しむ
目を合わせて話しかける
当たり前のことと思われるかもしれませんが、私も家事や仕事など、ついつい何か作業をしながら子どもに話しかけてしまうことが多かったので、意識していないと意外とできていませんでした。。
喋らない子どもでも目を合わせてあげることで、注意力やコミュニケーション能力を高める効果が期待できます。
子どもの興味や感情に共感する
たとえば、子どもがおままごとをして遊んでいるのであれば、「あっ、にんじんあったね!」「トマト美味しそうだね!」といったように共感してあげることで、子どもは自分の気持ちを理解してもらえると感じ、安心感や信頼感を得ることができます(最初は中々リアクションがないかもしれませんが……)。
喋らない子どもでも共感することで、子どもは親(他者)の気持ちにも気づくようになり、思いやりや協調性を育むことができます。これが、子どもが「言葉」で自分の気持ちを伝えることの意味や価値を学ぶことにつながる、というアドバイスをもらいました。
喃語や行動に反応してほめる
「上手にお片付けできた」「上手にお着替えできた」「上手に靴を履けた」など、何でもよいので、できたことをほめてあげるとよいです。また、もしお子さんに喃語が出ているのであれば、その喃語を真似して声に出してあげましょう。
上述の内容とも重なりますが、これらの行動も共感につながる(子どもの気持ちを理解する)ので、発語のきっかけとなります。
外出機会を増やして体を動かす
ピノ子は全然できていませんでしたが、外に出て色々なものから刺激を受けたり、体幹づくりのために歩いたりすることも大切です。2歳だとまだベビーカーに乗られているお子さんも多いかと思いますが、できるだけ自分の足で歩かせるようにしましょう。買い物に行ったり、公園に行ったり、バスや電車でのお出かけもよい刺激になります。
もちろん、外に出るのが苦手なお子さんも少なくないと思いますので、その場合は決して無理はせず、5分でも10分でも近所をお散歩する程度で十分です。癇癪を起こさない範囲で取り組むようにしましょう。
絵本や歌を一緒に楽しむ
絵本や歌は、お子さんが興味を示したものであれば何でもよいです。絵本なら、書店に行って買う前に見せてあげれば何となく反応がわかりますし、歌はYouTubeで反応がよさそうなら一緒に楽しんであげられます。(ちなみに、ピノ子は絵本にあまり興味がなかったので、こちらで「これかな?」というものを選んで買っていました。。)
これらの絵本や歌は、お子さんと一緒に楽しみながら読んだり歌ったりすることで、言葉の発音や意味を覚えることに役立ちます。
絵本では、色や形、動物や乗り物などのテーマがあるものや、言葉遊びやしかけが楽しいものがおすすめです。人気の絵本には、「だるまさんシリーズ」「ぶーぶーぶー」「じゃあじゃあびりびり」などがあります。
歌では、リズムや動き、手遊びや指遊びがあるものがおすすめです。人気の歌には、「かえるのうた」「かたつむり」「いないいないばあ」などがあります。
なお、おすすめの絵本については以下の記事でも詳しく紹介していますので、よかったら参考にしてください。
2歳で喋らない子どもに言葉を促す方法【施設や事業所の利用】
2歳で喋らないような発達に遅れがある子どもに対しては、言語聴覚士や作業療法士など専門家の指導や支援を受けられる施設や事業所を利用するのもよいでしょう。自治体が実施しているものもありますので、まずはお住まいの地域の役所や保健センターなどに問い合わせてみてください。
また、民間の施設や事業所を検討するのもおすすめです。おすすめの事業所は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
以上、2歳になっても喋らない子どもに対して、言葉を促す方法についてご紹介しました。
療育は一朝一夕でうまくいくわけではありません。私もピノ子につい無理強いしたり、怒ったりしてしまうこともありましたが……まずはお子さんのペースに合わせて、辛抱強く優しく接してあげることをおすすめします。
とはいえ、それはそれで親もしんどいのは承知しています。。ピノ子の場合も、上記のような取り組みをしても最初はまったく目が合わなかったり、ほめてもほとんど反応がなかったりと……心が折れそうになりました。。
それでも、1年くらいでようやく目が合うようになり、一緒に笑ったりしてくれるようになり、成長が見られました。あくまで無理のない範囲で取り組んでもらえれば、少しずつ効果が出てくると思います。
ピノ子の場合は結果的に発達障害(自閉症)でしたが、発達障害ではない、あるいは症状が軽い周囲のお子さんは、もっと早くから効果が出ていたという声を聞きました。そういった事実からも、ぜひ早い段階で療育に取り組んでもらうことをおすすめします。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。