「療育の掛け持ちは子どもに負担かな……」「そもそも療育の掛け持ちってできるのかな?」とお考えの親御さんへ。
療育の掛け持ちは可能ですが、場合によっては確かにお子さんの負担になってしまうことも。今回は、実際に掛け持ちをしている私の娘の経験をもとに、メリット・デメリットを解説し、そのうえで注意すべきポイントなどについてご紹介します。
- 療育を掛け持ちするメリット・デメリット
- 療育を掛け持ちする場合の注意点
私の娘が実際に療育を掛け持ちしている体験談をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
目次
療育の掛け持ちのメリット
まず、療育を掛け持ちするメリットについてです。
子どもにとって最適な療育体制を確立できる
たとえば、もし現在1つの療育に通っていた場合、それは「個別療育」か「生活型(集団療育)」に分けられるはずです。現状、間違いなく「個別が合っている」「集団が合っている」と判断できればよいのですが、実際に通わせてみない限りそれは難しいと思います。
また、仮にその判断ができていたとしても、療育によって支援体制も異なります。たとえば、トイレトレーニングをやってくれるところとそうでないところがあったり、発語トレーニングに力を入れていたり入れていなかったり……といった具合です。
その点、複数の療育を利用することで、子どもの発達の遅れに対応した最適な組み合わせを見つけられる可能性が高まります。療育によって強みは異なりますので、専門的な知識や経験を持つスタッフの数も当然違ってくるでしょう。
それぞれの施設の特徴を見極めながら療育を掛け持ちすることで、お子さんにとって最適な療育体制を確立することができます。
複数の専門家(先生)に相談できる
上述したように、療育によって強みとするところは異なります。たとえば、「言葉の遅れについて相談したいけど言語聴覚士の先生がいない」「歩き方が悪いので相談したいけど作業療法士の先生がいない」といった具合です。
また、強みとするところが同じである場合でも、療育先によって見解が分かれることもあります。そういった場合は私たち親が「どちらの言い分が正しいのだろう……」と考える必要がありますが、そもそも通っている療育が1つの場合は、その療育の先生の言うことを信じるしかありません。。
複数の療育を利用して複数の先生の意見を聞くことで、「子どもにとって何が最適な手段か」を検討できるようになります。
冒頭でお伝えしたように、娘のピノ子は複数の療育に通っています。やはりそれぞれ強みが異なりますが、良いバランスを保って通えていると思います!
療育の掛け持ちのデメリット
続いて、療育を掛け持ちするデメリットについてです。
子どもへの負担になる
療育を掛け持ちすることで、子どもの生活リズムが乱れる可能性があります。複数の療育に通うことになれば、お子さんによっては疲労やストレスがたまるかもしれません。
ピノ子の場合も、療育を掛け持ちし始めた最初の1カ月くらいはちょっと状態が悪いなあと思うこともあったのですが、その後は慣れたようで特に乱れる様子はありませんでした。
もちろん個人差がありますので……数カ月たっても落ち着かないといった場合は、掛け持ちは控えた方がよいかもしれません。
また、メリットのところでも書きましたが、「療育によって考え方が異なる」のはデメリットにもなります。
たとえばピノ子の場合、お絵かきが好きなのですが、放っておくと好き放題書きなぐってしまいます。それを良しとする療育とそうでない療育を掛け持ちしているため、私たち親が「お絵かきをやるなら目的をもってやらせてください」と伝えるようにして、一貫性がとれるようにしました。
これは決して好きに書かせる療育を否定しているわけではなく、ピノ子にはそうしないほうが合っていると、あくまで私たち親が判断したということです。
親の負担も増える
当たり前かもしれませんが、保護者の負担も増えます。単純に子どもの送迎が増えますので、その分時間を費やす必要があります。さらにスケジュール調整にも手間がかかったりと、私たち親もある程度覚悟しなければなりません。
また、「療育によって考え方が異なる」というデメリットは、親にも関係してきます。「自分の子どもにはどの療育方法が適切か」ということは、最終的に親が判断しなければなりません。
とはいえ、毎日お子さんと接している中で、「自分の子どもは何となくこういうタイプだろうなあ……」というのはある程度想像がつくかと思います。方針がブレないようにすることが大切です。
療育の掛け持ちにおける施設の選び方【注意点】
上述したように、療育を掛け持ちすることは、デメリットに注意すれば子どもにとって最適な環境で成長を促すことができることをご説明しました。
掛け持ちを行う場合は、あとは以下の点に注意して療育を選べばよいでしょう。
子どもの特性に合った体制かどうか
メリット・デメリットでもご説明しましたが、療育によって強みとするところは異なります。お子さんが苦手としているのはどのようなことか、または伸ばしていきたいのはどういった能力なのか、事前に判断したうえで療育を選ぶようにしましょう。
ピノ子の例で言いますと、言語発達が遅れていたのでまずは言語聴覚士のスタッフのいる個別療育を検討。また、他のお友達とコミュニケーションをとることがほとんどできていなかったので、関わる機会が多い集団療育も併せて調べてみた、といった具合です。
事前にHPを確認したり資料請求してみたり、見学・体験などを通してじっくり選ぶことをおすすめします。
無理のないスケジュールが組めるかどうか
療育の内容はもちろんですが、療育を掛け持ちした際に無理のないスケジュールになるかどうかもチェックしましょう。デメリットのところでも述べましたが、掛け持ちすることでお子さん・親御さんの負担も懸念されます。まずは余裕を持ったスケジュールになるようにしましょう。
ピノ子の場合も、掛け持ちした最初は週に2回程度になるように調整していました。慣れてきた今は週によって3回になることもありますが、決して無理のない範囲で通わせることを心掛けています。
掛け持ちにおすすめの療育【月に2回で高い効果を得られる療育とは?】
とはいえ、「選ぶ基準はわかったけど、どんな療育があるのかわからない」という方もいるかと思います。そういった方向けに、掛け持ちにうってつけの療育があります。
月にたった2回のレッスンを続けるだけで、「運動能力が向上する」「書字が上手になる」「自己肯定感が上がる」といった効果が得られる療育です。以下の記事で詳しく紹介していますので、掛け持ちを検討中の方はぜひご覧ください。
この月に2回の療育と別の療育を組み合わせることで、お子さんの負担にもならずに最大限の効果が期待できます。
療育の掛け持ちは、家庭での療育・サポートも大切
これはどの療育に行ったとしても共通することでしょうが、家庭での療育も大切です。療育を受ける時間はおよそ1時間程度、長くても半日程度といったところですから、それ以外の大半の時間は家で過ごすことになるのです。
療育を掛け持ちする場合、複数の療育先から「こうしたほうがよい」というアドバイスをもらったら、私たち親がそれをもとに方針を考え、最適な方法を家でも実践してあげる必要があります。
また、前述のとおり、療育を掛け持ちすることでお子さんにストレスがたまっているケースも考えられます。その場合は家庭での療育を詰め込み過ぎず、休息の場としてある程度自由に遊ばせてあげるのもよいでしょう。
療育を掛け持ちしているピノ子の場合も、たまに「今日は疲れてるなあ」と感じることもありますので、その際はあまり療育を意識し過ぎず、ある程度好きなように遊ばせることもあります。あるいは、褒める回数を意識的に増やしてみたりもします(反対に、はしゃぎすぎてしまっているときは少し強めに静止したりもします)。
療育を掛け持ちする・しないにかかわらず、当たり前のことかもしれませんが、子どもの様子をより注意深く観察して必要なサポートを適宜してあげるとよいでしょう。
まとめ【注意点を踏まえれば、療育の掛け持ちはおすすめ】
療育の掛け持ちについて、実体験からメリット・デメリットを解説し、掛け持ちするうえで大切なことや注意点をご紹介しました。
私の娘のピノ子は療育を掛け持ちして成長が見られているので、個人的にはおすすめしますが、まずはメリットとデメリットを踏まえてしっかり検討し、慎重に決定することが前提です。そのうえでお子さんや親御さんに無理がなさそうであれば、ぜひ取り組んでみてください。
もし「どの療育を選んだらいいのかわからない」という方は、以下の記事をご覧ください。月に2回で多くの成長が見込めるこちらの療育と別の療育を掛け持ちすることで、最大限の効果が期待できます。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。