「子どもが1歳を過ぎても指差ししない……もしかして発達障害なのかな」「健常児でも指差ししないことはあるのかな」といった不安をお持ちの親御さんへ。
指差しをしないのは確かに発達障害児の特徴ではありますが、健常児でも指差ししないことはあります。この記事では、1歳の子どもが指差ししない理由と、指差しを促す方法をご紹介します。
- 1歳を過ぎても指差しをしない理由
- 指差しを促す具体的な方法
この記事を読めば、1歳を過ぎても指差ししない理由や、指差しを促す方法がわかります。1歳を過ぎても指差ししなかった発達障害の娘も、今回紹介する方法で指差しができるようになりましたので、ぜひ参考にしてください!
目次
1歳の子どもが指差ししないのはなぜ?|健常児でしないこともある?
1歳半健診では、子どもの心と身体の発達を診ますが、その中に「指差しが出ているか」という項目があります。発達障害児である私の娘のピノ子も、当然1歳のこの時点では指差しは出ていませんでしたが、指差ししないと親は心配になりますよね。。
とはいえ、今の段階でピノ子のように発達障害と決めつけるのは早過ぎます。指差ししない理由には、次のように様々な可能性があります。
指差ししない理由
- 個人差の問題:
そもそも、子どもの発達には個人差があります。指差しが出る時期も一様ではありません。早く出る子もいれば、遅く出る子もいます。また、指差しが出なくても、他の方法でコミュニケーションをとっている場合もあります。 - 環境の問題:
子どもの周りに刺激が少なかったり、親が子どもの興味に応えてあげられなかったりすると、指差しをする必要性や楽しさを感じられない場合があります。 - 気分の問題:
子どもは気分屋なので、その日その時の気分や体調によって、指差しをしたりしなかったりする場合もあります。また、人見知りをしたり緊張したりすると、指差しをしなくなる場合もあります。 - 視覚や聴覚の問題:
先天的に視力や聴力がよくない場合は、指差しが出ない可能性があります。
まずは焦らず、様子を見てみましょう。子どもの興味や感情に寄り添って、一緒に遊んだり話しかけたりしてあげましょう。今は楽しくコミュニケーションをとることが大切です 。
健常児でも指差しをしないこともある?
健常児でも発達には個人差があり、指差し行動が見られないことも珍しくありません。
たとえば、言葉の発達が早い子供は、指差しをしないで直接言葉で伝えることもあります。また、内向的な性格の子どもは指差し行動が少ない傾向も。今の段階では、焦らずに見守ることが重要です。
注意が必要な場合
ただし、指差し以外で以下のような傾向が見られる場合は少し注意が必要です 。
- 目を見ない:
親や他人の目を見ない、または目を合わせる時間が短い。 - 反応がない:
親や他人の声や表情に反応しない、または反応が遅い。 - 言葉が出ない:
言葉を発しない、または言葉の理解もできていない。 - こだわりが強い:
特定の物や行動に強くこだわる。
もし、これらの傾向に多く当てはまる場合は、早めに自治体の発達相談窓口などで相談することをおすすめします。重度知的障害を伴う自閉症のピノ子の場合も、こだわりはそこまで強くありませんでしたが、「目を見ない」「反応がない」「言葉が出ない」というのはすべて当てはまっていました。。
もちろん、当てはまっているからといって今の段階では発達障害とは決めつけられません。
1歳の段階で発達障害であるかどうかを判断するのは難しいですが、少しでも違和感を感じる場合は、早期療育を強くおすすめします。ピノ子にも、もっと早く療育をしてあげていればよかったのかなあと思うこともありますので。。
早期療育のメリットなどについては、以下の記事で紹介しています。
そもそも指差しとは?【指差しの種類と発達段階】
指差しとは、子どもが自分の意思や興味を伝えるために、指で物や人を指す仕草です。指差しはコミュニケーション手段の一つであり、発達段階で変化していきます。
指差しには、大きく分けて次の2種類があります。
- 要求型:
子どもが欲しいものや、やりたいことを伝えるために指差すタイプです。たとえば、「あのおもちゃを取って欲しい」「あそこに行きたい」といった気持ちを表します。早い子では、生後9ヶ月頃から始まります。 - 共感型:
子どもが見たものや感じたことを共有するために指差すタイプです。たとえば、「あそこにいる犬を見て!」「あそこに車がいっぱいいるよ!」といった具合です。生後12ヶ月頃から始まるとされています。
指差しは、子どもが自分の気持ちや考えを言葉で伝える前に、親とコミュニケーションをとるために必要なスキルです。後々の言語発達や社会性発達にも関係します。
1歳の子どもに指差しを促す方法
指差しを促すためには、子どもに興味を持たせることが大切です。日常生活の中で楽しいと思える機会を増やし、自然に指差しを取り入れることが効果的。まずは私たち親が積極的にコミュニケーションをとってましょう。
以下は、自閉症のピノ子に実践して指差しを促した方法なので、参考にしてみてください。
- 絵本を読む
- 外出する
- おもちゃで遊ぶ
- 指差しのお手本を見せる
それぞれ、詳しく紹介していきます。
絵本を読む
絵本をたくさん読んであげましょう。本の中の物や登場人物などについて、「これは何だろう?」「これは誰だろう?」と質問したり、「これは〇〇だね」「これは△△さんだね」といったように教えたりしてみましょう。子どもが興味を示したら、「そうだね」と共感してあげます。
なお、絵本の読ませ方やおすすめの絵本については、以下の記事で詳しく紹介しています。
外出する
外に出て、色々な物に触れさせてあげましょう。公園や動物園などの場所で、「あれは何だろう?」と質問したり、スーパーなどに買い物に出かけたら「トマトあったね!」「パン美味しそうだね!」といった具合にコミュニケーションをとりましょう。
また、お出かけするときはベビーカーなどには乗せず、できるだけ自分の足で歩かせるのがおすすめです。ピノ子は発達障害児ではありますが、かなり意識的に歩かせるようにしていた効果もあり、しっかり歩けるようになってからは成長速度が上がったと実感しています。
癇癪などが減って過ごしやすくなり、できることも増えたように感じます。
おもちゃで遊ぶ
子どもの好きなおもちゃで遊んであげましょう。親と一緒に遊べるおもちゃはもちろん、感覚を刺激するおもちゃなどもおすすめです。
なお、おすすめのおもちゃや遊び方については以下の記事で詳しく紹介しています。もし発達障害でなくても、成長を促すのに十分な効果が期待できます。
指差しのお手本を見せる
親自身が指差しをして、子どもに見せてあげましょう。たとえば、「あれが欲しいの?」「あれ見てごらん」と言いながら、指差しをしてみましょう。また、子どもが好きなものとそうではないものを1つずつ用意して、「どっち?」と指差しを促すのもおすすめです。
ピノ子の場合は障害がありましたので、指差しをしたのは結局3歳くらいのことでした。。しかしながら、2歳頃から1年以上指差しを促し続けて、ようやく要求型の指差しはできるようになりましたので、療育をしていなかったと思うとぞっとします。。
障害がない場合はもっと早く効果が得られるはずですので、ぜひ、継続的に続けてみてください。
まとめ
指差しは、子どもが自分の意思や興味を伝えるための大切なスキルです。1歳の子どもが指差ししない原因は様々ですが、健常児でもしないことはありますし、すぐに発達障害と決めつけるのは早計です。指差しが出るように、まずは私たち親が子どもと積極的に関わるようにしましょう。
ただし、もし不安を感じたら、すぐに療育に取り組むことをおすすめします。取り組んだ結果、障害がなかったらそれが一番ですし、仮に障害があったとしても、早い段階で取り組んだことは決して無駄にはなりません。
療育については以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。