療育は健常児だったとしても無駄?不利益とやめどきの判断基準

療育が無駄になるか、将来の不利益とやめどきの判断基準を整理する親子
ケンサク

ケンサク

知的障がい支援士

はじめまして、ケンサクといいます。
重度知的障害を伴う自閉症の娘を育てる父親です。
「元・教材編集者」のスキルと専門資格を活かし、家庭で無理なく実践できる療育ノウハウを発信しています。

【資格】
◎知的障がい支援士
◎子ども発達障がい支援アドバイザー

【経験・実績】
◎教材出版社で教材編集・制作(約7年)
◎情報の「スモールステップ化」が得意
◎児童発達支援事業の立ち上げに関与
◎10ヶ所以上の療育施設を比較・体験
◎SNS総フォロワー2,500人以上
◎妻の3人目の妊娠時に、家族としてNIPTを経験
◎二女・三女の出産時に民間臍帯血バンクを利用

療育・障害児育児を中心に、家族で経験した妊娠・出産、NIPT、臍帯血保管についても、当事者・利用者の立場からお伝えします。

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長女が1歳4ヶ月のとき、私は妻に、発達相談をすすめました。

ただ、心配していたのは私ではありません。妻のほうでした。
日ごとに不安が大きくなっていく様子を見て、「一度、相談だけしてみようか」と言ったのが私です。

私自身は、「そのうち追いつくだろう」くらいに構えていました。

つまり当時の私は、「たぶん大丈夫だと思っている側の親」だったんです。

結局、1歳6ヶ月になっても、娘に言葉はありませんでした。
指さしもしない。名前を呼んでも振り向かない。

だから、いま同じ場所に立っている方の迷いは、他人事に思えません。

診断されたわけではない。
困っているというほどでもない。
それでも療育をすすめられた。
もし何も問題がなかったとしたら、通った時間は無駄になるんだろうか。

このブログ記事では、その迷いを解けるところまで解いていきます。

書いているのは、重度知的障害を伴う自閉症の娘を育てる父親です。

知的障がい支援士の資格を持ち、これまでに10か所以上の療育の場を見学・体験してきました。

この記事で分かること
  • 診断がなくても療育を利用できるのか、費用はどうなるのか
  • 通った記録が、将来の進学や就職に影響するのか
  • 「通ってよかった」になる家庭と、親が消耗する家庭の分かれ目
  • 通わなかった場合に残る後悔の正体と、やめどきの考え方

なお、この記事では「健常児」という言い方をしていますが、娘のような子と、そうでない子を分けて考えているわけではないということだけ、先に書いておきます。

※本記事はプロモーションを含みます。

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療育は健常児だったとしても受けられます【診断がなくても対象になり得る】

診断前の子どもの療育利用について自治体窓口で相談する保護者

先に結論を書きます。

診断名がついていなくても、療育を利用できる場合があります。

こども家庭庁が出している「児童発達支援ガイドライン」では、事業所が支援する対象を、主に就学前の障害のあるこども、またはその可能性のあるこどもとしています。

「可能性のあるこども」

つまり、診断が確定していない段階の子どもも、はじめから制度の想定に入っているということです。
*出典:こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」

診断書がなくても、意見書で申請できることがあります

実際の手続きでは、通所受給者証の申請に、療育手帳や診断書、あるいは医師の意見書などが必要になります。

このうち意見書は、診断名をつけるための書類ではありません。
「この子には支援があったほうがよさそうです」という、医師の見解を書いたものです。

ですから、「診断がつかなかったから療育には行けない」とは限りません。

ただ、必要な書類も審査の運用も、自治体によってかなり違います。
ここは調べても答えが出にくいところなので、お住まいの市区町村の窓口に直接聞くのが一番早いです。

申請から通所開始までは、数ヶ月かかることも珍しくありません。
就学が近い場合は、この時間差だけ先に確認しておいてください。

受給者証の申請に何が必要で、どんなデメリットがあるかは、以下の記事にまとめています。

費用の面でも、ハードルは下がっています

令和元年10月から、就学前の障害児の発達支援について、利用者負担が無償化されています。
対象となるサービスや年齢には条件があるので、詳しくは自治体で確認してください。
*出典:こども家庭庁「就学前障害児の発達支援の無償化について」

「もし障害がなかったら、お金を無駄にすることになるのでは」

そんなふうに感じている方もいるかもしれませんが、少なくとも金銭面の心配は、ここで一度小さくなるはずです。

わが家も、1年近くは診断名のないまま通っていました

娘が自治体の相談と療育を使い始めたのは、2歳0ヶ月のときでした。

週1回の集団療育に通い始めたのが、2歳10ヶ月。

「知的障害を伴う自閉症」という診断名がついたのは、3歳1ヶ月です。

1年近く、わが家も「まだ何も分からない状態」で通っていたことになります。

当時、ためらいがなかったかというと、そんなことはありません。
「通うことで、この子は障害があると認めてしまうんじゃないか」という気持ちは、正直ありました。

でも、通い始めて決まったものは何もなかったです。

決まったのは、週に1回、専門職の方に娘を見てもらえる時間ができたこと。それだけでした。

「健常児だったら将来不利益になる?」への答え【手帳・診断・受給者証は別物】

通所受給者証と障害者手帳と診断が別の仕組みであることを示す比較図

Yahoo!知恵袋などを見ていると、同じ質問が何度も立てられています。
療育に通っていて結果的に健常児だった場合、将来不利益になるのか、という質問です。

これについての私の答えは、こうです。

私が調べた範囲では、療育(児童発達支援)の利用歴が、進学先や就職先へ自動的に伝わるような仕組みは見当たりませんでした。

ただし、「絶対にありません」と言い切ることはできません。
制度の運用は自治体ごとに違いますし、個人情報の扱いも一律ではないからです。

そのうえで、混同されやすい3つを分けて整理しておきます。

  • 通所受給者証:福祉サービスを利用するために自治体が交付する証明。障害の認定ではありません。
  • 障害者手帳(療育手帳など):別に申請が必要な、まったく別の制度。療育に通ったから自動的に発行されることはありません。
  • 診断:医師が行うもの。受給者証が交付されたことは、診断がついたことを意味しません。

この3つが頭の中でひとつながりになると、「療育に通う=障害児として記録が残る」という感覚になります。

通わなくなったあと、受給者証や記録はどうなるのか

ここは、ネットの記事だとあまり書かれていないところだと思います。

通所受給者証には有効期間があり、更新の手続きをしなければ、期間が過ぎたところで効力がなくなります。
更新するかどうかは、そのつど判断するものです。

つまり、一度取ったら一生ついて回るような性質のものではありません。

事業所に残る支援の記録についても、保存期間が定められています。

気になる場合は、契約前に「利用終了後の記録の扱い」を事業所に確認しておくとよいでしょう。
(ここは事業所ごとに説明が用意されているはずの内容です。)

就学のときの引き継ぎは、むしろ使える情報でした

もうひとつ心配されやすいのが、小学校への引き継ぎです。

わが家が利用してきた範囲では、園や学校への情報共有は、保護者の同意を前提に行われてきました。
勝手に渡るものではなく、こちらが「伝えてください」とお願いする形です。
(ここも自治体ごとの運用があるので、気になる場合は窓口で確認してください。)

そして実際に使ってみると、これは隠したい情報ではなく、先生が対応を早く決められる材料でした。

娘の幼稚園時代、わが家は連絡帳で睡眠時間、排便、体温、家での様子、その週の目標を毎日共有していました。担ってくれていたのは妻です。

「昨日あまり寝ていません」と伝えてあるだけで、その日の園での関わり方が変わる。

情報があることで、子どもが得をする場面は確実にあります。

保険については、各社に確認してください

生命保険や医療保険に加入するときの告知は、基準が保険会社ごとに違います。
ここを一律に「大丈夫です」と書くことはできません。

検討している会社に直接確認するのが確実です。

比べる相手を、間違えないでほしいんです

不利益が完全にゼロだと証明することは、たぶん誰にもできません。

ただ、比べる相手が「不利益ゼロの理想の状態」になっていないでしょうか。

現実に並べるべきなのは、通った場合に残るかもしれないわずかな心配と、困っている状態のまま就学した場合に本人が背負うものです。

その2つを並べたとき、私はどちらが重いかで考えるようにしていました。

それでも「通わなきゃよかった」と感じる家庭はあります【正直な話】

療育の送迎や家事の予定が重なり負担を感じている家庭の様子

ここまで読んで、「結局、通ったほうがいいという話なの?」と感じた方もいるかもしれません。

ただ、そう単純でもないというのが、10か所以上の療育の場を見てきた私の実感です。

通ったこと自体が無駄になるケースは、ほとんど見ません。
でも、親が消耗して続かなくなるケースは、確実にあります。

療育を利用する親から見た正直なところを、実体験と併せて書いておきます。

送迎と付き添いが、片方の親に集中する

これがいちばん多いと思います。

わが家も、週1回の集団療育に一緒に行っていたのは、ほとんど妻でした。
私は仕事があり、休日以外は動けません。

平日の日中に、決まった時間に、決まった場所へ通う。
それだけで、下の子の生活も、家事の段取りも、全部そこを軸に組み直すことになります。

子どもは支援を受けている。
でも、家の中が回らなくなっていく。

この状態が続くと、療育そのものが「負担」の記憶になっていきます。

施設と子どもが合っていない

10か所以上を見て分かったのは、療育という名前で行われていることの幅が、想像よりずっと広いということでした。

体を動かす活動が中心のところ。
机に向かう課題が中心のところ。
集団での活動を大事にするところ。
ほぼマンツーマンで進めるところ。

どれが優れているという話ではありません。
ただ、その子に合っているかどうかは、はっきり分かれます。

合っていない場所に通い続けて、「療育に行ったのに変わらなかった」と結論づけてしまうのは、もったいないです。

体験や見学を、必ず先に入れるようにしてください。
施設ごとの違いと選び方は、いかの記事で比較しています。

親が、毎回「成果」を測ってしまう

これは、私自身がやっていた失敗です。

送り迎えのたびに、今日は何ができたかを確認する。
前回より進んだかを気にする。
専門書を読んで、家でも同じことをやらせようとする。

娘が変わらないと、自分の関わり方が足りないんだと思って、さらに足す。

そうやって、家の中が課題だらけになっていた時期がありました。

結果として荒れたのは、娘だけではありません。
私のほうも、父親ではなく療育者みたいになっていました。

では、行かなかったら後悔するのでしょうか【私の後悔の中身】

療育に通わない場合も記録と相談と家庭での見直しを続ける方法

逆の側も書いておきます。

通わせなかったことを後で悔やむのは、どんなときか。

私の実感では、後悔が出てくるのは「療育に行かなかったから」ではありません。
気になっていた時期に、家で何も変えなかったからです。

ここは分けて考えたほうがいいと思っています。

私自身は、後悔しています

娘については、正直に言うと後悔があります。

1歳台で違和感はありました。相談もしました。
それでも私は、どこかで「様子を見ればいい」と思っていた。

本格的に家の中の関わり方を変え始めたのは、診断を受けたあとです。

その間の1年半ほど、私はあまりできていませんでした。

診断のとき、医師からはこう言われています。

「今後の親や周囲の関わり方で、改善も悪化もする状態です」と。

この言葉を思い出して、もっとしっかり動いていたら。
そう思うことは、いまでもあります。

ただ、これは「療育の教室に通わなかった後悔」ではありません。
「家での過ごし方をもっと改善できたのではないか」という後悔です。

後悔しにくいのは、こういう家庭です

通わない選択をしても、後で悔やみにくいのは、次のような場合だと思います。

  • 気になる場面を、記録に残している:睡眠、機嫌、崩れる場面、伝わらなかったこと。あとで相談するときの材料になります。
  • 相談の窓口とだけはつながっている:通所しなくても、発達相談は続けられます。
  • 家での関わり方を、一度は見直している:声のかけ方、課題の量、一日の流れなど。

逆に、何も記録せず、どこともつながらず、家の中も以前のまま。
この状態で1年が過ぎると、後から取り返しにくくなります。

行くか行かないかで悩んでいる時間そのものは、無駄ではありません。
悩めるということは、それだけお子さんを見ているということです。

ただ、悩んでいる間に「今日から変えられること」がひとつもないのだとしたら。

そこは、少し危ないかもしれません。

【実体験】週1回の集団療育に1年通って、娘と周りの子に起きたこと

週1回の集団療育で参加や着席や切り替えに小さな変化が見られた子ども

うちの娘のケースを書きます。あくまで一例として読んでください。

通う前の娘

1歳6ヶ月の時点で、こんな状態でした。

発語なし。指さしなし。名前を呼んでも反応がない。母親以外とは視線が合いにくい。他の子への関心も薄い。

歩けるようになるにつれて多動の傾向が強まり、じっとしていることが難しくなっていきました。

明らかに、周りの子から浮いていました。

1年通って、変わった3つのこと

2歳10ヶ月から、自治体の集団療育に週1回通い始めました。
トランポリンや平均台で体を動かしたあと、椅子に座って先生の手遊び歌を聞く。そういう流れの活動です。

最初のころは、まともに参加できていません。
教室を走り回り、他のお子さんの遊具を取りに行き、帰る時間になれば泣き叫ぶ。

それが約1年で、こう変わりました。

【活動に参加しようとするようになった】

遊具の使い方も先生の指示も完璧ではありません。
でも、参加しようという意欲が出たこと自体が、娘には大きな一歩でした。

【数秒しか座れなかったのが、数十秒座れるようになった】

数字だけ見れば小さな変化です。
ただ、座れなければ何も始まらないので、ここはありがたかったです。

【切り替えができる場面が増えた】

「帰るよ」の声かけで、手をつないで出口に向かえるようになりました。
しばらくして、家でもテレビを親の声でやめられる日が出てきました。

1年かけて、少しずつです。

娘より軽いお子さんの伸び方は、もっと大きく見えました

同じクラスにいたお子さんたちの変化も、そばで見ていました。

始めは遊具の使い方が分からなかった子が、使いこなせるようになっていく。
椅子に座って先生の指示に従えるようになっていく。

娘より軽度の子、グレーゾーンの子、単に発達がゆっくりなだけだった子。
その子たちの伸び方は、正直、娘よりずっと大きく見えました。

ただし、正直に書いておきたいことがあります

その伸びが、療育のおかげなのか、その年齢なら自然に伸びていたものなのか。

私には、切り分けられません。

2歳から3歳にかけては、そもそも子どもが大きく変わる時期です。

「療育に通ったから伸びた」と断言する記事は多いですが、比較対象がない以上、そこは誰にも言えないはずです。

それでも私が通ってよかったと思っているのは、伸びたからではありません。

家で何をすればいいかを、専門職の方から具体的に教えてもらえたからです。

通ってよかったになる家庭と、消耗する家庭の分かれ目【判断基準】

子どもの困りごとと家庭の負担から療育の利用や休止を考える判断図

ここまでの話を、判断できる形にまとめます。

軸はひとつだけです。

診断がつくかどうかではなく、いまお子さん本人が困っているかどうか

診断名は、状態を説明するラベルにすぎません。
関わり方を決めるのは、診断名ではなく、いまの困りごとのほうです。

早めに動いたほうがいい家庭

  • 本人が毎日どこかで困っている:伝わらなくて癇癪になる、集団で泣いてしまう、切り替えのたびに崩れる。
  • 園や保健師さんから、複数回すすめられている:外から見て気になる場面が続いている可能性があります。
  • 親の関わり方が分からず、手探りが続いている:これは子どもの状態ではなく、家庭が消耗しているサインです。
  • 就学まで2年を切っている:申請から通所開始まで時間がかかるため、逆算が必要です。

様子を見ながらでいい家庭

  • 園でも家でも、いまのところ大きく困っていない:気になる特徴があっても、生活が回っているなら急ぐ理由は薄いです。
  • 通うことで、下の子の生活や親の就労が立ち行かなくなる:家が回らなくなるなら、それは支援になりません。
  • 通える場所がひとつしかなく、内容が明らかに合っていない:無理に埋めるより、家庭でできることから始める選択もあります。

迷ったときは、まず相談だけしてみるのが現実的です。

相談は、何かを決める行為ではありません。観察を始めるための入口です。

療育に通う基準そのものについては、以下の記事で詳しく書いています。

療育のやめどきは、どう考えるか

「始めたら、いつまで続けるのか」

ここも気になるところだと思います。

療育は、一生続けるものではありません。
目的を果たしたら卒業していい支援です。

やめどきを考えていいのは、こんなときです。

  • 通い始めたときの困りごとが、生活の中で目立たなくなってきた。
  • 園や学校の集団の中で、大きな支援なしに過ごせる時間が増えた。
  • 本人が通うことを嫌がるようになり、その場が負担になっている。

もうひとつ、あまり言われないことを書いておきます。

親が限界に近いなら、いったん減らしていいです。

週2回を週1回にする。しばらく休む。

それで振り出しに戻るわけではありません。
親が倒れないことも、子どもの支援の一部だと思っています。

判断に迷ったら、施設の担当者と相談支援の方に、いまの目標が達成されているかを確認してみてください。

材料は、向こうが持っています。

健常児だったとしても、伸びるかどうかは家での時間に左右されます

週の時間配分と刺激を減らした家庭での関わりを示す療育のイメージ

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

療育を、週に1回か2回通ったとすると。

1回あたり1時間前後で、1週間で2~4時間程度。
でも、1週間は168時間あります。

残りの時間をどう過ごすかで、子どもの状態はかなり変わる。
これは重度でも、グレーゾーンでも、変わらないと思っています。

私は複数の療育先で、こう言われました。

「家庭は療育の基盤です。家でできないことは、社会でもできません」

この言葉で、私の考え方は変わりました。

私は、足しすぎていました

かつての私は、必死に足していました。

褒める。 声をかける。 課題を増やす。 経験を増やす。

専門書を読み漁って、正しいとされることを片っ端からやりました。
これだけやっているんだから変わるはずだ、と思っていたんです。

でも、娘は変わりませんでした。
頑張るほど荒れているように見える日さえありました。

数年かけて夫婦でたどり着いた結論は、こうです。

良かれと思って足していたものが、娘にとっては処理しきれない量になっていた。

減らしたら、残った一言が届くようになりました

そこから、わが家は方向を変えました。

声かけを減らす。刺激を減らす。選択肢を減らす。課題の段差を下げる。一日に追う目標を減らす。

そのうえで、娘の様子をよく見てから、必要な関わりだけを小さく入れる。

すぐに変わったわけではありません。
数ヶ月単位で観察して、減らして、また観察して。

その繰り返しです。

ただ、声を減らしてから、残した一言が娘に届くようになりました。

療育に行くかどうかで迷っている段階でも、ここは今日から見直せます。
通っていても伸びが感じられないという方にも、同じことが言えます。

療育に通っても伸びないと感じている場合に、最初に見直したい点は以下の記事にまとめています。

「小学校の勉強が心配」なら、療育とは別の受け皿もあります

療育による生活支援と学習のつまずきに対応する家庭教材を分けて示す図

療育に踏み切れない理由が、集団生活ではなく学習面にある方もいると思います。

「このまま小学校に入って、授業についていけなかったらどうしよう」といった心配です。

先に整理しておくと、児童発達支援は主に就学前の支援です。
就学後の学習のつまずきは、別の手当てが必要になります。
*出典:こども家庭庁「障害児支援施策」

学年をさかのぼれる教材という選択肢

学習で困りやすいお子さんの場合、つまずいているのは「いまの学年の内容」ではなく、その手前の単元であることが多いです。

そこで選択肢になるのが、学年にとらわれず戻って学べるタイプの教材。
代表的なのが、無学年式のオンライン教材「すらら」です。

対象は小学1年生から高校3年生。つまずいた単元まで戻って進められるので、学年の枠に合わせて焦る必要がありません。特別支援学級での採用実績もあります。

正直に書いておくと、いまお子さんが未就学なら、まだ申し込む段階ではありません。

そのうえで、「就学後につまずいたときの受け皿を、先に知っておきたい」という方には、見ておく価値があると思います。

料金や対応学年は変わることがあるので、最新の内容は公式サイトで確認してください。

>>すららの詳細を公式サイトで見る

わが家が実際に試したものも含めた比較は、以下の記事にまとめています。

療育と健常児をめぐる、よくある質問

受給者証や診断、園との併用、療育を途中でやめることに関する質問カード

Q

健常児でも受給者証は取れますか?

A

自治体の判断によります。診断名がなくても、医師の意見書などで「支援が必要」と認められれば申請できる場合があります。必要書類と運用は市区町村ごとに違うため、窓口での確認が確実です。

Q

療育に通う=発達障害がある、ということですか?

A

そうとは限りません。ガイドライン上の対象には「その可能性のあるこども」が含まれています。通所することと、診断がつくことは別です。

Q

子どもには、なんと説明すればいいですか?

A

年齢や理解の段階によりますが、「体を動かしにいく場所」「先生と遊ぶ日」といった、その子が受け取れる言い方で十分だと思います。障害や訓練という言葉を使う必要はありません。

Q

周りの目が気になります

A

健常児に見える子が来ていることを、よく思わない人がいるという話は、私も見聞きします。

ただ、その場所を選ぶのは他の保護者ではありません。通う理由は、家庭ごとに違って当然です。

娘を連れて外に出ていた時期、私も視線が刺さるように感じていました。それでも、周りの反応を基準に選ぶと、後で後悔するのは自分のほうでした。

Q

保育園や幼稚園と併用できますか?

A

併用している家庭は多いです。曜日や時間帯の調整が必要になるので、園と施設の両方に相談してみてください。

Q

途中でやめられますか?

A

やめられます。契約の解除や更新の手続きは施設と自治体で確認が必要ですが、一度始めたら続けなければいけないものではありません。

まとめ【無駄になるかどうかは、通ったかどうかでは決まりません】

もし健常児だったとしても、療育の経験が無駄になることは、ほとんどありません。

診断がなくても対象になり得ますし、就学前の利用者負担は無償化されています。

制度上の不利益についても、進学や就職に自動的に伝わる仕組みは、私が調べた範囲では見当たりませんでした。

そのうえで、この記事でお伝えしたかったのは別のことです。

無駄になるかどうかを決めるのは、通ったかどうかではありません。

通っている間、家でどう過ごしたか。
親が消耗せずに続けられたか。
合わない場所に、成果を測りながら通い続けていないか。

分かれ目は、そこにあります。

だから、次に確認してほしいのはひとつだけです。

いま、お子さん本人が困っているかどうか。
困っているなら、相談の電話をかけてみてください。
困っていないなら、急いで決めなくても大丈夫です。

そして、通う通わないにかかわらず、家での過ごし方だけは今日から見直せます。

家での関わり方を、もう少し具体的に知りたい方へ

ここまで読んで、「療育に行くかどうかより、家での過ごし方の方が気になってきた」と感じた方もいるかもしれません。

もしそうなら、それは正しい引っかかり方だと思います。

わが家が数年かけて遠回りした末にたどり着いた考え方を、noteにまとめました。

声かけ、刺激、課題、目標。
何をどの順番で減らして、何を観察して、どう小さく入れ直したか。
その手順を全部書いたものです。

書いてあるのは、うちのような重度の子だけに効く方法ではありません。
子どもの状態を見てから関わりを決める、という順番の話です。

むしろ、診断がついていない段階のほうが、家庭の関わり方を変える余地は大きいと思っています。

娘は、1秒も椅子に座れない状態から、机に向かえる場面が出るところまで来ました。
落ち着いてスーパーのレジに並べるようにもなりました。

地道なスモールステップの積み重ねです。

同じ手順を、あなたのお子さんに合わせて試せる形にしてあります。

>>「引き算の家庭療育」大全を読む

迷っている時間は、無駄ではないです。

悩めるということは、それだけお子さんを見ているということですから。


※この記事は、公的機関の資料と、わが家の体験にもとづいて書いています。制度や料金は変わることがあるため、手続きの前に自治体の窓口で最新の内容を確認してください。当ブログの情報の扱い方については、編集方針のページに記載しています。

お子さんの成長に悩む親御さんへ

なぜ、うちの子は療育で伸びないのか?

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