「1歳の子どもに少し違和感を感じる……もしかして自閉症なのかな……」といった不安を感じている親御さんへ。
1歳の発達には個人差がありますが、どこか気になる行動が続くと心配になるのは当然のこと。私たち夫婦もそうでした。
このブログ記事では、自閉症の可能性がある1歳児に見られるサインや、早期にサポートを受けるための具体的なステップについて紹介します。
- 1歳時点の自閉症の兆候や特徴
- 子どもに違和感を感じたときの具体的な対応策
- 早期に適切なサポートを受けるための方法や相談先
この記事を読めば、違和感を感じる1歳の子どもに親として何をすべきか、どう接すればよいのかがわかります。私たちの実体験をもとに解説していますので、ぜひ参考にしてください!
目次
【実体験】1歳で感じる違和感は自閉症のサイン?
1歳を過ぎた時点で周囲の子どもよりも成長が遅いと、不安に思われるかもしれません。
私の娘のピノ子もそうで、1歳の頃から私たち夫婦は成長に違和感を感じていました。「まさか発達障害や自閉症ではないよな……」と、この頃はそれくらいの感覚でしたが、少し疑っていたのも事実です。
1歳当時のピノ子(6歳の現在は重度知的障害を伴う自閉症)の発達段階は次のとおりです。
- 喃語がない(発語もない)
- 指差しをしない
- 名前を呼んでも振り向かない
- お座りが苦手
- 癇癪が多い
- 多動傾向がある
ピノ子の場合は上記のような特徴がありましたが、一般的にはどうでしょうか。次から詳しく見ていきましょう。
1歳で自閉症の兆候を見分けるポイント
1歳時点では自閉症の診断をするのはかなり難しいです。ただし、自閉症の兆候があるかどうかを見分けるポイントはあります。以下のポイントに注目することが重要です。
- 目が合わない、または目をそらす
- 呼びかけに反応しない(名前を呼んでも振り向かない)
- 微笑みや表情の欠如
- クレーン現象(自分の手ではなく他人の手を使って物を指したり動かしたりする)
- 感覚過敏または感覚鈍麻
- 言葉の遅れ
- 一人遊びを好む
- 睡眠障害
- 抱っこや触れ合いを嫌がる
「呼びかけに反応しない」「言葉の遅れ」などはピノ子と同様。さらに、「一人遊びを好み」こともありましたので、ある程度共通する項目はありました。。
「自閉症」と「発達の遅れ(違和感)」の違いは?
結論として言えることは、自閉症の特性に関連する行動と、ただの「違和感」がある行動には明確な違いがあるということです。
理由として、自閉症は神経発達の障害であり、その特徴は社会的な相互作用やコミュニケーションにおける困難を伴います。一方で、1歳児の違和感を示す行動は、発達の過程で見られる一時的なものである場合が多い傾向があります。
たとえば、1歳の子どもが特定の音や光に対して過剰に反応する場合、子どもは通常の反応を示しているかもしれませんが、自閉症の子どもはそうした刺激に対する反応が「一貫して」過剰であることが多いです。
また、1歳児が一人遊びをするのはよくあることですが、自閉症の子どもは他者との関わりを避ける傾向が強く、「持続的に」孤立した遊び方をすることがあります。
もちろん、「違和感」は環境や成長段階によっても影響を受けるため、すぐに自閉症が疑われるわけではありません。発達段階に応じて新しいスキルを獲得する中で、子どもは一時的に行動が変わることがあります。なので、すぐに不安を感じなくても大丈夫です。
自閉症の診断には、複数の要因を考慮する必要があるため、行動の一過性や一貫性がポイントとなります。
チェックリストと診断方法
厚生労働省は1歳6ヶ月児健診でM-CHATという質問紙を使用したスクリーニング検査を推奨しています。この検査では、対人関係や行動面について20項目にわたる質問が行われます。
チェックリスト例
- 他の子どもに興味がありますか?
- 指さしで何かを伝えようとしますか?
- あなたのすることをまねしますか?(バイバイや拍手など)
- 名前を呼ぶと反応しますか?
これらの質問に対する回答から、自閉症の可能性を判断します。ただし、成長には個人差が大きいため、一時的な行動だけで判断することは難しいです。疑わしい場合は専門的な診断を受けることが推奨されます。
気になるようであれば、早めに相談しましょう。相談先については、次から紹介します。
1歳で違和感を感じたら、早めに相談しましょう
1歳で自閉症かどうか違和感を感じた場合、早めに以下のような相談先で話をしてみましょう。
- かかりつけの小児科医
- 市区町村の福祉関連窓口
- 地域の保健センター
- 発達障害者支援センター
私たちは、まず市区町村の福祉関連窓口に相談。そこから臨床心理士の先生と定期的に面談するようになり、その後自治体の療育へ通うことになりました。
早期相談の重要性
発達には個人差がありますが、特定の行動や反応に違和感を感じた場合、早めに相談することで必要なサポートを幼い頃から受けることができます。早期の介入(早期療育)は、子どもの発達を大きく促してくれます。
早期療育の効果については、後ほど紹介します。
1歳児に対する自宅でのサポート
子どもの発達を促すには、自宅でのサポートも重要です。以下、具体的な方法とポイントを紹介します。
家でできるサポートの具体例
- 工作・お絵描きをする:
手先を使う工作やお絵描きも効果的です。紙をちぎる動作や絵の具で手形を作るなど、手先を多く動かす活動が脳に良い刺激を与えます。 - 絵本の読み聞かせ:
絵本の読み聞かせは、新しい言葉や文字を覚えるきっかけとなり、想像力も育みます。抑揚をつけて読むことで感情表現も豊かになります。
おもちゃや絵本を活用する場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
>>【実体験】自閉症児におすすめのおもちゃ12選!|夢中になるものを紹介
>>言葉が遅い子の発語を促す、おすすめの絵本12選!|自閉症の子にも
家でサポートを行う際のポイント
- 子どもが楽しめるようにする:
楽しい活動として取り入れることが大切です。遊びの中で自然と学べるよう工夫しましょう。 - 上手くいかなくても思いつめない:
いきなり上手にはできないこともあるでしょう。焦らず続けることが大切です。
家でのサポートだけでも物足りなさを感じたり、不安を感じる場合は、療育を活用しましょう。次から紹介していきます。
早期療育も検討しましょう
早期療育とは、発達が気になる子どもに対して、早い段階で専門的な支援や教育を行うことを指します。主な効果は、子どもの潜在的な能力を引き出し、将来の学習や社会生活における困難を最小限に抑えることです。
早期療育の重要性
幼少期は神経発達が著しい時期であり、早期療育を始めることで発達の土台を築くことができます。
子どもの特性に応じた適切なアプローチを早期から受けることで、特性自体を治療することは難しいものの、次のような効果が期待できます。
- 二次障害の予防:
早期から適切な支援を受けることで、いじめや不登校、抑うつなどの二次的な問題を予防することができます。 - 自己肯定感の向上:
療育を通じて「できること」に注目し、その力を引き出すことで、子どもは自己肯定感を高めることができます。将来的な社会参加や自立への道が開かれます。 - 社会性やコミュニケーション能力の向上:
自閉症の子どもたちが示す独特な社会性やコミュニケーションを改善します。
療育は自閉症などの発達障害の子どもに有効なのはもちろん、仮に健常児のお子さんだったとしても成長を大きく促してくれます。娘のピノ子が実際に早期療育を受けた効果については以下の記事にまとめていますので、併せてご覧ください。
>>療育は早めに通わないと後悔する?【健常児だったとしても効果あり】
療育の選び方
療育機関は、児童発達支援センターや児童発達支援事業所などがあります。集団での支援や個別での支援が行われており、子どもの状態に応じた支援を選ぶことが重要です。
詳細は以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
>>【実体験】民間療育おすすめ8選!|人気の児童発達支援事業所を紹介
まとめ【気になる場合は早めの対策を】
1歳児に見られる違和感は、成長過程の中で自然に起こるものであり、必ずしも自閉症のサインではありません。
ただし、ご紹介したような「目が合わない、または目をそらす」「呼びかけに反応しない」といった傾向が多く見受けられる場合は、かかりつけの小児科医や市区町村の福祉関連窓口などへ、早めに相談してみましょう。
並行して、自宅でのサポートや療育を活用するのもよいでしょう。私の娘のピノ子も、早期療育を受けることで大きく成長してくれた実感があります。
この時期に不安に感じるのは本当によくわかります。。お子さんの様子を見ながら、今できることを冷静に考えて、ぜひ行動に移してみてください。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。