【実体験】自閉症の子どもの走り方の特徴は?|改善方法を紹介

【実体験】自閉症の子どもの走り方の特徴は?|改善方法を紹介
ケンサク

ケンサク

はじめまして、ケンサクといいます。
知的障害を伴う自閉症の娘(ピノ子)への療育に奮闘中の父親です。

ー主な経験ー
■療育
◎前職で児童発達支援事業立ち上げに携わる
◎約10の療育(児童発達支援事業所)を体験
■出生前診断・臍帯血(※妻)
◎3人目の妊娠にて新型出生前診断(NIPT)
◎2人目・3人目の出産にて臍帯血を保管
■教材
◎学校教材の編集・制作経験(約7年)
◎発達障害児に役立つ教材の分析

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「子どもが自閉症で、走り方を改善したい」または「子どもの走り方が不自然で、自閉症かどうか心配……」といった親御さんへ。
走り方に違和感を感じるだけで自閉症とは言えません。ただ、いずれにしても走り方を改善することは大切です。私の娘は自閉症で、やはり特徴的な走り方をしていましたが、療育で少しずつ改善されています。
今回は自閉症児の走り方の特徴と、その改善方法について紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 自閉症の子どもの走り方の特徴
  • 走り方の改善方法

この記事では、自閉症の子どもの走り方の特徴はもちろん、娘の実体験から走り方の改善方法まで説明します。ぜひ、参考にしてください!

自閉症の子どもの走り方の特徴は?

自閉症の子どもの走り方の特徴は?

私の娘のピノ子も自閉症で、療育や発達相談で走り方について教えていただく機会がありました。

所説あるようですが、主な特徴をまとめると次のようになります。

手を上手に使えない

通常の走り方であれば、右足を踏み出すときは左手を前に、左足を踏み出すときは右手を前に、となりますが、自閉症のお子さんはこの手の動きが苦手という特徴があります。

たとえば、両手を前に出しながら走ったり、反対に後ろに出しながら走ったりすることもあります。

ちなみにピノ子の場合は、アラレちゃんのように両手を横に広げて走っていたこともありました。。(それはそれで可愛いんですが……(笑))

小走りになる(つま先だけを使っている)

自閉症(発達障害)の子どもは、足裏の感覚過敏があったり、原始反射(新生児が様々な刺激から無意識に反応する反射動作)が残っていることなどが原因で、足裏を地面につけることが苦手な傾向があります。

よって、つま先だけを使うようになり歩幅を広げることができず、走り方が小走りになる特徴が見られます。そのため、走る速度が遅いということも。

転びやすい

これは上述した2つの特徴があるゆえに起こりやすいのですが、つま先で走るので当然体は安定しませんし、手も上手に振れないのでバランスを崩しやすくなります。結果、必然的に転びやすくなってしまうということです。

ピノ子も、以前はよく転んでいました。。

なお、もしまだ自閉症などの発達障害の診断が出ていないお子さんをお持ちの親御さんは、「ウチの子どもは大体当てはまっているから自閉症なのかな……」とは思わないでください。大前提として、このような走り方の特徴があるから自閉症とは言い切れませんので。。

しかし、発達にやや課題があるというのも事実でしょうから、もしまだ療育を検討されていない場合は、早めに取り組むことをおすすめします。療育については、以下の記事で詳しく紹介しています。

自閉症の子どもの走り方の改善方法【まずは歩きましょう】

自閉症の子どもの走り方の特徴は?「自閉症の子どもの走り方の改善方法」

では、上述した自閉症の子どもの走り方は、どのようにすれば改善していけるのでしょうか。療育や発達相談で教わった内容をピノ子に試してみて、実際に最も効果が見られたのは「歩くこと」です。

当たり前かもしれませんが、まずは正しい姿勢で歩けるようにならないと走り方は改善されません。正しい歩き方とは、胸を張り、手をしっかり振って一歩一歩大きく踏み出し、長時間歩けることです。実際の取り組み方については、次からご紹介していきます。

手をつないで歩いてみる

走り方に、前項で述べたような特徴を持つ自閉症の子どもの多くは、正しく歩くことができないはずです。歩いていても飛び跳ねてしまったり、道にある物や草木に触ってしまったり、そもそもちょっと歩いただけで地べたに座り込んでしまったりと……もちろん、ピノ子も最初はそうでした。。

なので、まずは親御さんと手をつないで歩くことから始めるとよいでしょう。とはいえ、私たち親が子どもの手を引っ張ってしまっては元も子もありませんので、多少先導はしつつも、「子どもがしっかり自分の足で歩けるようにサポートする」という意識で手をつないであげるのがよいでしょう。

最初からうまく歩けるとは限りません(ピノ子の場合も癇癪を起こして散々でした……)ので、はじめのうちは5分でも10分でもいいので、可能な範囲で持続してがんばってみましょう。慣れてきたら20分、30分と時間を伸ばしていってください。

ピノ子の場合もそうやって徐々に継続できるようになり、今では1時間以上歩けるようになりました。

慣れてきたら階段や坂道を歩いてみる

手をつないである程度しっかり歩けるようになってきたら、今度は階段や坂道に挑戦してみましょう。上るときは足を上げなければならないですし、下るときはしっかりバランスをとる必要がありますので、とてもよい練習になります。

ある程度一人で歩けるようになったピノ子も、定期的に階段や坂道は利用するようにしています。

一人で歩いてみる

いずれもある程度できるようになったら、親は手をつなぐことはせずに隣で見守って、子ども一人で歩かせてみましょう。正しい姿勢で長時間歩くことができるようになっていれば、おそらく走り方にも改善が見られているはずです。

ただし、これも自閉症の子どもの特徴にはなりますが、できるようになったからといってやめてしまうと、気がついたらできなくなってしまいます。。歩くことは走り方の改善だけでなく、脳の成長にもつながる大事なことなので、継続的に取り組んでもらうことをおすすめします

ピノ子の場合も、幼稚園のときの運動会ではリレーに出場して、転ばずにしっかりバトンを渡すことまでできるようになりました!

一人でしっかり歩けるようになれば、走り方はさらに改善できるでしょう。

その他、取り組んでおきたいこと

前項で述べたように、基本的には正しく歩けるようになることが、自閉症の子どもの走り方を改善する近道です。加えて、「身体づくり」という観点では、次のようなことにも取り組んでおくとよいでしょう。

感覚統合を発達させる

感覚統合とは、様々な感覚器官から入ってくる情報を脳が正しく分類・整理し、適切に反応する能力のことです。たとえばトランポリンなどが一例で、バランス感覚を鍛える練習になります。

感覚統合については以下の記事で詳しく紹介しています。

おもちゃなどを正しく使って遊ぶ

自閉症の子どもの走り方の特徴は?「おもちゃなどを正しく使って遊ぶ」

特におすすめなのが、ひも通しやシール貼り、パズルといったものです。自閉症の子どもは左右の手が分化されずに、たとえば筆記用具や食具をどっちの手でも使うという傾向が見られます。利き手には利き手の役割があり、反対の手には反対の手の役割があるということを理解するうえで、これらの遊びは両方の手を正しく使わないと上手に遊べません。

なお、これらおすすめのおもちゃについては以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらをご覧ください。

これが左右の分化につながり、ひいては走る際の手の振り方にもつながります。

体幹を鍛える

自閉症の子どもの走り方の特徴は?「体幹を鍛える」

自閉症の子どもの特徴として、「体幹が弱い」ということもよく言われることです。当然、走り方にも少なからず影響してきますので、体幹を鍛えておくのもよいでしょう。

もちろん歩くことも練習になるのですが、そのほかにも、たとえば一定時間椅子に座る練習をしたり、同じ場所に「気をつけ」の姿勢で立つ練習などをしてみましょう。

体幹の鍛え方については以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらをご覧ください。

まとめ【自閉症児の走り方は特徴的だが、改善可能】

自閉症児の走り方の特徴と、その改善方法を中心にご紹介しました。

「手を上手に使えない」「小走りになる」「転びやすい」などの特徴がありますが、歩くことを中心に身体づくりを行えば、私の娘のピノ子のように走り方をある程度改善できるでしょう。

早めの対応で、ぜひお子さんの成長をサポートしていただければと思います。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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