【実体験】妊娠中の旅行(マタ旅)は後悔する?|海外旅行はNG?

【実体験】妊娠中の旅行(マタ旅)は後悔する?|海外旅行はNG?
ケンサク

ケンサク

はじめまして、ケンサクといいます。
知的障害を伴う自閉症の娘(ピノ子)への療育に奮闘中の父親です。

ー主な経験ー
■療育
◎前職で児童発達支援事業立ち上げに携わる
◎約10の療育(児童発達支援事業所)を体験
■出生前診断・臍帯血(※妻)
◎3人目の妊娠にて新型出生前診断(NIPT)
◎2人目・3人目の出産にて臍帯血を保管
■教材
◎学校教材の編集・制作経験(約7年)
◎発達障害児に役立つ教材の分析

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「妊娠中に旅行しても大丈夫かな……後悔しないかな……」「すでに旅行に行ってしまったけど大丈夫かな……」とお悩みの方へ。
私たち夫婦が妻の妊娠中に海外旅行をした経験などから、いわゆるマタ旅をする場合の対策や、旅行後にやるべきことについても紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 妊娠中の旅行は安定期がおすすめ(でも対策を練らないと後悔する)
  • 行くなら国内旅行がおすすめ(海外旅行は要注意)
  • 旅行前・旅行後にやるべきこと

この記事を読めば、妊娠中に旅行する場合に気をつけることはもちろん、旅行した後にやるべきことまでわかります。
私たち夫婦の実体験から、具体的な対策やケアの方法について紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

*この記事は『はじめてママ&パパの妊娠・出産 (実用No.1シリーズ)』を一部参考にしています。妊娠初期から出産までの基本情報をはじめ、今回のテーマである妊娠中の旅行についても触れられていますので、よかったらご覧になってください。

妊娠中の旅行(マタ旅)は後悔する?【海外旅行に行った結果……】

妊娠中の旅行(マタ旅)は後悔する?【海外旅行に行った結果……】

私たち夫婦は、妻が長女の妊娠中に旅行(いわゆるマタ旅)に2回行きました。

1回目は妊娠初期の1ヶ月頃、2回目は安定期のときです。1回目はまだ妊娠に気づいておらず海外旅行(新婚旅行)に行ってしまい……結構苦労しました。。2回目はその反省を踏まえて、近場でできるだけ負担のないように済ませた、という経緯です。

最初にお伝えしておくと、生まれてきた長女は体そのものは健康ですが、知的障害を伴う自閉症です。もちろん、妊娠中に旅行に行ったことが原因と一概には言えないでしょうが……もし海外旅行に行っていなければ……という後悔は、今でも少なからずあります。。

妊娠初期の旅行は大変【特に海外旅行は後悔するかも。。】

1回目の海外旅行はハワイへ行きました。旅行の前半は特に問題なく、海に行ったり観光したり、食事やアクティビティを楽しんだりと、順調に過ごしていたのですが……中盤からだんだん妻の体調が怪しくなりはじめ、食欲もなくなり、頭痛や倦怠感も伴い、あげく後半には発熱までしてしまいました。。

帰りの飛行機もフライト時間が長かったので、相当つらかったです……ほとんど座っていることしかできないので。。

私たち夫婦のように、妊娠初期に妊娠に気がつかず、しかも海外旅行に行くというケースはレアかとは思いますが……もし今妊活中で、同時に旅行の計画を立てているという方は、くれぐれもご注意ください。。

妊娠初期は当然まだお腹も大きくなく動きやすいので、旅行を楽しめるのは楽しめます。しかし、つわりはもちろん、それ以外でも私の妻のように体調が安定しないこともありますので……「比較的体調がいいから大丈夫だろう」という方でも、妊娠初期の旅行はおそらく後悔することになるかと思います。。

マタ旅をするなら安定期に【くれぐれも無理は禁物】

2回目の旅行は近場の温泉地に行きました。車で1時間くらいで行ける場所にして、歩く時間が長くならないように観光プランを考え、とにかく妻の体に負担のかからないことを最優先に考えました。

当たり前かもしれませんが、ホテル(旅館)の食事内容も妊婦用のメニューにしてもらいました。

1泊2日の小旅行とはなりましたが、安定期だったこともあり体調を崩すこともなく、当面は難しくなる夫婦2人での旅行を満喫できました。安定期の旅行は、事前に無理のない旅行プランをしっかり考えていれば可能だと思います。

『はじめてママ&パパの妊娠・出産 (実用No.1シリーズ)』でも、旅行は妊娠5ヶ月以降が安心とされています。とはいえ、本当に無理は禁物です……!

妊娠何週目までの旅行が安全?

妊娠中の旅行の安全な時期は、一般的に妊娠16週(妊娠5ヶ月)から28週(妊娠8ヶ月)までと言われています。

  • 妊娠初期(~16週):
    流産のリスクが高く、つわりも起こりやすい時期であるため、旅行は控えるべきです。旅行が原因で流産することは稀ですが、万が一の場合、後悔することにもなりかねません。
  • 妊娠中期(16週~28週):
    安定期に入り、体調も安定していることが多いので、旅行に適した時期と言えます。ただし、安定期であっても、流産や早産のリスクがゼロになるわけではないので、注意が必要です。
  • 妊娠後期(28週~):
    お腹が大きくなり、身体への負担も大きくなるため、旅行は控えるべきです。特に臨月は、いつ陣痛や破水が始まってもおかしくない時期なので、旅行は避けましょう。

妊娠中の旅行は、当たり前ですがママと赤ちゃんの安全を第一に考え、慎重に判断することが大切です。

妊娠中に避けるべき旅行先やアクティビティ

妊娠中に避けるべき旅行先やアクティビティ(活動)は、体調への負担や衛生面でのリスクが高い場所、体に負担のかかる運動が含まれます。それぞれ具体的にまとめました。

避けるべき旅行先

  • 海外旅行:
    医療費が高額になる可能性や、日本の医療体制と異なること、言葉の壁などから避けるべきです。
  • 離島や僻地へきち
    医療機関へのアクセスが限られるため、避けたほうがよいでしょう。
  • 感染症が流行している地域:
    妊娠中は感染症にかかりやすく、重症化するリスクもあるため、注意が必要です。

避けるべきアクティビティ(活動)

  • 激しい運動を伴うもの:
    ジェットコースター、パラグライダー、水中ダイビングなど
  • 転倒のリスクがあるもの:
    登山、アスレチック、人混みでの観光など
  • 長時間の移動を伴うもの:
    車や電車、飛行機での長距離移動など(こまめな休憩と水分補給が必要)
  • 高温になる場所:
    温泉(長時間の入浴)、サウナなど

まとめると、国内、それも近場で体に無理のない旅行がおすすめですが、「どうしても海外に行きたい……!」という方は、次に注意点をまとめていますので、参考にしてください。

妊娠中に海外旅行をする場合【注意点や対策は?】

妊娠中に海外旅行をする場合【注意点や対策は?】

環境の変化や医療体制の違いなど、予測できないリスクが多く存在する海外旅行は、決しておすすめはできません。考えられる具体的なリスクは次の通りです。

海外旅行の主なリスク

  • 医療費の問題:
    海外では医療費が高額になる場合があり、特に妊娠関連の治療は保険適用外となることが多いです。 医療費が数百万円から数千万円単位になるケースも考えられます。
  • 医療体制の違い:
    日本の医療体制と異なり、言葉の壁や医療水準の違いなどで不安を感じることがあります。
  • 緊急時の対応:
    言葉が通じない、医療機関へのアクセスが悪いなどの場合は、適切な医療機関で適切な処置を受けるのが困難になる可能性があります。
  • 感染症のリスク:
    環境や衛生状態の違いから、食中毒や感染症のリスクが高まります。妊娠中は免疫力が低下しやすく、重症化するリスクもあるため注意が必要です。
  • 長時間の移動
    長時間のフライトは、エコノミークラス症候群のリスクを高めます。また、飛行機の気圧の変化や乾燥なども、母体や胎児に影響を与える可能性があります。

妊娠中の旅行は、国内であってもリスクが伴います。海外旅行はさらにリスクが高まることを理解し、慎重に判断することが大切です。

上記を踏まえて、それでも妊娠中に海外旅行に行きたいという場合は、以下の注意点を意識して計画を立てましょう。

海外旅行を計画する際の注意点

  • 目的地の医療環境を事前に確認する:
    現地で緊急時に対応できる医療施設が近くにあるか、また、英語や日本語での対応が可能かどうかを確認しておきましょう。
  • 海外旅行保険の確認:
    妊娠中の海外旅行は保険適用外となる場合が多いため、事前に保険内容を確認することが重要です。
  • 食中毒や感染症のリスクが高い地域は避ける:
    目的地の気候や食事が妊婦に与える影響も考慮しましょう。

これらの注意点を踏まえて、くれぐれも無理のない範囲で計画を立てるようにしましょう。

海外旅行保険のメリット

妊娠中の旅行では、上述したように海外旅行保険の選び方も非常に重要です。妊婦特有のトラブルに対応する保険が必要であり、一般的な旅行保険ではカバーされない場合もあるため、内容をしっかり確認しましょう。

以下、海外旅行保険のメリットを簡単にまとめます。

高額な医療費への備え

海外での医療費は高額になる場合があり、妊娠関連の治療は保険適用外となることが多いです。

具体的には、数百万円から数千万円単位の医療費が発生するケースも想定されます。妊娠中の体調変化は予測不可能なため、万が一に備え、十分な補償額が設定された保険への加入が重要です。

緊急時のサポート

海外旅行保険に加入することで、言葉の壁や現地の医療制度に詳しくない場合でも、保険会社が病院の紹介や医療通訳などのサポートを提供してくれることがあります。言葉が通じない、医療機関へのアクセスが悪いなどの状況下で特に役立つでしょう。

妊娠中に海外旅行を検討する際は、必ず旅行保険の内容をしっかりと確認し、自身の状況に合った補償内容であるかを確認することが重要です。

妊娠中の飛行機移動で気をつけるべきポイント

妊娠中の飛行機移動は、注意が必要な点が多くあります。飛行機内での気圧の変化や、長時間の座位による血行不良がリスクとなるため、以下のポイントを意識しておきましょう。

  • 座席選び:
    通路側の席を選び、頻繁に立ち上がれるようにしましょう。
  • 水分補給:
    こまめに水分補給を行い、脱水を防ぎましょう。
  • 着圧ソックスの活用:
    血行を促進して、エコノミークラス症候群を予防しましょう。
  • こまめに動く:
    1時間に1回程度歩き回るなどして血行を良くし、足のむくみを防ぎましょう。

そのほか、航空会社によっては妊娠週数に応じて医師の診断書提出などの制限が設けられているため、事前に確認しておきましょう。

妊娠中に旅行する具体的なリスク【気をつけないと後悔する】

妊娠中に旅行する具体的なリスク【気をつけないと後悔する】

ご紹介したように、もし妊娠中に旅行するなら安定期に行くのがおすすめです。しかし、当然リスクも伴いますので、しっかり対策を練らないと後悔することになります。

妊娠中に旅行した際に考えられる主なリスクは、次の2つです。

  • 母体や胎児への影響
  • 早産・流産の危険性

母体や胎児への影響

マタ旅に行くとなると、まずは移動の負荷がかかります。前述したように飛行機は特に注意が必要ですが、車や電車だとしても移動は疲れますので。。観光はもちろん楽しいですが、慣れない場所は気をつかいますし、宿泊先がよいホテルや旅館だったとしても、少なからずストレスはかかるものです。

母体にストレスがかかれば、当然体調を崩しやすくなります。そして、ストレスは胎児の発育にも少なからず影響しますので、旅行を計画する際はできるだけ負荷がかからないプランを考える必要があります。

私たち夫婦の場合、妊娠初期の旅行(海外旅行)ではかなり精力的に動いてしまいました。。あくまで勝手な推測ですが、長女が障害を持って生まれてきたのは、少なからずその影響もあったのではないかと後悔しています。。

早産・流産の危険性

妊娠中は、仮に安定期であっても体調が変わりやすく、少し動いただけでもお腹が張ってしまったり具合が悪くなってしまうケースがあります。そうなると、普段家で生活するのに比べて、早産や、最悪の場合流産してしまう危険性も高まります

母体に負担のかからないようにするのはもちろんですが、緊急時に備えて、かかりつけの病院からあまり離れすぎないように旅行先を決めておくことも大切です。

近場へのマタ旅は、もしもの場合に病院からそこまで離れていないという安心感にもつながりますので、私も大きなストレスをかかえることなく旅行に行けたのではないかと思っています。

妊娠中の旅行プランの事前チェックリスト【入念な準備を】

妊娠中の旅行プランの事前チェックリスト【入念な準備を】

前述したようにマタ旅はリスクも伴いますが、しっかり準備して無理のない計画を立てておけば、安心して旅行を楽しめると思います。以下、旅行プランを考える際に気をつけるべきチェックリストをまとめました。

旅行プランのチェックリスト
  • 移動時間は1~2時間程度か(病院から離れすぎていないか)
  • 感染症のリスクは低いか
  • 歩く時間や階段の昇り降りは最小限にしているか
  • 食事メニューは適切か

すでにご紹介したように、母体への負担を考えて移動時間は極力短くする必要があります。また、飛行機や船など休憩が取りづらいものを利用するのはできるだけ避けて、車や電車などを活用するのがおすすめです。そして、万が一の際に、かかりつけの病院にすぐに向かえるような旅行先を選ぶべきでしょう。

また、旅行の時期にもよりますが、感染症対策も必須です。観光地に行くわけなので、人が多いところを選ばないのは難しいかもしれませんが……できるだけ人混みを避けるように行動しましょう。加えて、歩き過ぎたり、坂道や階段の昇り降りが多かったりするのもNGです。自分の足で移動する負担を事前に考慮しておきましょう。

さらに、食事にも配慮できると理想です。旅行先だといつもより食べ過ぎてしまったり、普段食べないようなものを食べてお腹を下してしまったりと……ついつい、気が緩みがちなので注意が必要です。(これは妻の失敗談です。。)当然ですが、宿泊先の食事メニューも配慮してもらうように事前に伝えておきましょう。

その他(旅行中に必要なもの)

旅行プランを考えたら、旅行中に必要なものもチェックしておきましょう。

  • 母子健康手帳・健康保険証
  • 処方薬やサプリメント
  • 移動中などに役立つアイテム

母子健康手帳・健康保険証

すぐに病院を受診できるよう、持参しておきましょう。

処方薬やサプリメント

もちろん、処方薬は忘れずに。鉄や葉酸などのサプリを普段とっているのであれば、こちらも持参しましょう。

移動中などに役立つアイテム

妊娠中の移動は、できるだけリラックスした状態でいることが望ましいです。車であれば、腰や背中への負担を軽減するシートクッションなどがあるとよいでしょう。妊婦帯を着用しておくのもおすすめです。

私の場合はむくみがひどかったので、むくみ対策用の靴下(着圧ソックス)は必須でした!車なら、移動中に着用しておいてもよいかもしれません。

旅行後にやっておきたいこと【不安な場合はおすすめ】

旅行後にやっておきたいこと【不安な場合はおすすめ】

もし「すでに旅行に行ってしまったけど大丈夫かな……」「これから旅行に行くけど、行った後が心配だな……」といった場合は、私たち夫婦も行った「出生前診断」「臍帯血の保管」を検討することをおすすめします。

いずれも妊娠中にしかできないことなので、一度お目通しいただければと思います。

出生前診断(新型出生前診断)

出生前診断は、妊娠中に赤ちゃんの発育に異常がないかどうかを検査するものです。私の妻が受けたのは新型出生前診断(NIPT)で、ダウン症などの疾患がないかどうか、事前に把握することができます

以下のような方におすすめです。

新型出生前診断がおすすめな人
  • 「妊娠初期に旅行して不安を感じている」
  • 「妊娠初期のうちに旅行したいけど、その後が不安」

新型出生前診断は早くて妊娠6週から検査でき、一般的には妊娠18週頃までに受けることを推奨されています。検査期間の範囲内の方は、この機会にぜひ検討してみてください。

新型出生前診断を実際に受けた私たちの経験談などは、以下の記事で詳しく紹介しています。少しでも心配な方はぜひご覧ください。

>>【実体験】出生前診断を受けなかったら後悔する?|受けるべき理由

臍帯血の保管

臍帯血は、本人や家族が重い疾患にかかったとき、この臍帯血を移植することで治療できる可能性があるというものです。そもそもは、へその緒や胎盤の中を流れる血液のことなので、へその緒でお母さんと赤ちゃんがつながっている出産時のみ採取することができます

大きな特長は、現在治療法のない自閉症や脳性麻痺などを治療できる可能性があるということです。冒頭でご紹介したとおり、私の長女が自閉症であることもあって、二女・三女の出産時にこの臍帯血を保管しました。

以下のような方におすすめです。

臍帯血保管がおすすめな人
  • 「子ども(赤ちゃん)や家族の万が一の病気などに備えたい」
  • 「子どもや家族の将来を守るうえで最善を尽くしたい」

臍帯血保管の申込みは、ある程度出産直前(臨月)でも大丈夫なので、妊娠の週数にかかわらず、すべての妊婦さんにおすすめです。

実際に臍帯血を保管した私たちの経験談などは以下の記事で詳しく紹介していますので、「赤ちゃんのためにできることはやっておきたい」という方はぜひご覧ください。

>>【実体験】臍帯血は保管しないと後悔する?|保管すべき理由

まとめ

妊娠中の旅行(マタ旅)は、「母体や胎児への影響」「早産・流産の危険性」などのリスクを伴います。もし特に準備もせずに海外旅行のようなハードな計画を立ててしまった場合、私たち夫婦のように後悔する可能性があります。。

私の長女が自閉症となった原因がすべてマタ旅にあったとは言いませんが……いずれにしても、本当に無理のないプランを事前に考えておくことが大事だと思います。

リスクを十分に考えたうえで、妊娠中に旅行する場合は体調の変化が少ない安定期(妊娠5ヶ月以降)がおすすめです。海外旅行はあまりおすすめできませんが、その際はご紹介したチェックリストなどを参考に、負担の少ない旅行プランを立てるようにしてみてください。

「すでに旅行をした後で不安」「旅行はこれからだけど、行った後が心配」といった方は、出生前診断や臍帯血の保管を検討するのがおすすめです。旅行による不安や心配が少しでもある場合は、一度検討してみていただければと思います。以下の記事を参考にしてみてください。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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