「2歳児になるのに噛みつきが出て困っている……もしかして発達障害なのかな?」という親御さんへ。
2歳児で噛みつきが出ていても、必ずしも発達障害とは言えません。とはいえ、他害ともなる噛みつきは早めに改善しておきたいところです。
この記事では、発達障害の娘を持つ私の療育での経験などをもとに、噛みつきを減らす方法について紹介します。
- 噛みつきが起こる理由
- 噛みつきを改善する方法
この記事を読めば、お子さんの噛みつきの原因や、噛みつきを改善する方法がわかります。実際に嚙みつきを改善した娘の実体験をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
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目次
2歳児の嚙みつきは発達障害?【噛みつきの理由】
噛みつき行動は、2歳児の発達過程の一部として自然なものという説もあります。よって、嚙みつきがあるからといって必ずしも発達障害とは言い切れません。
この年齢の子どもは言語能力がまだ完全ではなく、自分の感情や欲求をうまく表現できません。そのため、噛みつきという行動でコミュニケーションを試みるのです。
「これを伝えたいけど、どう言えばいいのか分からない!」という気持ちが、噛みつきにつながります。
また、この時期の子どもは好奇心旺盛で、物や人を噛むことで感触を確かめようとすることも。しかし、頻繁に噛みつく場合や、他の問題行動と共に見られる場合は注意が必要です。
発達障害の子どもの傾向(他の問題行動の例)
あくまで傾向ですが、発達障害の子どもは、定型発達の子どもと比べて以下のような特徴があります。
- 感覚過敏や感覚鈍麻がある
- 感情のコントロールが苦手で、怒りや不安が爆発する
- 言語能力が低く、自分の思いや気持ちを言葉で表現できない
- 他者の気持ちを理解することが難しい
- ルールに従うことができない
- 適切な社会的スキルやコミュニケーションスキルが身についていない
このような傾向がある場合は注意が必要です。
発達障害の子どもが嚙みつく理由
上記のような特徴から、発達障害の子どもは以下のような理由で噛みつくことがあります。
- 自分の欲求や感情を満たす
- 相手の注意を引く
- 相手への反抗心
- 自分の不快感やストレスの発散
- 自分の興味や好奇心を満たす
発達障害の子どもは、噛みつきが自分の意思を伝える効果的な方法だと思っている場合が多いです。とはいえ、噛みつきは危険な行動であることはもちろん、子ども自身も周囲から孤立してしまいます。
もし2歳児で噛みつきが出ている場合は、発達障害であるか否かも気になりますが、まずはできるだけ早く改善してあげる必要があるのです。
娘のピノ子は、療育の成果もあろ噛みつきもほとんどなくなりましたが、以前は定期的に出てしまっていました。。お友達がせっかくかかわろうとしてくれたのに噛みついたり、私たち親が言うことに反抗して噛みついたりと……こちらも辛いですよね。。
噛みつきのタイプ(発達障害の子どもの特徴も併せて)
噛みつきには、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
- 感覚的な噛みつき
- 感情的な噛みつき
- 意思を伝えるための噛みつき
それぞれ詳しく見ていきましょう。
感覚的な噛みつき
感覚的な噛みつきとは、自分の感覚を刺激するための噛みつきです。
発達障害の子どもは感覚過敏や感覚鈍麻がある場合が多く、自分の感覚を調整するために口や歯を使うことがあります。たとえば、歯ぎしりや爪噛み、指しゃぶりなどが挙げられます。
また、自分の興味や好奇心を満たすための噛みつきもあります。人や物に限らず、新しいものや面白いものを見ると、それを口に入れたり噛んだりします。
感情的な噛みつき
感情的な噛みつきとは、自分の感情をコントロールできないために噛みついてしまうことです。
発達障害の子どもは怒りや不安などのネガティブな感情をうまく表現できない場合が多く、それが爆発して暴力的な行動につながることがあります。たとえば、自分の思い通りにならないときや相手に拒否されたときなどが挙げられます。
また、疲れているときや眠いとき、空腹のときなど、自分の不快感やストレスを発散するためにも起こります。
意思を伝えるための噛みつき
自分の意思を伝えるために噛みつくこともあります。発達障害の子どもは言語能力や社会的スキルが低い場合が多く、自分の欲求や感情を言葉で表現できないことが多いです。そのため、代わりに身振りや手振りや目配せなどの非言語的な方法でコミュニケーションをとろうとすることがあります。
たとえば、自分の欲しいものを指差ししたり、相手の手を引っ張ったり、相手の目を見つめたりすることがあります。しかし、これらの方法は相手に伝わらない場合が多く、相手が自分の意図を理解してくれないと感じると、噛みつくことで自分の存在や要求を強く主張することがあります。
また、自分の関心や好意を示すためにも起こります。たとえば、友達になりたい人や好きな人に近づいて相手が自分から離れようとすると、噛みつくことで自分の気持ちを伝えようとするケースもあります。
2歳児当時のピノ子の場合は、どのケースも当てはまっていましたが、一番多かったと感じるのは「感情的な噛みつき」だったかと思います。自分のやりたくないことを強制させられたり、単に疲れているときなどは出やすかった印象です。
2歳児の噛みつきの改善方法【発達障害でなくても有効】
噛みつきを改善するには、まずその原因やタイプを把握することが重要です。それによって、適切な対応策を考えることができます。
以下、各タイプの噛みつきに対する改善方法について、ピノ子に効果があったものを中心にご紹介します。発達障害ではない、定型発達のお子さんでも十分活用できるはずですので、参考にしてみてください。
感覚的な噛みつきに対する改善方法
感覚的な噛みつきは、自分の感覚を刺激するために起こる行動なので、それに代わる別の感覚刺激を用意することで予防することができます。ピノ子に試して比較的効果のあったのは主に次の2つです。
- 口に適度な刺激を与えることができるグッズやおもちゃを使う
- 口や歯以外の感覚器官(手や足や耳など)に適度な刺激を与える
具体的には、ラッパ、トランポリン、人工芝(100均で買えるジョイント型の芝)、お絵描きなどで対処しました。
ラッパについてはベビーラッパではありましたが、これでもある程度口に刺激を与えることができますし、トランポリンや人工芝では足に、お絵描きでは手に刺激を与えることができます。
「子どもが噛みつきそうになったら使う」ではなく、日常的に使うとより噛みつきを減らせると思います。また、感覚調整能力を高める効果も期待できます。「感覚統合」にもつながる話ですので、こちらについては以下の記事もご覧ください。
感情的な噛みつきに対する改善方法
感情的な噛みつきは、自分の感情をコントロールできないために起こる行動なので、それに代わる別の感情表現や感情調整の方法を教えることで改善することができます。ピノ子に効果があったのは、
- 自分の感情を別の方法で発散させる
ことのみでした……(笑)具体的な方法は、シンプルに気に入ったおもちゃで遊ぶということです。先に挙げたトランポリンもそうですが、ピノ子に試してみて効果のあったおもちゃは以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
意思を伝えるための噛みつきに対する改善方法
自分の意思を伝えるために起こる噛みつきは、それに代わる別のコミュニケーションの方法を教えることで改善することができます。ピノ子に効果があったのはこれも1つで、
- 自分の欲しいものや思っていることを絵カードなどで伝える
ということです。絵カードは、「ごはん」「お出かけ」「テレビ」など、子どもがよく要求するものだけでも絵カードで伝えられるように訓練し、発語のないピノ子でもスムーズな意思疎通ができるようになりました。
『せいかつ絵カードずかん ことばと習慣がぐんぐん育つ! 入園・入学準備に役立つ!』という本が使いやすかったので、参考にしてみてください。
それでも噛みつきが改善しない場合
子どもへの接し方を変える
まずは子どもの気持ちに寄り添い、感情を理解しようとする姿勢が重要です。
「どうしてこんな行動をするの?」ではなく、「この行動の裏にはどんな理由があるんだろう?」と考えるようにしましょう。また、予測しやすい環境設定をしてあげることで、子どもは安心感を得られます。さらに、成功したときには褒めてあげることもが大切です。
もちろん、これが難しいのは重々承知していますが……親の私たちの情緒が安定していることが大前提ですので、冷静にお子さんの様子を観察して、コミュニケーションをとるようにしましょう。
どこに相談すれば良いか?
それでも噛みつきが改善しない場合、まずは小児科や自治体の発達相談窓口に相談するのが一般的です。必要に応じて専門の発達心理士や言語療法士を紹介してもらえます。
また、並行して民間の療育を検討するのもおすすめです。療育については以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
2歳児の噛みつきは必ずしも発達障害とは言えませんが、できるだけ早く改善してあげる必要があります。
噛みつきには、「感覚的な噛みつき」「感情的な噛みつき」「意思を伝えるための噛みつき」という主に3つのタイプがあり、それぞれのタイプに応じて、適切な対応策や予防策を考えることが重要です。
とはいえ、子ども自身も悪気はなく、噛みつくことで何かしらの目的や欲求を満たそうとしているので……私も未だに怒ってしまうこともありますが、まずは「噛みつきが出ない環境を整える」ようにして、少しでも減らしていけるように心掛けましょう。
それでも改善が見られない場合は、早めの療育などを検討しましょう。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。