「自閉症児の遊び方の特徴について知りたい」「特徴的な遊び方を改善して成長を促したい」という親御さんへ。
「一緒に楽しんでほしい」「成長に役立つ遊びをしたい」と思っていても、なかなかうまくいかないと感じることも。子どもたちはそれぞれのペースと特性を持っているため、親としての理解や工夫がより大切になってきます。
このブログ記事では、自閉症児の遊び方の特徴や年齢に応じた遊び方を、実体験をまじえながら紹介していきます。
- 自閉症児の遊び方の特徴
- 成長を促す正しい遊び方
- 年齢別の遊び方の目安
この記事を読めば、自閉症の子どもの遊び方の特徴や、正しい遊び方を促す方法がわかります。自閉症の娘の実体験をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
※本記事はプロモーションを含みます。
目次
自閉症児の遊び方の特徴は?
自閉症の子どもは、おもちゃ本来の用途では中々遊んでくれません。
遊び方には特有の傾向があり、たとえば同じ遊びを繰り返すことや、特定のおもちゃに強いこだわりを持つ、などです。また、自閉症の子どもは感覚過敏であることが多く、光や音などの刺激を受けやすいため、遊び方の工夫が必要となります。
私の自閉症の娘(ピノ子)の場合も、「車のおもちゃのタイヤだけ回す」「同じブロックをひたすら重ねる」「とにかく何でも口に入れる」という感じです。。
自閉症の子どもが好む遊びの傾向
自閉症の子どもは、安心感や一貫性を感じられる遊びを好むことが多いです。
たとえば、ブロックを並べる、簡単なパズルを繰り返すなど、同じ行動やルールに沿って遊べるものに惹かれます。また、音が少なく単純なデザインのおもちゃが好まれる傾向があります。
こちらの写真は、ピノ子がブロックを重ねたものです。同じものを重ねる、典型的な例ですね。。
触覚や視覚に訴えるおもちゃも好まれます。たとえば、シンプルな触り心地のボールや指先で押すと感触が変わるおもちゃなどです。
感覚過敏やこだわりに合わせた遊び方をする
自閉症の子どもは「感覚過敏」と呼ばれる特性を持つ場合が多く、遊び方にも影響します。
視覚や聴覚などの感覚に強く反応してしまうため、特定の音が苦手だったり、強い光が嫌いだったりします。このため、パズルや静かな環境での絵本の読み聞かせなどは好まれる傾向があります。
ご覧のように、ピノ子もパズルを好みます。上下逆さまでやっていますが。。
こだわりの強い自閉症の子どもには、決まった手順や繰り返しを含む遊びが向いています。たとえば、毎日同じ時間に同じおもちゃで遊ぶなど、日課を決めると安心感が得られ、楽しさも倍増します。
特定の動作を繰り返す遊びの理由と対応
自閉症の子どもが特定の遊びを繰り返すのは、上述したように安心感を得られるからです。
これは「反復行動」とも呼ばれ、一定のルールやパターンがある遊びが特に好まれます。自閉症の子どもは予測可能なものや変化の少ないものに安らぎを感じやすく、繰り返しによって環境の安定感が得られるからです。
先ほどお見せしたピノ子が同じブロックを重ねている様子は、まさにそうですね。
遊び方の工夫と改善方法【成長を促す正しい遊び方】
自閉症の子どもの成長を促すためには、遊び方を工夫・改善する必要があります。
以下、自閉症のピノ子の実体験も踏まえた、おすすめの方法は次のとおりです。
- おもちゃの種類を見直す
- 感覚統合を発達させる
- 体幹を鍛える
- 自己肯定感を育む遊びを取り入れる
- 反復行動を活かした遊びをする
順番に見ていきましょう。
おもちゃの種類を見直す
大前提として、おもちゃで遊ぶ場合、本来の用途で遊ぼうとしないのは、そもそもお子さんの発達段階に適したもので遊んでいないということも考えられます。もしかすると、まだまだ親が一緒に遊んであげないと難しいかもしれませんし、一人で遊ぶにしても興味がないおもちゃで遊んでいる場合も考えられます。
対策としては、次のような方法がおすすめです。
知育玩具の活用
知育玩具は、自閉症の子どもの発達にもよい影響を与えます。
ピノ子の例でいうと、パズルやブロック遊びなど、手先を使うおもちゃは集中力を高める効果があるのでおすすめです。また、パズルやブロックには「完成」という視覚的にわかりやすい目標があり、これを達成することで「やり遂げた」という自己肯定感が育まれます。
たとえばパズルの場合、10ピース程度の簡単なパズルでも達成感を感じやすく、考える力を養います。また、色や形が異なるブロックを組み立てる遊びは、観察力や認識力を鍛えるのに役立ちます。
自閉症の子どもにおすすめのおもちゃは、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
>>【実体験】自閉症児におすすめのおもちゃ12選!|夢中になるものを紹介
おもちゃのサブスクサービスを利用する
とは言っても、「おもちゃの選び方がわからない」という場合は、おもちゃのサブスクサービスがおすすめです。
中でも、発達段階に合わせて、プロのプランナーがおもちゃをセレクトしてくれるサービスを活用するとよいでしょう。以下の記事で詳しく紹介しています。
>>おもちゃで遊ばない、発達障害の子におすすめ「アンドトイボックス」
安いものを購入して色々試してみる
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感覚統合を発達させる
前述したように、自閉症の子どもは感覚過敏がある(感覚統合に問題がある)ため、ここを発達させるのも重要です。感覚統合に有効なおもちゃや、感覚統合遊びを取り入れるとよいでしょう。
感覚統合については、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>【効果あり】感覚統合遊びやトレーニングの具体例、おすすめ13選!
娘のピノ子の場合も、感覚統合遊びを取り入れることで、少しずつ成長が見られるようになりました。滑り台やジャングルジムにも積極的に挑戦したり、型はめを楽しむおもちゃやブロックなども上手に取り組めるようになりました。
体幹を鍛える
体幹が弱いのも自閉症の子どもの特徴。そのために上手に遊べないということも考えられますので、これを鍛えるのも大切です。体幹の弱さも、おもちゃやトレーニングなどである程度強化することができます。
具体的な方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>発達障害児の体は何故ぐにゃぐにゃ?【自閉症の娘が改善した方法】
ピノ子の場合も、最初は公園などに連れて行っても遊具で満足に遊ぶことができませんでしたので、まずは室内でトランポリンに取り組んだり、椅子に座る練習をしたりしました。もちろん、一朝一夕で鍛えられるわけではありませんが、継続して取り組むことでピノ子もだいぶ遊具を使えるようになってきたと実感しています。
自己肯定感を育む遊びを取り入れる
自己肯定感を育むためには、子どもが自分のペースで取り組み、成功体験を感じられる遊びを提供することが重要。特に、自閉症の子どもには「できること」に焦点を当てた遊びが効果的です。
達成可能な目標を設定し、以下のような手順で少しずつ自信をつけられるように工夫しましょう。
- 小さな目標を立てる:
簡単なパズルやブロックの組み立てなど、小さな目標を設定 - 達成したら褒める:
達成できた後には必ず褒めて、自信をつけさせる - さらに簡単で成功しやすい遊びを選ぶ方法も:
紙を丸める、色を塗るなど、さらに難易度を下げてあげる
反復行動を活かした遊びをする
上述したように、自閉症の子どもは特定の行動を繰り返す「反復行動」が多い傾向があります。これを活かして、同じ動きを楽しめる遊びを取り入れると、子どもにとって心地よい遊び時間になります。
- 繰り返し遊べるおもちゃ:
シール貼り、柔らかいボールを投げる、積み木を積む、など - 規則性のある遊び:
ブロックを色ごとに物を並べる、形ごとに分類する、など - リズムのある動き:
動画に合わせて簡単なダンスをしたり、音を合わせた手拍子遊びをする、など
【参考】年齢別の自閉症児の遊び方
自閉症の子どもの成長に合わせて遊び方を工夫することは、発達を促しながら安心して遊べる時間を提供するうえで非常に重要です。
年齢や発達段階に応じた遊びを選ぶことで、遊びが学びにつながり、成長を感じやすくなります。
具体的には、幼少期には感覚遊びや基本的な動作ができるおもちゃを中心に、小学校以降では少しずつルールがある遊びや社会性を養う活動を取り入れるとよいでしょう。
1〜3歳:基本的な遊びの導入と工夫
1〜3歳の自閉症の子どもには、感覚を刺激する遊びが効果的です。この時期はまだ自己表現が難しいため、触覚や視覚で楽しめる遊びを取り入れると安心感が得られます。
たとえば、柔らかい積み木や布でできたブロック、触ると音が出るおもちゃなどが適しています。さらに、繰り返し遊べるおもちゃを選ぶと、子どもが安心して集中する時間が増えるでしょう。
- 柔らかい積み木での遊び:
安全で握りやすく、小さな達成感を感じやすい - 布製ブロック:
積んだり崩したりの繰り返しが楽しい - 音が出るおもちゃ:
視覚や聴覚を使って集中力を育てる
こうしたおもちゃを使って、自由に触れられる環境を整えることで、子どもは遊びの中で安心して自分のペースを見つけられるようになります。
4〜6歳:知育玩具やルールのある遊びの活用
4〜6歳になると、知育玩具や簡単なルールのある遊びを取り入れることで、少しずつ人とのコミュニケーションや順序の理解を深めていけます。
たとえば、色分けされたブロックでの遊びやパズルが効果的です。この年齢になると、自分で考えながら遊ぶことに楽しさを見出しやすくなります。
- 色分けブロック:
色を分けて並べる作業で達成感と集中力を育む - パズル:
形や絵柄を遊びながら学べる
小学生以降:コミュニケーション力を高める遊びと活動
小学生になると、他の子どもと一緒に遊ぶ機会が増え、コミュニケーション力を養う遊びが大切です。友達と簡単なゲームをしたり、グループでの役割分担がある遊びを通して、社会性や協調性を学びやすくなります。
たとえば、ボードゲームや一緒に作る工作遊びがおすすめです。
- ボードゲーム:
順番を守りながら遊び、社会性を養う - グループ工作:
役割分担ができるため、協調性を学べる - 簡単なカードゲーム:
楽しみながらコミュニケーションの力を伸ばす
ここで紹介した年齢別の遊び方は、お子さんの発達段階によって大きく異なります。年齢にとらわれ過ぎず、お子さんに合った遊びを考えるうえでの参考にしてみてください。
【実体験】自閉症児との遊び方の工夫
ここからは、自閉症のピノ子にも実践した方法もまじえて、家庭でできる具体的な遊び方を紹介します。
コミュニケーション力を高める遊び
自閉症の子どもには、言葉だけでなく視覚的な指示やジェスチャーを使った遊びが効果的です。
たとえば、シンプルな指差しや「これをちょうだい」といったやり取りを通して、言葉を使うことに慣れていくことができます。
また、親が一緒に遊ぶときは、子どもの興味を引き出すことが大切です。絵本を一緒に見ながら指差して言葉を教える、または、簡単な物の名前を使って会話の練習を行うとよいでしょう。
こうした遊びを通して、子どもが少しずつ「伝える喜び」を感じられるようになり、コミュニケーションの基礎が育ちます。
感覚遊びでストレスを軽減する方法
感覚遊びは、自閉症児がストレスを軽減し、心を落ち着かせるのに非常に役立ちます。特に、触覚や聴覚を使った遊びが効果的です。自閉症児は感覚過敏や感覚の違和感を抱えやすいため、安心できる感覚に触れることでリラックスしやすくなります。
- スライムや粘土遊び:
触覚を使ってストレスを発散しやすい - 音の出るおもちゃ:
好きな音を鳴らすことで聴覚的に落ち着きを感じる - 水遊び:
水の流れや触感がリラックス効果をもたらす
まとめ【できることから対策して、遊び方を見直しましょう】
自閉症児の遊び方の特徴や、成長を促す正しい遊び方、年齢別の遊び方の目安などについて紹介しました。
もし今お悩みの親御さんは、今回ご紹介した方法を1つでも取り入れてみてください。すぐに改善されるというわけではありませんが、ピノ子の場合も継続して取り組むことで、少しずつ効果が見られました。
なお、もしまだ自閉症の診断が出ていないけど、遊び方を見ると違和感を感じて不安……という方は、以下の記事を参考にしてください。
>>【実体験】1歳で感じる違和感は自閉症のサイン?|適切な対策も紹介
自閉症の可能性がある1歳児に見られるサインや、早期にサポートを受けるための具体的なステップについて紹介しています。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。