「臍帯血バンクの利用を検討しているけど、デメリットを知っておきたい」という方へ。
臍帯血バンクは、赤ちゃんの臍帯血を保存しておくことで、将来の病気や疾患の治療に役立てるためのもの。メリットは大きいものの、デメリットもあります。私たち夫婦が実際に利用した経験から、デメリットをはじめ、利用する際の注意点や利用すべき理由などについて紹介します。
- 臍帯血バンクのデメリット
- 臍帯血バンクを利用する前に知っておくべき注意点
- 臍帯血バンクを利用すべき理由
この記事では、臍帯血バンクのデメリットから、利用すべき理由についても実体験をまじえて紹介します。これから臍帯血バンクを利用するかどうかを考えている方は、ぜひ参考にしてください!
※臍帯血バンクのうち、今回は私たち夫婦が利用した「民間の臍帯血バンク」について紹介します。
目次
臍帯血バンクのデメリット
臍帯血バンクには多くのメリットがありますが、デメリットも無視できません。結論から言うと、主なデメリットは次の3点です。
- 保管費用が高め
- 本人以外の家族に100%使えるかどうかはわからない
- 病気を完全に治癒できるわけではない
臍帯血バンクのデメリット①【保管費用が高め】
1つ目のデメリットとして、費用の高さが挙げられます。
臍帯血の保存には、民間臍帯血バンク最大手のステムセル研究所で、10年総額275,000円(ベーシックプラン)。その後も保管する場合はさらに維持費が必要です。保存期間が長くなるほど、費用が増加します。
なお、費用やプランについては以下の記事で詳しく紹介しています。
臍帯血バンクのデメリット②【本人以外の家族に100%使えるかどうかはわからない】
2つ目のデメリットは、本人以外の家族に100%使えるかどうかはわからないという点です。
臍帯血を赤ちゃん本人に使用する場合は問題ありませんが、親や兄弟姉妹で利用する場合は100%適合するとは言えません。また、採取した臍帯血の質や量が不十分であった場合、治療に使用できないこともあります。
臍帯血バンクのデメリット③【病気を完全に治癒できるわけではない】
3つ目のデメリットは、保存された臍帯血が将来の治療に必ずしも役立つとは限らないという点です。
臍帯血は特定の病気にしか効果がなく、すべての病気に対して万能ではありません。また、現在治療法のない病気(自閉症や脳性麻痺など)を改善できる可能性はあるものの、完全に治癒できるわけではありません。
こういったデメリットはありますが、私たち夫婦は二女・三女の出産の際に臍帯血バンクを利用しました。理由については後半で紹介しますが、まずは利用する場合どんな点に注意すべきかについてお話ししていきます。
臍帯血バンクとは?
そもそも臍帯血バンクとは、将来の病気や治療に利用するための赤ちゃんの臍帯血を保存する施設です。
臍帯血には、再生医療に役立つ幹細胞が豊富に含まれており、白血病やリンパ腫などの血液系疾患の治療に使用されます。臍帯血バンクは出生時に採取した臍帯血を冷凍保存し、必要なときに提供するシステムです。
臍帯血バンクの基本的な仕組み
臍帯血バンクの基本的な仕組みは以下の通りです。
まず、出産時に臍帯血を採取し、専用の保存容器に入れます。その後、臍帯血はバンクに送られ、検査と処理が行われます。検査では、感染症の有無や細胞の質が確認され、処理後は冷凍保存。この保存された臍帯血が必要に応じて解凍され、患者に移植されます。
なお、臍帯血バンクには公的バンクと民間バンクの2種類があります。
公的バンクと民間バンクの違い
公的バンクは、国や自治体が運営し、臍帯血を無償で提供します。これに対し、民間バンクは、個人や企業が運営し、利用者が費用を負担します。
公的バンクは主に社会全体の利益を考慮して運営されるため、提供された臍帯血は誰でも利用可能です。一方、民間バンクでは、提供者自身やその家族が優先的に利用できるという利点があります。
私たち夫婦は民間バンクで臍帯血を保管しました。
臍帯血バンクを検討する際の注意点
臍帯血バンクの利用を検討する際には、上述したデメリットを踏まえていくつか重要な注意点があります。
- 長期的なコストを考慮する
- 利用するケースを想定する
- 信頼性や保存技術の高い臍帯血バンクを選ぶ
長期的なコストを考慮する
まずは、費用について考える必要があります。
上述したように、ステムセル研究所の場合は10年保管で275,000円が目安。1年契約にして都度更新していくことも可能ですが、コストパフォーマンスや実際に利用することを想定すると、やはり10年保管が現実的でしょう。
私たちも10年保管で契約しています。
費用が高めなので、予算に合ったプランを選ぶことが重要です。ただし、今は期間限定のキャンペーンを開催していて、分割手数料は無料になります。月々7,600円、10年間の月額で換算すれば2,291円ですので、無理のない支払い方法を選択することも可能です。
利用するケースを想定する
臍帯血バンクを利用するということは、将来の家族の万が一に備えるということです。上述したように、臍帯血は自閉症や脳性麻痺などを改善できる唯一の手段ではありますが、臍帯血を実際に利用する場合は別途費用が発生します。
さらに、これもご紹介したように、病気が完全に治癒できるものではありません。これらを前提に考えておく必要があります。
それでも自閉症児を育てる私たち夫婦からすれば、改善の可能性が少しでもあるだけで、臍帯血を保管する価値はすごく大きいと考えました。それだけ、病気(障害)と日々向き合うのは辛いことなのです。。
信頼性や保存技術の高い臍帯血バンクを選ぶ
臍帯血は長期間にわたって保存されるため、最新の技術と設備を備えた臍帯血バンクを選ぶことが重要です。また、保管するだけでなく、移植(治療)に関するサポートサービスも提供されているのが理想です。
民間臍帯血バンクでは国内99%のシェアを誇るステムセル研究所であれば、上記の条件をすべて満たしているので安心です。ステムセル研究所については、以下の記事で詳しく紹介しています。
臍帯血バンクを利用すべき理由
臍帯血バンクを利用することは、万が一の健康リスクに備えるための重要な手段となります。
臍帯血には再生医療に役立つ幹細胞が豊富に含まれており、白血病をはじめ、現在治療法のない脳性麻痺や自閉症などを改善する効果も期待できます。
「子どもや家族の将来を守るうえで最善を尽くしたい」という場合、臍帯血バンクの利用はとても有効な選択肢です。
臍帯血バンクのメリットは?
臍帯血バンクのメリットは、まずは繰り返しになりますが、臍帯血を用いて現在治療法のない病気を改善できる可能性があることや、母子共に痛みもリスクもなく採取できることなどが挙げられます。
また、本人以外にも兄弟姉妹に使える可能性も高いので、家族全員が健康リスクに備えることができ、安心感を得られる点も大きなメリットです。
万が一の場合に備えられるのは、本当に安心です。
臍帯血バンクの将来的な展望
臍帯血バンクの存在意義は、今後ますます高まると予想されています。
再生医療の技術が進展するにつれて、臍帯血の利用範囲も広がっています。現在では先述した白血病をはじめ、脳性麻痺や自閉症の治療に活用する研究が進んでおり、自閉症で言えば大阪公立大学と株式会社ステムセル研究所が「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」を実施予定です。
臍帯血を保存しておけば、将来医療技術がさらに進展した際に高度な治療を受けられる可能性が高まるので、とても重要な選択肢となるでしょう。
私たち夫婦が臍帯血バンクを利用した理由
上述したように、私たち夫婦は二女・三女の出産時に臍帯血バンクを利用して臍帯血を保管しました。その理由は、長女が知的障害を伴う自閉症であるからです。
臍帯血は、その自閉症を改善できる可能性のある唯一の手段。もちろんコストはかかりますが、毎日自閉症の娘と向き合っている親の立場からすると、「この唯一の手段を捨てることはできない」と強く思いました。
それだけ、私たち夫婦にとっては臍帯血に大きな価値を感じたのです。
なお、私たちが臍帯血バンクを利用するに至ったもう少し詳しい理由や経緯については、以下の記事で紹介しています。
また、SNS(X)でも次のような声があります。
X(旧Twitter)の声
やはりお金はかかるものの、「臍帯血についてもっと詳しく知っていたら保管した」「保管しないで後悔した」という意見も見受けられます。
まとめ【デメリットを踏まえても臍帯血バンクはおすすめ】
今回は、臍帯血バンクのデメリットや利用すべき理由などについて紹介しました。
臍帯血バンクの利用には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。利用を検討する際には、ご夫婦で十分に話し合い、費用や保存期間、利用するケースといったポイントを確認しておきましょう。
臍帯血は、現在治療法のない病気を改善できる可能性がある唯一の手段です。自閉症の娘を育てる私たち夫婦が臍帯血バンクを利用したように、もし少しでも不安を感じる方は前向きに検討していただくのをおすすめします。
臍帯血バンクの詳細や申込み方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。