「発達障害の子どもがYouTube動画ばかり見てしまう……」という親御さんへ。
YouTubeは面白いコンテンツがたくさんあり、気づいたら長時間見せすぎてしまうことも。特に発達障害の子どもにとっては、自分で時間をコントロールするのが難しく、どう対応すべきか悩みますよね。。
このブログ記事では、YouTubeの依存に対してどう対処すればよいのか、発達障害の特性を考慮しつつ、実体験を踏まえて具体策を紹介します。
- 発達障害の子どもがYouTube動画ばかり見たがる理由
- YouTube依存から子どもをどうやって解放できるか
- 親ができる具体的な対策
この記事を読めば、発達障害のお子さんへの効果的なYouTubeの活用方法がわかります。発達障害の娘に実践して効果のあった方法を中心に紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
※この記事はプロモーションを含みます。
目次
発達障害の子にYouTubeばかり見せすぎるのはNG?
結論、YouTubeの見せすぎはやはりよくありません。YouTubeを長時間見続けることは、発達障害の子どもの発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
YouTubeが発達障害の子どもの発達に与えるリスク
受動的な動画視聴により、創造性や問題解決能力を養う機会が減少することが挙げられます。読書や運動など、他の成長につながる体験が犠牲になってしまうのです。
特に、小さい子どもは感覚統合(詳しくは「【効果あり】感覚統合遊びやトレーニングの具体例、おすすめ13選!」で紹介)や社会的スキルを学ぶために、外で遊ぶ時間が非常に重要です。
さらに、視覚や聴覚の過剰な刺激が、子どもの情緒や集中力に悪影響を与えることも。結果として、学校や家庭での課題やルールを守るのがより難しくなるというリスクも潜んでいます。
また、たまたま見た動画が刺激的だった場合、不安やストレスを増幅させる可能性もあります。
ただし、視聴時間をうまく制限したうえで活用すれば、以下のようにメリットも生まれます。
好奇心や学びの機会が広がる
おそらく、お子さんがご覧になっているYouTubeは一定のジャンルに偏る傾向があるはずです。動物や乗り物、特定のキャラクター、あるいは動きに特徴があるもの……などなど、子どもの特性によって様々でしょう。
YouTubeを上手に活用すれば、子どもの興味があることや知りたいことを探求し、知識や経験を広げることができます。また、動画は音や映像で情報を伝えるので、文字や言葉に苦手意識がある子どもでも理解しやすいのも特徴です。
学習や発達に役立つコンテンツが豊富
YouTubeには、子どもの学習や発達に役立つコンテンツもたくさんあります。
たとえば、アニメーションやキャラクターを用いた教育動画は、子どもたちの注意を引きつけ、学習意欲を高める効果があります。特に、発達障害の子どもたちは、興味を持つテーマに対して強い集中力を発揮することが多いため、好奇心を刺激するコンテンツは効果的です。
学習が楽しい体験となり、自然と知識を吸収することができます。
ストレスや不安を軽減
YouTubeには楽しい動画や癒し系の動画もたくさんあります。発達障害の子どもは日常生活でストレスや不安を感じることが多いので、YouTubeを見て笑ったりリラックスしたりすることで気分転換ができます。また、自分の好きな動画を見ることで自己肯定感の向上も期待できます。
家事をしているときとか疲れているときとか、ついついYouTubeばかり見せてしまいますよね……でも、このようにうまく活用すればメリットもあります!
発達障害の子がYouTube動画ばかり見る理由
発達障害の子どもがYouTube動画ばかり見てしまう理由は、脳の特性が影響しています。それに加え、時間感覚が未熟なため、どれだけの時間を費やしているかを把握できません。結果として、親が「やめてほしい」と感じるほど長時間視聴してしまうわけなのです。。
YouTubeの依存性が発達障害の子どもに与える影響
YouTubeは非常に依存性の高いコンテンツです。特に発達障害の子どもにとって、次々と流れてくる動画は興味を引き続け、画面から離れられなくなります。
視聴するたびに脳内でドーパミン(快感を与える物質)が分泌され、その快感を得たいという欲求が強くなります。ADHD(注意欠陥多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、このドーパミンの分泌が強化されやすく、動画視聴のコントロールが非常に難しくなります。。
発達障害である私の娘(ピノ子)も、30分だけ見せるつもりが1時間、2時間と長引いてしまうことはよくありました。。これは親として非常に悩ましい問題で、適切な制限を設ける必要があります。
ADHDやASDの子どもがYouTubeをやめられない理由
ADHDやASDの子どもがYouTubeをやめられない理由は、彼らの脳が「一つのことに集中しやすい」特性を持つからです。
特にADHDの子どもは、興味を引かれるものに対して一度ハマると、他のことに目を向けるのが難しくなります。また、ASDの子どもは、特定のルーティンや刺激に強く固執する傾向があり、YouTubeはその刺激として完璧に作用します。視聴履歴に基づいて次々と流れるおすすめ動画は興味をさらに引き込み、やめるタイミングを失わせてしまいます。
ピノ子の場合も、以前は私たち親が「もう終わりにしよう」と言ってもやめられず、結局何時間も画面の前にいました。。これは、脳が快感を得るための行動を繰り返すサイクルに陥っているためです。
YouTube依存を防ぐための具体的な対策
発達障害の子どもがYouTubeばかり見てしまうのを防ぐためには、具体的なルール作りと親の積極的な関与が必要。YouTube視聴を制限するだけでなく、子どもが他の活動に興味を持てるように促すことが重要です。
具体的には、次のようなことに取り組むとよいでしょう。私たちも娘のピノ子に実践して、今では1日30分程度で済むようになりました。
- 視聴時間の明確なルールを設定
- 子どもと一緒に見る
- YouTubeに代わる活動(切り替え手段)を提案
視聴時間の明確なルールを設定
発達障害の子どもには、視聴ルールを明確にすることが非常に効果的です。曖昧なルールでは、子どもがどれだけの時間をYouTubeに費やしてよいのかわからず、結果として延々と視聴してしまうケースが多いです。具体的なルールを作ることで視聴時間をコントロールし、適切な時間で止めるように促せます。
「それができれば苦労はない」というご指摘をいただきそうですが……少しずつでいいんです。
たとえば、今は3時間見ているなら2時間30分、2時間見ているなら1時間45分、といった具合です。ピノ子の場合も最初は2時間くらい続けて見ていたのですが、「このままではマズい」と考えた私たちは、いつもより30分程度視聴時間を削るところからスタートしました。
ピノ子の場合はアンパンマンやしまじろうなどのアニメを見るのが好きなので、およそ1ストーリー分を減らすイメージです。
やはり視聴後はいつもより物足りなさを感じてしまい、癇癪を起こすことがほとんどでした。とはいえ、それは事前にわかっていることなので、その後の切り替え手段を事前に用意して対策をしました(切り替え手段については後述します)。
もちろん、それも最初からうまくいったわけではありませんが、少しでも癇癪を起こしている時間を減らすことができました。そして、徐々にピノ子の受け入れ態勢も構築されていき、今では1日30分程度で済むようになりました。
子どもと一緒に見る
要するに「子どもの興味に共感する」ということになります。
ピノ子はまだまだ言葉の意味を満足に理解できませんが、見ているアニメのストーリーなどに親が関心を示すことで、「一緒に楽しんでくれてるんだ」という印象を与えていました。そうすることで、1人で見ているときよりも満足感が高くなることが期待できます。
もし言葉の理解が進んでいるお子さんの場合は、どんな動画に興味を持っているか、動画に対してどんな感想や意見を持っているかを聞いてみるといいと思います。感想や意見を交換したりすることで、コミュニケーションのきっかけになるでしょう。
とはいえ、日々忙しい中、常に一緒に見るというのがなかなか難しいのも承知していますので……少しの時間、5分でも10分でも、一緒に見てあげる習慣をつくるとよいでしょう。
YouTubeに代わる活動(切り替え手段)を提案
YouTube視聴に代わる活動を見つけることは、子どもが他のことにも興味を持つための大事なポイント。発達障害の子どもは特定の興味に集中しがちですが、その集中力を活かして他の活動にも引き込むことが可能です。
ピノ子に対しては、次のような切り替え手段を実践していました。
- おもちゃを活用する(パズルなどの頭を使う)
- 屋外での運動(散歩する、公園で遊ぶ)
- おやつでごまかす
日ごろからお気に入りのおもちゃを使わせるようにしたり、定期的に買い物や散歩へ連れ出してみたり……子どもの特性に合わせて色々な手段が考えられます。なお、おもちゃについては以下の記事でおすすめを紹介していますので、参考にしてください。
>>【実体験】自閉症児におすすめのおもちゃ12選!|夢中になるものを紹介
また、ある程度発達が進んでいるお子さんは、教材に取り組んでもらうのもおすすめです。教材と言っても、たとえば「すらら」のように、ゲーム感覚で取り組めるものもあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>【無料で試せる】発達障害の子ども向け教材7選|おすすめは通信教育
発達障害の子におすすめのYouTubeチャンネル
参考までに、発達障害の子におすすめのYouTubeチャンネルを紹介します。
必ずしもどのお子さんにもヒットするとは限りませんが、教育的要素が強いものや、子どもが興味を持ちやすいコンテンツが多いものなので、おすすめです。
しまじろうチャンネル
幼児向けに発達に役立つコンテンツが充実しており、社会性や基本的なスキルの学習に役立ちます。歌やダンスなども多く含まれており、楽しんで学ぶことができます。
うたスタ
人気の歌や童謡、オリジナル楽曲などのアニメーション動画が豊富。視覚的な学習を好む子どもたちの注意を引きつけやすいので、楽しみながらリズム感や音楽への興味を引き出すことができます。
さんきっずあにめーしょん
動物・昆虫・食べ物・乗り物などの知育動画を提供。クイズなども豊富で、発達障害の子どもでも興味をひきやすいコンテンツが充実しています。
まとめ
発達障害の子どもにYouTubeばかり見せすぎるのは、「創造性や問題解決能力を養う機会が減少する」「不安やストレスが増幅する」といったデメリットがあります。
一方で、「好奇心や学びの機会が広がる」「ストレスや不安が軽減される」といったメリットも。メリットとデメリットをバランスよく考えながら、視聴時間を少しずつ制限したり、親子で一緒に見たり、YouTube ばかりではなくそれ以外の遊びも楽しんだりすることで、YouTubeをより良く活用することができます。
当たり前のこと(だけど難しいこと……)ですが、私たち親が子どもの YouTube 利用を適切に管理・サポートすることが大切です。できるところから少しずつでもいいので取り組んでいけば、時間はかかりながらもよい方向に向かっていくはずです。
以下、今回の記事の要点をQ&A方式でまとめておきます。
Q
YouTubeは発達障害の子どもにとって悪影響?
A
YouTubeは必ずしも悪影響を与えるわけではありません。ただし、子どもが受ける情報や刺激の質によって影響が左右されるため、使い方には注意が必要です。
Q
どのくらいの時間YouTubeを見せるべき?
A
もちろん一概には言えませんが、発達障害の子どもには1日あたり1〜2時間の視聴が適切でしょう。注意力や学習能力を維持しながら、楽しんで見れる範囲と考えられます。
Q
おすすめの動画の選び方は?
A
教育的要素が強いものや、お子さんが興味を持ちやすいジャンルを選びましょう。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。