「子どもが発達障害の場合、補助金や手当はいくらもらえるだろう?」「税金などはどれくらい控除されるかな?」という親御さんへ。
自閉症児を育てるうえで、各種手当などを申請・利用してきた私の経験から、お子さんが発達障害の場合にもらえる補助金等について紹介します。
- 子どもが発達障害の場合にもらえる補助金の種類や金額
- 補助金や手当の申請方法
- 将来のためのお金の運用
この記事では、子どもが発達障害の場合にもらえる補助金等について、私たち夫婦の実体験をもとに紹介します。将来を見据えたお金の有効な使い方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
※本記事にはプロモーションが含まれています。
なお、主に参考にした書籍は『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』で、補助金や手当についてもわかりやすく解説されています。
また、「子どもの将来のために十分なお金を残せるか不安」「少しでもお金を残しておきたい」といった方は、以下のようなファイナンシャルプランナーとの無料相談サービスや、お金の増やし方をオンラインでプロから無料で学べるサービスがおすすめ。記事後半で詳しく紹介します。
目次
発達障害の場合にもらえる補助金はいくら?
発達障害のお子さんを持つ場合、20歳未満・20歳以上でもらえる補助金が異なります。
- 20歳未満:特別児童扶養手当、障害児福祉手当
- 20歳以上:特別障害者手当、障害基礎年金
なお、「発達障害の場合は必ずもらえる」というわけではありません。もらえる金額や受給できる条件などは、次から詳しくご紹介します。
特別児童扶養手当【20歳未満】
特別児童扶養手当は、*20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。
*厚生労働省「特別児童扶養手当について」
要するに、20歳未満の発達障害のお子さんを持つ場合は、受給できる可能性があります。
受給できる目安
療育手帳A・B
愛の手帳1~3度
受給月額
1級:55,350円
2級:36,860円
※1級は療育手帳A・愛の手帳1・2度、2級は療育手帳B・愛の手帳3度が目安
所得制限
扶養親族の数 | 本人 | 収入額(年収)の目安 | 配偶者および扶養義務者 | 収入額(年収)の目安 |
---|---|---|---|---|
0人 | 4,596,000円 | 6,420,000円 | 6,287,000円 | 8,319,000円 |
1人 | 4,976,000円 | 6,862,000円 | 6,536,000円 | 8,586,000円 |
2人 | 5,356,000円 | 7,284,000円 | 6,749,000円 | 8,799,000円 |
3人 | 5,736,000円 | 7,707,000円 | 6,962,000円 | 9,012,000円 |
4人 | 6,116,000円 | 8,129,000円 | 7,175,000円 | 9,225,000円 |
5人 | 6,496,000円 | 8,546,000円 | 7,388,000円 | 9,438,000円 |
障害児福祉手当【20歳未満】
障害児福祉手当は、*精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。
*厚生労働省「障害児福祉手当について」
特別児童扶養手当と同様、こちらも20歳未満の発達障害のお子さんを持つ場合は受給できる可能性があります。
受給条件(目安)
医師による診断書の提出
(療育手帳A、愛の手帳1~2度であれば省略できる可能性あり)
受給月額
15,690円
所得制限
扶養親族の数 | 本人 | 収入額(年収)の目安 | 配偶者および扶養義務者 | 収入額(年収)の目安 |
---|---|---|---|---|
0人 | 3,604,000円 | 5,180,000円 | 6,287,000円 | 8,319,000円 |
1人 | 3,984,000円 | 5,656,000円 | 6,536,000円 | 8,586,000円 |
2人 | 4,364,000円 | 6,132,000円 | 6,749,000円 | 8,799,000円 |
3人 | 4,744,000円 | 6,604,000円 | 6,962,000円 | 9,012,000円 |
4人 | 5,124,000円 | 7,027,000円 | 7,175,000円 | 9,225,000円 |
5人 | 5,504,000円 | 7,449,000円 | 7,388,000円 | 9,438,000円 |
特別障害者手当【20歳以上】
特別障害者手当は、*精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者に支給されます。
*厚生労働省「特別障害者手当について」
特別児童扶養手当・障害児福祉手当と異なり、こちらは発達障害のお子さんが20歳以上になった際に受給できる可能性があります。
受給条件(目安)
療育手帳A
愛の手帳1~2度
受給月額
28,840円
所得制限(「障害児福祉手当」と同じ)
扶養親族の数 | 本人 | 収入額(年収)の目安 | 配偶者および扶養義務者 | 収入額(年収)の目安 |
---|---|---|---|---|
0人 | 3,604,000円 | 5,180,000円 | 6,287,000円 | 8,319,000円 |
1人 | 3,984,000円 | 5,656,000円 | 6,536,000円 | 8,586,000円 |
2人 | 4,364,000円 | 6,132,000円 | 6,749,000円 | 8,799,000円 |
3人 | 4,744,000円 | 6,604,000円 | 6,962,000円 | 9,012,000円 |
4人 | 5,124,000円 | 7,027,000円 | 7,175,000円 | 9,225,000円 |
5人 | 5,504,000円 | 7,449,000円 | 7,388,000円 | 9,438,000円 |
なお、特別児童扶養手当については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
障害基礎年金【20歳以上】
障害基礎年金は、発達障害や病気、怪我などで、日常生活や仕事に制限が出る場合に受給できる年金です。
障害基礎年金とは別に、障害厚生年金もありますが、生まれつき障害のある発達障害の場合は「障害基礎年金」が対象となります。
受給条件(目安)
*障害の程度1級~2級
- 1級:入院や在宅介護が必要で、他人の介助なしに日常生活ががほとんど送れない。活動範囲はベッド周辺。
- 2級:日常生活を送るには、ある程度の介助が必要な状態。就労は難しく、活動範囲は家や病院。
*日本年金機構「障害等級表」
受給月額
1級:81,177円 2級:64,941円
所得制限
なし
補助金以外に控除されるもの
補助金以外にも、障害者本人や親(扶養者)が受けられる税金の特例や、公共料金の割引サービスなどもあります。
- 所得税の控除
- 住民税の控除
- 相続税の控除
- 障害者に対する贈与税の非課税
- 自動車税等の減免
- 障害者扶養共済制度に基づく給付金の非課税
- 少額貯蓄の利子等の非課税
- 公共料金の減免・割引
- 交通料金の割引
- 施設利用の減免・割引
このうち、主なものをもう少し詳しく紹介します。
所得税・住民税の控除
納税者本人や扶養親族が障害者である場合に控除されます。控除額は、障害者と特別障害者(重度の知的障害など、一定以上の障害がある場合)で異なります。
- 所得税:27万円(特別障害者の場合は40万円)
- 住民税:26万円(特別障害者の場合は30万円)
所得税は、扶養親族が特別障害者で常に同居している場合の控除額が75万円、住民税の場合は53万円となります。
自動車税等の減免
障害者本人、障害者と同一生計の家族に適用されます。
- 自動車税・軽自動車税:45,000円まで
- 自動車取得税:「300万円×該当車の税率」まで
公共料金の減免・割引
- NHK受信料:
全額免除 → 療育手帳や判定書があり、世帯全員が市町村民税非課税の場合
半額免除 → 療育手帳や判定書が「最重度」または「重度」に相当する場合 - 水道料金・下水道料金の割引:特別児童扶養手当の受給者が対象。自治体によって異なる。
- 携帯電話料金の割引:基本使用料の割引など。携帯電話会社によって異なる。
交通料金の割引
- JRや私鉄の運賃割引:JRは片道100km以上の乗車券が5割引。
- 路線バス料金の割引:知的障害がある場合は5割引。条件によっては介護者も5割引。
- タクシー料金の割引:知的障害がある場合は10%引き。
- 有料道路通行料の割引:有料道路の通行料金が5割引。
- 航空旅客運賃の割引:割引率は航空会社によって異なる。
施設利用の減免・割引
自治体が運営する公園、動物園などは無料になるケースがあります。また、都道府県や市区町村が提携する保養施設なども割引になることがあります。
発達障害の場合にもらえる補助金の申請方法
では、ご紹介した各種補助金はどのように申請すればよいのでしょうか。
特別児童扶養手当・障害児福祉手当・特別障害者手当は申請方法が似ているため、ここでは「特別児童扶養手当」と「障害基礎年金」を例にご紹介します。
特別児童扶養手当
申請に必要な主な書類
- 医師の診断書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 前年の所得証明書
申請に必要な書類の入手方法
- 医師の診断書:
役所の福祉担当窓口、または市区町村のHPから入手できる場合もあります。医療機関や児童相談所に依頼して記入してもらいます。 - 戸籍謄本、住民票、所得証明書:
市区町村役場の窓口で申請し、取得します。オンライン申請が可能な場合もあります。
申請場所
お住まいの市区町村役場の福祉担当窓口に申請します。子育て支援課や福祉課が担当していることが多いです。
申請が通るまでの期間
申請書を提出してから審査が行われ、支給決定が下されるまでには通常2ヶ月から3ヶ月程度かかります。
申請に関する具体的な情報や最新の手続きについては、お住まいの市区町村の役所に直接確認することをおすすめします。
障害基礎年金
申請に必要な主な書類
- 障害年金請求書
- 医師の診断書
- 病歴・就労状況等申立書
- 受診状況等証明書
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本または住民票の写し
- 所得証明書
申請に必要な書類の入手方法
- 障害年金請求書、病歴・就労状況等申立書:
年金事務所、年金相談センターの窓口など。日本年金機構のホームページからもダウンロード可能です。 - 医師の診断書:
日本年金機構のホームページに指定様式があります。これに基づいて主治医に作成してもらいます。 - 受診状況等証明書:
年金事務所や年金相談センター、市町村役場など。日本年金機構のホームページからもダウンロード可能です。初診の医療機関で依頼して作成してもらいます。 - 年金手帳(または基礎年金番号通知書):
手元にあるものを用意します。 - 戸籍謄本(または住民票)、所得証明書:
市区町村役場の窓口で申請し、取得します。オンライン申請が可能な場合もあります。
申請場所
市区町村の役所の年金担当窓口、年金事務所、年金相談センター
申請が通るまでの期間
3~4ヶ月程度
補助金の効果的な活用法(おすすめの運用方法)
補助金は生活費にあてたり、そのまま貯金したり、お子さんのために残したりと、色々な活用が考えられるでしょう。ただ、ご紹介したように各種手当てや補助金はいくらかもらえるものの、そのまま活用せずにいるのはもったいないです。
『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』でも触れられていますし、私たち夫婦の経験からも、将来や親亡き後に備えて資産運用にまわすことをおすすめします。
ここからは、「子どもの将来のために十分なお金を残せるか不安」「少しでもお金を残しておきたい」といった方向けの内容になりますので、「お金の心配はないよ」という方は読み飛ばしてください!
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まとめ【各種補助金を活用して、早めの運用がおすすめ】
子どもが発達障害の場合にもらえる手当や補助金についてご紹介しました。
20歳未満であれば「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」など、20歳以上であれば「特別障害者手当」「障害基礎年金」などをもらえる可能性があります(発達障害の場合に必ずもらえるわけではありません)。受給できる目安や条件などをご確認のうえ、該当する場合は早めに申請手続きを進めてください。
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今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。