
保育園の先生から、「療育を考えてみては」と勧められた方へ。
このブログでは、自閉症の長女を持つ私たち夫婦が実際に経験した「気づき」から「療育開始」、そしてその後の「娘の成長」と「家族の歩み」について、具体的なエピソードを交えながらお伝えします。
- 保育園に療育を勧められる理由
- 療育とは何か
- 療育の効果
保育園で療育を勧められたり、子どもの発達に不安を感じたりしたとき。
親としてどのように考え、具体的にどう行動すればよいのか。
我が家の実体験をもとに、徹底解説します!

目次
保育園に療育を勧められる一般的な背景【そもそも療育とは?】

まず、「療育(りょういく)」 という言葉についてご説明します。
療育とは、ものすごく簡単に言うと、お子さんの発達を、その子に合った方法で専門家と一緒に応援し、持っている力をグーンと伸ばしていくためのオーダーメイドのプログラムのようなものです。
これは「発達支援」とも呼ばれます。
決して「治療」という堅苦しいものではありません。

療育の目的は、必ずしも他の子と同じように「普通」にすることだけではありません。
むしろ、「その子が自分らしく、毎日をより過ごしやすくなるため」のサポートなんです。
なぜ保育園の先生は「療育」を勧めるの?(一般的なケースとして)
保育園は、多くの子どもたちが集団で生活する場所です。
その中で、先生方は日々たくさんの子どもたちと接しています。
だからこそ、集団生活の中で、
- 「言葉の発達が少しゆっくりかな?」
(例:2歳を過ぎても意味のある単語が少ないなど) - 「お友だちとのコミュニケーションで、ちょっぴり戸惑っているみたい」
(例:自分の気持ちをうまく伝えられない、おもちゃの取り合いで手が出てしまうなど) - 「遊びや活動の切り替えが、少し苦手なのかな?」
といった、お子さんの「育ちのサイン」に気づくことがあります。
これは、決して「うちの子だけがおかしいの?」と不安になるようなことではありません。
ただし、保育園の先生は発達の専門家ではありますが、医師ではありません。
もし指摘を受けても、それが即診断というわけではなく、あくまで「気になるサイン」として捉え、まずは専門機関で客観的な評価を受けてみることが大切です。
中には、発達の個人差の範囲内であることや、家庭環境の変化による一時的なものである可能性も考えられます。

先生方は、お子さんのより良い成長を願って、「もっと専門的なサポートも考えてみてはどうでしょうか?」と、優しく背中を押してくれているんです。
大切なのは、保育園からの指摘は「診断」ではない、ということ。
あくまで「より専門的なサポートを検討しませんか?」という提案なんです。

我が家の場合:1歳で感じた「あれ?」という気づき【当時の娘の様子と親の不安】
我が家の場合は、保育園から直接療育を勧められたわけではありません。
1歳の頃に妻が「少し発達がゆっくりかもしれない」と気づいたのがきっかけです。
当時はまだ「療育」という言葉もよく知らず、ただただ漠然とした不安を抱えていました。
当時のことを思い出すと、言葉の遅れや、視線が合いにくいこと、特定のものへの強いこだわりなどが気になっていたように思います。
周りの同じくらいの月齢の子と比べてしまうこともあり、「このままで大丈夫だろうか」と夫婦で話し合う日々でした。

この「あれ?」という親の直感は、とても大切なものだと今になって感じます。
もし、あなたが今、何か心に引っかかるものがあるのであれば、それは決して「考えすぎ」ではないかもしれません。
我が家が踏み出した具体的なステップと、その時々の想い

「うちの子、少し発達が気になるな」
そう感じてから、実際に療育につながるまでは、私たち家族にとっても手探りの道のりでした。
ここでは、我が家が実際に踏み出した具体的なステップと、その時々の正直な気持ちをお伝えします。
ステップ1:勇気を出して最初の相談。市の発達相談窓口へ
最初に私たちが行動したのは、自治体が設けている発達相談の窓口に電話をすることでした。
妻が娘の成長に不安を感じていることを知り、「まずは専門家の方に話を聞いてもらおう」ということに。
電話口では丁寧に話を聞いてくださり、相談の日程を決めることができました。
相談当日は、臨床心理士の先生が娘の様子を見ながら、私たちの話をじっくりと聞いてくれました。
基本的な関わり方や、子どもの発達段階に合わせた遊び方などを具体的に教えていただき、「相談して本当に良かった」と感じたことを覚えています。
一人で悩まず、専門家の視点を知ることで、少し気持ちが楽になりました。
もしあなたが「どこに相談すればいいの?」と迷っているのであれば、まずはお住まいの市区町村の役所(子育て支援課や福祉課など)や、保健センターに問い合わせてみるのがよいでしょう。
そこから、地域の児童発達支援センターなどの専門機関を紹介してもらえるはずです。
ステップ2:「療育とは?」「発達障害とは?」―手探りの情報収集
発達相談を終えてから、夫婦で「療育」や「発達障害」について、改めて情報を集め始めました。
ネットで検索したり、関連書籍を読んだり。
中には不安を煽るような記述もあり、戸惑うこともありました。
情報収集で大切だと感じたのは、「正しい情報を、信頼できるところから得る」 こと。
そして、「情報を集めすぎても、焦らないこと」です。
不安なときほど、たくさんの情報を集めたくなりますが、情報に振り回されてしまうと、かえって不安が増すこともあります。
ステップ3:我が子に合う場所はどこ? 10カ所近くを見学した療育(児童発達支援)選び
娘が2歳になる頃、本格的に療育施設(児童発達支援事業所)を探し始めました。
全部で10カ所近くの施設を見学・体験。
これはあくまで我が家の一例であり、地域や時期によっては、希望する施設にすぐに空きがなく、待機となるケースも少なくありません。
見学の際に私たちが重視したのは、
- 先生方が、娘の特性や小さな変化にも気づき、温かく関わってくれるか。
- 施設の雰囲気は、娘が安心して過ごせそうか。
- 療育プログラムの内容は、娘の発達段階に合っているか。
- 親である私たちへの説明が、分かりやすく丁寧か。
といった点です 。
たくさんの施設を見学する中で、本当に様々な特色があることを知りました。
運動に特化した施設、学習支援に力を入れている施設、小集団でじっくり関わる施設。
最終的に私たちが決めた施設は、見学の際に娘がリラックスしているように見え、先生方が娘の本当に小さな反応も見逃さずに言葉にしてくれ、私たち親への説明も非常に的確で納得できるものでした。

施設選びは、お子さんとの相性が一番大切です。
いくつかの施設を実際に見学し、お子さんの反応をよく観察しながら、親子で「ここなら」と思える場所を見つけることが重要です。
なお、療育の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
もしすぐに利用開始できない場合は、待機期間中に家庭でできること(たとえば、ペアレントトレーニングの受講を検討する、家庭での関わり方を工夫する、関連書籍や信頼できる情報源で学ぶなど)に取り組むのもよいでしょう。

おすすめの書籍については、以下の記事で詳しく紹介しています。
ステップ4:医師の診断、そして受給者証の申請へ
療育施設を利用するためには、原則としてお住まいの市区町村が発行する「通所受給者証」が必要になります。
我が家の場合、療育施設探しと並行して、医師の診断も受けることにしました。
娘は3歳1ヶ月のとき、「中度知的障害を伴う自閉症」と診断(その後、6歳で「重度知的障害」に)。
診断名を聞いた瞬間は、もちろんショックで、頭の中が真っ白になり、将来への不安が一気に押し寄せてきました。
妻としばらく言葉も出ませんでしたが、「診断名は娘の一部であってすべてではない。私たちが娘の一番の理解者であり、サポーターであることに変わりはない。できることを全力でやろう」と話し合い、前を向くことを決めました。
そして、この診断を一つの区切りとして、本格的に療育施設への通所を開始しました。

通所受給者証の申請手続きは、お住まいの市区町村の窓口で行います。
申請書類の準備や面談などが必要になりますが、分からないことは窓口の担当者の方に遠慮なく質問しましょう。
通所受給者証については、以下の記事で詳しく解説しています。
我が家の成長記録【療育が娘と家族にもたらしたもの】

療育を始めてから、娘は本当にゆっくりですが、一歩一歩、確実に成長を見せてくれました。
当時の日々の記録を振り返ると、その時々の娘の頑張りや、私たちの喜び、そして時には悩みや葛藤が鮮明に蘇ってきます。
療育が始まってからの娘の確かな変化(日々の成長記録を振り返りながら)
ここでは、娘の成長のほんの一部ですが、当時の記録から具体的なエピソードを要約してご紹介します。
最初に療育の効果を実感したのは、2歳で自治体の療育に通い始めたとき。
それまで本当に何もできなかった娘が、少しだけ先生の指示を聞けるようになり、ほんの短い時間ですが椅子に座っていられるようになったのを見たときは、これが大きな一歩だと感じました。
その後も様々な成長を見せてくれましたが、もちろん、なかなか思うようにいかないことも多く、正直辛いと感じる時期も。
それでも、娘の本当に小さな「できた!」を見つけるたびに、それが私たちの大きな励みとなり、また前を向いて進む力になりました。
【幼児期(年中・年長の頃)】
当時の記録を紐解くと、本当に色々なことがありました。
- 生活面では、毎日が小さな挑戦の連続でした。
- 食事の面では、それまで名前を聞くだけで泣いていたヤクルトを、幼稚園の先生方の多大なご尽力のおかげで、年中さんの終わりにはボトルから直接1/3ほど飲めるようになったんです。
これは私たちにとって、本当に大きな喜びでした。
生の野菜(トマト、レタス、きゅうり、キャベツ)も少しずつ食べられるようになり、年長さんになると、食具(フォークとスプーン)を使って自分で食べるのが上手になりました 。 - 排泄に関しても、多くの試行錯誤がありました。
年中さんの頃には、便意を感じた時に親の肩をたたくなどのジェスチャーで呼び、トイレで排泄できるように。
年長さんの後半には、排泄の失敗も減っていきました。
当時、一定時間で誘導すればトイレで排泄できましたが、1時間半~2時間の間隔でタイミングを逃すと失敗してしまうことも多かったです。
本当に根気強く向き合っていた日々が思い出されます 。
- 食事の面では、それまで名前を聞くだけで泣いていたヤクルトを、幼稚園の先生方の多大なご尽力のおかげで、年中さんの終わりにはボトルから直接1/3ほど飲めるようになったんです。
- コミュニケーションの面でも、ゆっくりとした、でも確かな変化が見られました。
- 年中さんの頃、「ちょうだい」などの要求のジェスチャーや、欲しいものに対して指差しでの要求が上手になりました。
年長さんになると、日常生活でよく使う物の名前など、理解できる単語がさらに増え、言葉による指示が以前よりも通りやすくなるように。
娘は発語こそありませんが、五十音に近い声を出すことも稀に見られるようになりました。
- 年中さんの頃、「ちょうだい」などの要求のジェスチャーや、欲しいものに対して指差しでの要求が上手になりました。
- 遊びや学習の面では、目覚ましい成長を見せてくれました。
- パズルが大好きで、年中さんの頃には枠なしのジグソーパズル117ピースを自力で完成できるようになりました。
年長さんになるとステップアップし、234ピースのジグソーパズルも一人で完成させられるようになり、私たちを驚かせました。
色塗りも、初めは枠からはみ出すことが多かったですが、だんだんと枠を意識して丁寧に塗れるようになっていきましたね。
- パズルが大好きで、年中さんの頃には枠なしのジグソーパズル117ピースを自力で完成できるようになりました。
【学童期(小学校1年生の頃)】
小学校という新しい環境は、娘にとっても私たちにとっても大きな変化でした。
当時の記録を見ると、
- 学習面では、
鉛筆でのなぞり書きの練習を一生懸命頑張り、ひらがな(単純な形)や数字(0~10)も少しずつですが、なぞって書けるものが増えてきました。
特に自分の名前をなぞり書きできるようになったことは、娘にとって大きな自信につながったようです。 - 生活面でも、
給食で苦手なものも少しずつですが口にしてみようとしたり、日々の学校生活の中で、本当にたくさんの「できた!」が増えました。 - 他者への関心も高まり、
お友だちとの関わりにも少しずつ変化が見られるようになってきました。
もちろん、今でも課題はたくさんあります。
姿勢を正して椅子に座り続けることの難しさ 、お友だちとの距離感、そして何よりも、未だに発語がないこと。
これは、7歳になった今も、私たち家族にとって一番辛く、大きな課題です。
言葉のある子とない子では、コミュニケーションの取り方がまったく異なり、娘の周りでも発語のない子はそう多くはありません。
それでも、療育を始める前と比べると、困りごとや問題行動は明らかに減り、落ち着いて過ごせる時間が本当に増えました。
これらの成長は、決して一直線ではありません。
時には立ち止まったり、後退したりするように見えることもありました。

でも、日々の小さな「できた!」の積み重ねが、娘の大きな自信と「生きる力」につながっている と、私たちは信じています。
父親としての関わり方、家族のチームワーク
娘の療育において、父親である私も積極的に関わってきました。
情報収集は主に私が行い、療育施設への送迎は妻と分担していました。
また、日々の連絡帳の記入や行政手続きは妻が中心でしたが、重要な面दानや病院の診察には必ず夫婦で参加するように。
家庭では、体を使った遊びや、娘が興味を持つことを一緒に楽しむ時間を意識的に作りました。
娘がまだ課題の多かった3歳頃は、特に自宅での療育にも力を入れ、外での歩行訓練、家では感覚統合を意識した遊びなどを夫婦二人三脚で行いました。
これらが、娘の大きな成長につながったと強く感じています。
もちろん、夫婦で意見がぶつかることもありました。
そんなときは一度冷静になり、「娘にとって何が一番良いか」という原点に立ち返って話し合うように心がけています。
そして、お互いの頑張りを認め合い、感謝の言葉を伝え合うことも意識していましたね。

妻は、娘の本当に小さな変化にも気づき、日々の目標を立てて根気強く関わってくれています。
たとえば、ズボンの脱ぎ履きの練習、持ち物の準備など、本当に細やかなサポートを続けています。

夫婦で協力と言っても、現実にはどちらかに心身の負担が偏る時期もあるかもしれません。
そんなときは一人で抱え込まず、夫婦でしっかりと話し合い、時にはカウンセリングやレスパイトケアなど、外部のサポートを頼ることも大切です。
外部のサポートについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
「療育」について知っておきたいこと【種類・費用・心構え】

さて、ここからは療育に関するもう少し具体的な情報をお伝えします。
療育の種類
療育を提供する施設やサービスには、いくつかの種類があります。
- 児童発達支援:
主に未就学のお子さんを対象とした通所型の支援です。
日常生活の基本的な動作の指導や、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などを行います。 - 放課後等デイサービス:
主に小学生から高校生までの就学しているお子さんを対象とした支援です。
学校授業終了後や休業日に、生活能力向上のための訓練や社会との交流促進などを行います。 - その他:
医療的ケアも提供する「医療型児童発達支援センター」や、特定の療育プログラム(応用行動分析(ABA)、TEACCH(ティーチ)、作業療法 、言語療法 、運動療法、音楽療法など)に特化した民間の施設もあります。
療育の形態としては、「個別療育」と「集団療育」があります。
個別療育は、お子さん一人ひとりの課題や発達段階に合わせて、専門家とマンツーマンまたはそれに近い形で行われます。
集団療育は、数人のお子さんと一緒に、遊びや活動を通して社会性やコミュニケーション能力を育むことを目的としています。
娘の場合も、これらの形態を組み合わせて療育を受けてきました。

療育については、以下の記事で詳しく解説しています。
療育にかかる費用
療育サービスの費用は、多くの方が気にされる点でしょう。
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの福祉サービスを利用する場合、先ほど紹介した「通所受給者証」を取得することで、費用の大部分は公費でまかなわれ、自己負担額は原則1割となります。
さらに、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が定められています。
令和元年10月からは、3歳から就学前までのお子さんの児童発達支援などの利用者負担が無償化されているケースも(食費やおやつ代、教材費などが別途かかる場合もあります)。
報酬改定などにより、利用者負担額の計算方法や上限額が変更になる可能性もありますので、費用や制度の詳細は、必ずお住まいの自治体の窓口や相談支援専門員にご確認ください。

また、療育費用以外にも、お子さんの状況に応じて利用できる公的な手当(例:特別児童扶養手当など)があります。
これらも自治体の窓口で情報収集してみましょう。
補助金や手当については、以下の記事で詳しく解説しています。
大切な心構え
療育を始めるにあたって、そして続けていく上で、親として大切にしたい心構えがいくつかあります。
- 療育は「魔法」ではありません:
療育を始めたからといって、すぐに劇的な変化が現れるわけではありません。
お子さんの発達は一人ひとりペースが異なります。
焦らず、長い目で見守ることが大切です。 - 子どもの「今の姿」をしっかりと見つめる:
他の子と比べたり、理想の姿を追い求めすぎたりするのではなく、今のお子さんのできること、好きなこと、苦手なことをしっかりと理解し、受け止めることから始めましょう。 - 小さな「できた!」を親子で喜ぶ:
大きな目標だけでなく、日々の生活の中でのほんの小さな成長や「できた!」という経験を、親子で一緒に喜び合いましょう。
それがお子さんの自信につながり、親御さんの励みにもなります。 - 専門家と家庭が「チーム」となって取り組む:
療育は施設任せにするのではなく、家庭と施設が連携し、同じ目標に向かって情報を共有し、協力していくことが重要です。
先生方のアドバイスを家庭でも実践したり(家庭内環境調整)、家庭での様子を先生に伝えたりすることで、より効果的な支援につながります。 - 保護者自身も学ぶ姿勢を:
療育施設によっては、保護者向けの学習会やペアレントトレーニングの機会を提供しているところもあります。
これらに参加することで、子どもの特性理解を深め、具体的な対応スキルを学ぶことができます。
療育と仕事の両立、そして親自身のメンタルヘルス
療育への通所は、保護者の働き方にも影響を与える可能性があります。
特に平日の日中に療育が行われる場合、仕事を調整する必要が出てくるかもしれません。
正直、私自身も落ち込むことはありました。
でも、娘の笑顔や日々の小さな成長は何よりの励みです。
意識していたのは、自分の時間も大切にすること。
週末にほんの短時間でも一人の時間をつくったりすることで気分転換していました。
もちろん、妻も同様で、お互いにサポートし合っています。

親が一人で悩みを抱え込まないためには、信頼できる人に話を聞いてもらったり、自分なりのリフレッシュ方法を見つけたり、時にはオンラインの相談窓口やコミュニティなどを活用することも大切でしょう。
きょうだい児への関わり
我が家には、娘のほかに妹が2人います。
妹はまだ小さいので手がかかるため、どうしても姉である娘に我慢をさせてしまうことも。
かといって、姉のケアにもやはり時間と手間がかかるため、逆に妹に我慢させてしまうこともあります。
常にバランスをとりながら、それぞれとしっかりと触れ合う時間を作るように心がけています。
これは、どの家庭にも共通する悩みかもしれませんが、特に発達に特性のある子を持つ家庭では、より意識的な配慮が必要になるでしょう。
きょうだい児が寂しさや我慢を感じないよう、親が意識して関わることが大切です。
周囲へのカミングアウトと理解
親しい友人や親戚には、娘の診断が出た段階で正直に話しました。
ほとんどの人が理解してくれ、温かい言葉をかけてくれましたが、中には戸惑う人もいたのが現実です。
伝える際には、診断名だけでなく、娘の具体的な特性や、私たち家族がどう向き合っているかを一緒に話すようにしました。
そうすることで、相手にも少しずつ理解が深まっていったように感じます。
「保育園で療育を勧められた」「わが子の発達が心配」今、不安の中にいるあなたへ

今、この記事を読んでくださっているあなたは、きっと大きな不安の中にいることでしょう。
「うちの子は大丈夫だろうか」
「これからどうなってしまうのだろう」
そんな気持ちでいっぱいかもしれません。
でも、あなたは決して一人ではありません。
まず、その不安な気持ちを誰かに話してみませんか?
パートナーや、信頼できる友人、そして専門機関の相談員など、あなたの気持ちを受け止めてくれる人は必ずいます。

まずはお住まいの自治体の発達相談窓口や専門機関に相談してみてください。
それが、次の一歩につながります。
情報収集も大切ですが、インターネットの情報に振り回されすぎないでください。
たくさんの情報があふれていますが、中には信憑性の低いものや、かえって不安を煽るようなものもあります。 一番大切なのは、目の前にいる我が子をしっかりと見つめ、その子の個性やペースを信じることです。
そして、もし療育という選択肢を考えるのであれば、「早期発見・早期療育」は、子どもの可能性を広げるための、とても大きな一歩になると私は信じています(早期療育のメリットについては、以下の記事で詳しく紹介中です)。

我が家も娘が1歳のときに気づき、2歳から療育につなげられたことは本当に良かったと思っています。
療育は、お子さんの困り感を軽くし、できることを増やし、自信を育んでくれます。
そしてそれは、必ず成長につながります。
一番嬉しかったのは、幼稚園の発表会に娘が最初から最後まで参加できたことです。
保育園のときには集団の活動に参加すること自体が難しかったので、その姿を見たときは思わず涙が出ました。

ですから、もし療育を勧められたり、必要性を感じたりしているのであれば、どうか勇気を出して、すぐに行動してみてください。
子育ては、決して一人で抱え込むものではありません。
父親も母親も、そしてもし兄弟姉妹がいればその子たちも、家族みんなで支え合い、笑い合い、時には涙しながら、一緒に進んでいくものです。
我が家も、そうやって娘と共に7年間を歩んできました。
子どもの未来は、決して暗いものではありません。
療育は、その子の「生きる力」を育むための心強いサポートの一つです。
焦らず、比べず、あなたのお子さんのペースを信じて、一歩一歩進んでいってください。
おわりに【小さな一歩が、未来を拓きます】
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
保育園で療育を勧められたり、我が子の発達に不安を感じたりすることは、親にとって本当に心が揺さぶられる出来事です。
しかし、その「気づき」は、お子さんのより豊かな未来への大切なスタートラインになるかもしれません。
どうか一人で抱え込まず、勇気を出して最初の一歩を踏み出してみてください。
その一歩が、お子さんの確かな成長につながり、そしてご家族の笑顔につながっていくことを、心から信じています。
以下、今回のテーマに関連する、よくある質問をまとめました。
Q
診断がないと療育は受けられないの?
A
必ずしも診断が必要というわけではありません。
自治体や事業所の方針にもよりますが、医師の診断がなくても、お子さんの発達に支援が必要だと判断されれば、療育サービス(児童発達支援など)を利用できる場合があります。
まずはお住まいの自治体の相談窓口や児童発達支援センターに相談してみることをおすすめします。
Q
療育を始めたら、保育園や幼稚園はやめないといけないの?
A
多くの場合、保育園や幼稚園に通いながら、並行して療育施設(児童発達支援など)を利用することができます。
むしろ、保育園や幼稚園と療育施設が連携を取り合い、情報共有しながら支援を進めていくことが、お子さんにとってより良い環境につながります。
Q
療育の効果はいつ頃から感じられるもの?
A
お子さんの特性や発達段階、療育プログラムの内容などによって個人差が大きいため、一概には言えません。
すぐに目に見える変化が現れることもあれば、時間をかけてゆっくりと効果が現れることもあります。
大切なのは、焦らずに長い目でお子さんの成長を見守ることです。
Q
周りの人(親戚、友人、職場など)に子どものことをどこまで、どう話すべき?
A
これは非常にデリケートな問題であり、ご家庭の方針や状況によって異なります。
無理にすべてを話す必要はありませんし、話すことでかえってストレスを感じるようであれば、話さないという選択も尊重されるべきです。
信頼できる人に少しずつ話してみる、あるいは同じような経験を持つ親の会やコミュニティなどで相談してみるのもよいかもしれません。
Q
近くに相談できる行政や医療の資源がない場合はどうすれば?
A
まずは、お住まいの都道府県や中核市に設置されている「発達障害者支援センター」に電話で相談してみるのも一つの方法です。
また、近年ではオンラインでのカウンセリングや療育プログラムを提供している事業者も増えてきています。
オンラインのコミュニティなどで情報交換をしたり、悩みを共有したりすることも心の支えになるかもしれません。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出すためのきっかけとなれば幸いです。