「もう4歳なのに癇癪が多くて困っている」「4歳で癇癪があるのは発達障害なのかな……」といった悩みをかかえる親御さんへ。
4歳で癇癪があるからといって発達障害と決めつけることはできません。また、定型発達でも発達障害の子どもでも、対策をとることで癇癪を減らすことは可能です。発達障害の娘を持つ、私たち夫婦の実体験からご紹介します。
- 定型発達と発達障害の子どもの癇癪の違い
- 癇癪に対する具体的な対応方法
この記事を読めば、4歳の子どもの癇癪を抑える具体的な対処法がわかります。発達障害の娘に試してみて効果のあった方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
*こちらの記事をご覧の方には、以下の記事で紹介している栄養補助食品もおすすめです。
目次
4歳児の癇癪への対処法は?
重度知的障害を伴う自閉症の娘(ピノ子)も、以前はよく癇癪を起こしていましたが、以下のような方法で癇癪を減らすことができています。
- 環境を調整する
- 子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】
- 落ち着かせるための手段を事前に考えておく
- 日頃からすぐに要求を通さないようにしておく
- 栄養補助食品を活用する
詳細については後ほど紹介しますが、まずは癇癪と発達障害との関係性について説明していきます。
4歳児の癇癪は発達障害?
4歳で癇癪があるからといって、その子どもが発達障害なのかどうかは一概には言えません。ただし、一般的な成長段階において、4歳児は自分自身をコントロールする能力が向上しているため、頻繁に起こる場合は注意が必要です。
また、定型発達の子どもの癇癪と発達障害の子どもの癇癪にはそれぞれ傾向があります。詳しくは次項で解説しますが、大まかにまとめると次のとおりです。
定型発達の子どもの癇癪
癇癪の対象は主に家族。癇癪を起こしても、比較的短時間で落ち着くことができる。
発達障害の子どもの癇癪
誰が相手でも癇癪を起こす。一度癇癪を起こすと、30分、1時間など長時間泣き続ける。
癇癪が起こる原因は?【定型発達と発達障害で異なる?】
4歳児の癇癪の主な原因は?
4歳児の癇癪の主な原因は、成長過程における情緒や言葉の発達、環境の変化などが挙げられます。
この年齢では自分の感情をうまく表現できず、フラストレーションを感じやすくなります。特に、日常の生活リズムが乱れたり、新しい環境に適応する際にストレスを感じることが多いです。
定型発達の場合
定型発達の子どもの癇癪は、感情が高ぶったり、自分の思い通りにならなかったりするときに起こることが多いです。
たとえば、おもちゃを取られたり、自分がやりたいことを親に止められたりするときです。疲れていたり、空腹だったりするときにも起こることがあります。
発達障害の場合
一方、発達障害の子どもの場合は、定型発達の子どもと同じ理由で癇癪が起こることもありますが、言葉の発達がゆっくりな場合が多く、そのことによって自分の欲求(要求)を言葉で伝えることができず、癇癪という方法で表すこともあります。
たとえば、車でお出かけをしたいのに自転車でお出かけするということがわかると、地べたに寝そべりながら暴れて抵抗したり……今ではなくなりましたが、以前は長時間泣き続けていました。。
4歳の発達障害児の傾向
4歳の発達障害児に見られる傾向には、上述したコミュニケーションの困難さや、感覚過敏、さらには特定の行動パターンへの固執(こだわり)などがあります。
コミュニケーションの困難さは、言葉の発達の遅れや、他人との相互作用における問題を伴い、社会的な関係の構築に影響を与えます。感覚過敏は、音や光、触覚に対する過剰な反応を引き起こし、日常生活でのストレス要因となります。また、特定の行動パターンへの固執や興味の範囲の狭さ(こだわり)も、発達障害の特徴です。
4歳児の癇癪への具体的な対処法【家庭での対応】
発達障害の娘のピノ子に対して実践した方法をご紹介します。なお、お子さんが発達障害でなくとも、前述したように定型発達の子どもも癇癪を起こしますので、どちらの場合でも参考になるはずです。
また、癇癪が起こった後の対応も大事ですが、それ以上に「癇癪を起こさないこと」が重要。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
癇癪を起こさないようにする方法
- 環境を調整する
- 子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】
- 落ち着かせるための手段を事前に考えておく
- 日頃からすぐに要求を通さないようにしておく
- 栄養補助食品を活用する
環境を調整する
まずは環境調整が重要です。たとえば以下のような方法があります。
- リラックスできるスペースを設ける:
子どもがリラックスできる、静かなスペースをつくります。感覚過敏がある場合にも有効です。 - 音の刺激を減らす:
静かな環境を作るために、イヤーマフなどを活用します。聴覚過敏がある場合に有効です。 - 視覚の刺激を減らす:
視覚過敏がある場合は、明るすぎる照明を避けます。 - 視覚支援を活用する:
スケジュールボードや絵カードを使って予定を視覚的に示し、子どもが次に何をするかを理解しやすくします。
これらの環境調整を行うことで、子どもが感じるストレスを軽減し、癇癪の頻度を減らすことにつながります。
子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】
まずは、日頃から子どもの感情に寄り添うことを心掛けましょう。
一日中ずっとそばにいるのはもちろん難しいのですが、子どもが何か話しかけてきたり、コミュニケーションをとろうとしてくれたときには笑顔で接しましょう。
当たり前のことではありますが、これが中々難しいものです……できる範囲で心掛けるとよいと思います。
落ち着かせるための手段を事前に考えておく
これは、「癇癪が起こりそう!」となった場合にすぐに落ち着かせることができるよう、事前にその対策を考えておくということです。
たとえばピノ子の場合、家の中で散らかったおもちゃを片づけるように要求して、反抗しそうになった場合には、「片づけたらテレビ見ようか」「片づけたらおやつ食べようか」といったようにして予防線をはります。どちらも本人が好きなものですので、これである程度納得してくれます。
ピノ子の場合は「片づけたら好きなことができる」ということをそもそも理解するのが難しかったので、それなりの期間を要したのですが……わかるようになった今では、だいぶ落ち着いて生活できるようになりました。
日頃からすぐに要求を通さないようにしておく
癇癪を起こさないようにするには、極論、すべて子どもの望む通りにしてあげるということも考えられますが……もちろん、それでは成長につながりません。そのためには、日頃からすぐに要求を通さないようにしておくことも大切です。
ピノ子の場合も、たとえば「おやつを食べたい」という要求があった場合は、「先にトイレに行こうか」といったように、いちいち親の指示を挟むようにしています。もちろん、やりすぎは注意が必要ですが、日頃から適度なストレスに耐えられるようにしておくことで、ちょっとしたことでは癇癪が起こりにくくなります。
実際、ピノ子の場合はこれが効果的で、癇癪が起こりにくくなった大きな要因だと思っています。
サプリメントを活用する
ここまでは療育の方法論の観点から対処法をご紹介しましたが、おすすめの栄養補助食品もあるのはご存じでしょうか。
ピノ子が試してみたのは6歳頃からでしたが、さらに落ち着いて過ごせるようになった実感があります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧になってください。
癇癪が起こった後の対応
癇癪が起こってしまった場合、まずは落ち着くまでそばにいて見守るようにしましょう。その後、子どもの気持ちを受け止め、話を聞いて主張を代弁したり、抱き締めるなどしてスキンシップをとってあげてください。
こうすることで安心感をあたえられますし、子どもの自己肯定感も高まるので、癇癪を減らすことにもつながります。
なお、4歳児であっても、定型発達であっても、発達障害であっても、基本の対策は同じです。発達障害の子どもの場合は特に、癇癪が起こる前に好きなものに誘導するなどして防ぐことが重要ですが、どうにもならないケースもあります。
たとえばピノ子の場合、状態が悪いときは「ずっとテレビを要求してくる」「ずっと食べ物を要求してくる」ということもあります。そうなると、さすがにどこかのタイミングで制御する必要が出てくるので、そのときに癇癪が起こります。
そのようなケースでは、寄り添ってあげる必要が出てくるでしょう。
とはいえ、やはり癇癪が起こらないに越したことはありません。そのためには、日頃から子どものストレスを減らすために十分な睡眠時間を確保することや、健康的な食事をとることも大切です。
ピノ子の場合も食事療法を行うことで、癇癪の減少につながった実感があります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
4歳児の癇癪への対処法【療育の活用】
前述したように、癇癪を起こしてしまう4歳児は、言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手な傾向があります。療育では、子どもの言動からその子が何を求めているのかを理解し、適切な支援を行ってくれますので、自分の気持ちを表現する方法を学ぶことで成長につながり、癇癪を抑えていくことが期待できます。
もしまだ利用されていなかったり、「色々通っているけど成長を感じない」といった場合は、療育の活用(または見直し)をおすすめします。
療育(児童発達支援)の通い方やおすすめの療育については以下の記事にまとめていますので、検討される場合はご覧ください。
癇癪が続く場合は、親も一息つきましょう
癇癪が頻繁に続くと、私たち親も参ってしまいます。。そうすると気持ちに余裕がなくなり、子育てに限界を感じてしまうこともあるかもしれません。そういうときは、ぜひ一人の時間をつくるようにしてみてください。
もちろん、ご家庭によっては難しい場合もあるとは思いますが、発達障害児であるピノ子をかかえる私たち夫婦も、できる限り一人の時間を捻出するようにしています。
それについては以下の記事で紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
まとめ【定型でも発達障害でも、癇癪を起こさせないのが重要】
今回は癇癪への対応方法についてご紹介しました。定型発達の子でも発達障害の子でも、基本は「いかに癇癪が起こらないようにするか」の対策をとることが大切です。ご紹介した以下の方法を試してみてください。
- 環境を調整する
- 子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】
- 落ち着かせるための手段を事前に考えておく
- 日頃からすぐに要求を通さないようにしておく
- 栄養補助食品を活用する
こちらの記事をご覧の親御さんは、日々大変な思いをされているかと思います。癇癪を抑えられれば、私たち親のストレス軽減にもつながりますので、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。