「まずは受給者証の申請をしましょう」
窓口でそう言われて、書類を持ち帰り。封筒から出して、いちばん上の一行を見る。
「障害児通所受給者証」
そこで手が止まった方も、少なくないと思います。
この記事をご覧の方は、すでに色々調べてこられたはずです。それでも決めきれないのは、情報が足りないからではなく、判断の材料が見つからないからではないでしょうか。
先に書きます。制度としての不利益は、ほとんどありません。
ただ、わが家が本当に困ったのは、取る前ではなく、取ったあとでした。
このブログ記事では、よく言われるデメリットを5つ整理したうえで、取得後に実際に起きたこと、そして取ったほうがいい人とそうでない人の分かれ目までお伝えします。
書いているのは、重度知的障害を伴う自閉症の娘を育てる父親です。知的障がい支援士の資格を持ち、自治体の療育と民間療育の両方を、受給者証を使って利用してきました。
目次
通所受給者証のデメリットは?【よく言われる5つを先に整理します】

通所受給者証を取ったことでお子さんが何かを失う場面は、ほとんどありません。障害を認定する書類ではないからです。
一般的に挙げられるデメリットは、次の5つです。
- 心理的な抵抗:「障害児」という文字を見ることへの負担
- 手続きの手間:書類集めと窓口とのやり取りに時間がかかる
- 年1回の更新:一度取れば終わりではない
- 家族間の温度差:夫婦や祖父母と意見が割れることがある
- 将来への影響:進学・就職・保険に響くのではないかという不安
このうち5つ目については、先に答えを書いておきます。
私が調べた範囲では、通所支援を利用したことが進学先や就職先へ自動的に伝わるような仕組みは、見当たりませんでした。
障害があることを公的に証明するのは、障害者手帳や療育手帳のほうです。通所受給者証は、児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するための書類にすぎません。
ここを混同したまま悩んでいる方が、とても多いように感じます。
順番に見ていきます。
①「障害児」という文字への抵抗はあります
この感覚は、なくならないと思います。ただ、使う場面が限られているため、時間とともに薄れていきます。
わが家も、何も感じなかったと言えば嘘になります。
娘の場合は、受給者証より先に診断がありました。3歳1か月のときです。診断名を聞いた帰り道、私たち夫婦はほとんど会話ができませんでした。
それでも、公的な書類に「障害児」と印字されているのを見るのは、また別の重さがありました。
とはいえ、実際に手に取る機会は多くありません。事業所と契約するときに提示して、あとは月に一度、利用実績の確認で事業所に見せる程度。財布に入れて持ち歩くようなものではないんです。
書類の名前は変えられませんが、書類が子どもを決めるわけでもありません。
② 手続きに時間と手間がかかります
申請から交付までは、1か月前後を見ておくといいでしょう。診断書が必要な自治体では、そこにさらに時間がかかります。
必要になるのは、申請書のほか、医師の診断書や意見書、障害児支援利用計画案などです。
診断書を依頼する場合、受け取るまで1週間ほど、費用も別途かかるのが一般的です。
つまり、思い立った月に通い始められるものではありません。
具体的な流れは、記事の後半でまとめています。
③ 年に一度、更新の手続きがあります
受給者証には有効期限があり、多くの自治体では1年ごとの更新が必要です。
利用計画を相談支援専門員に作ってもらわず、保護者自身が作成する「セルフプラン」を選んだ場合は、この書類も毎回自分で書くことになります。
正直に書きます。面倒です。
ただ、年に一度と考えれば、負担としてはそこまで大きくありません。むしろわが家の場合、更新の時期が「この1年で何が変わったか」を振り返るきっかけになっていました。
去年は座っていられなかったのに、今年は5分もつようになった。そういう変化は、日々の中では見えにくいものです。
④ 家族の中で意見が割れることがあります
制度そのものより、こちらのほうが辛いかもしれません。
母親が「早く申請したい」と考えている一方で、父親が「そこまでしなくても」と言う。あるいは祖父母から「気にしすぎだ」と言われる。
わが家が、まさにその状態でした。
娘が1歳半のころ、言葉はありませんでした。指さしもしない。名前を呼んでも振り向かない。
それでも私は、「そのうち出るだろう」と構えていたほうの親です。日ごとに不安を大きくしていたのは、妻でした。
最終的に相談の電話につながったのは、妻の不安が限界に近づいたからです。私が先に動いたわけではありません。
いま振り返ると、当時の私が渋っていた理由は「娘のため」ではありませんでした。
自分が現実を見たくなかっただけです。
書類の話をしている限り、議論は平行線になりやすいです。でも実際に子どもが過ごす場所を見ると、反対していた側の受け止め方が変わることがあります。私がそうでした。
⑤ 進学・就職・保険に影響しますか【確認できる範囲では見当たりません】
療育に通っていたことを進学先や就職先へ申告する義務は、通常ありません。利用歴が自動的に共有される仕組みも、私が調べた範囲では見当たりませんでした。
ただし、「絶対にありません」とまでは書けません。制度の運用は自治体ごとに違いますし、個人情報の扱いも一律ではないからです。
保険についても、考え方は同じです。
生命保険や医療保険の告知で聞かれるのは、通院歴や診断名、服薬の有無です。受給者証を持っているかどうかそのものではありません。
ただ、受給者証を取る過程で受診や診断があった場合は、その事実が告知の対象になり得ます。最終的な加入の可否は保険会社の判断になりますので、気になる方は加入前に代理店やファイナンシャルプランナーに確認しておくと確実です。
診断がついていない段階で療育に通うことへの不安については、以下の記事でもう少し詳しく書いています。
そもそも通所受給者証とは?【療育手帳・障害者手帳との違い】

通所受給者証は、正式名称を「障害児通所受給者証」といい、児童福祉法に基づいて市区町村が交付する書類です。障害の有無を証明するものではなく、特定のサービスを利用するために使います。
すでにご存じの方は、この見出しは読み飛ばしてください。
受給者証があると、次のサービスを公的な支援として利用できます。
- 児童発達支援:主に就学前の子どもが通う療育
- 放課後等デイサービス:就学後から18歳までの子どもが、放課後や長期休暇に利用する
- 保育所等訪問支援:支援員が園や学校を訪問して、集団生活での支援を行う
- 居宅訪問型児童発達支援:外出が難しい場合に、自宅で支援を受ける
児童発達支援も放課後等デイサービスも、必要になるのは同じ通所受給者証です。就学のタイミングで書類が変わるわけではなく、利用するサービスの種類が切り替わります。
療育手帳・障害者手帳との違い
療育手帳は、知的障害があると判定された場合に交付されるもので、障害があることの証明になります。障害者手帳も同じです。税の控除や各種割引など、生活全般に関わる制度とつながっています。
一方の通所受給者証は、特定のサービスを利用するための書類です。
そして、療育手帳を持っていなくても、通所受給者証は申請できます。
ここが、いちばん誤解されているところだと思います。
デメリットより先に知ってほしい、取得後につまずいた4つ

ここからが、この記事で最もお伝えしたい部分です。
受給者証について書かれた記事の多くは、手続きの手間と更新の話で終わります。それも事実なのですが、わが家が実際に足を止められたのは、もう少し先でした。
① 証が出ても、通える事業所がすぐ見つかるとは限りません
受給者証は「療育を受ける権利」を証明するものであって、「通う場所」を用意してくれるものではありません。事業所探しは保護者側の仕事です。
交付されたあとに、自分で候補を探して、空き状況を確認して、契約する。ここまで全部やる必要があります。
そして人気のある事業所には、待機があります。地域によっては、数か月から1年以上待つこともめずらしくありません。
私たち夫婦も、娘の支援先を探す過程で10か所ほどの児童発達支援事業所を見学しました。そのうち実際に通ったのは、3〜4か所です。
断られたわけではありません。
空きがなかった。送迎の範囲外だった。娘には刺激が強すぎる環境だった。理由はそれぞれでした。
だから、順番としては「受給者証の申請」と「事業所探し」を同時に進めるほうがいいです。申請書に利用希望の事業所名を書く自治体もありますから、そもそも並行せざるを得ない場面もあります。
待機になったときにできることは、以下の記事にまとめています。
② 使える日数(支給量)に上限があります
受給者証には「支給量」という欄があり、1か月に何日まで利用できるかが書かれます。この日数は聞き取りや利用計画をもとに、市区町村が決定します。
わが家が最初につまずいたのは、「取れば好きなだけ通える」と思い込んでいたことでした。
実際には、決められた日数の中でやりくりすることになります。複数の事業所を併用する場合も、それぞれの利用日数の合計がこの範囲に収まっている必要があります。
運用は自治体によってかなり違います。たとえばある市では、児童発達支援と放課後等デイサービスの基準最大支給量を月23日(週5日まで)と定めたうえで、これを超える利用が必要な場合は理由書の提出を求めています。
*出典:朝霞市「障害児通所支援における支給量の適正化」
これはあくまで一例で、上限も手続きもお住まいの自治体によって異なります。
大事なのは、申請の段階で「週に何回くらい通いたいのか」を具体的に伝えておくことです。あとから増やすには、あらためて相談と手続きが必要になります。
複数の療育を組み合わせる場合の考え方は、こちらで書いています。
③ 事業所の質は、思っていた以上に差があります
受給者証が使えるかどうかは制度の話ですが、通ってみて合うかどうかは、まったく別の問題でした。
これは、書くかどうか迷った項目です。
見学に行くと、どこも良いことを言ってくれます。
でも、実際に体験まで進めてみると、違いが出ました。指導のあとに「今日も楽しく過ごせました」で終わる事業所と、「このねらいで、こう働きかけたら、こう反応したので、次はこうします」まで話してくれる事業所があったんです。
前者が悪いと言いたいのではありません。ただ、家庭に持ち帰れるものの量が、まるで違いました。
見学のときに1つだけ質問するとしたら、私はこう聞きます。
「療育の後、家では何をすればいいか具体的に教えてもらえますか?」
この問いにしっかりと答えられる事業所なら、通う価値は高いと思っています。
④ いちばんの誤算は、「通えば変わる」と思っていたことです
4つ目は、制度の話ではありません。
私自身の、思い込みの話です。
娘が自治体の療育と相談を使い始めたのが2歳0か月。週1回の集団療育に通い始めたのが、2歳10か月でした。
受給者証が交付されて、通う場所が決まって。そのときの私は、正直こう思っていました。
「これで、専門家が何とかしてくれる」
そうはなりませんでした。
集団療育では、体を動かす活動から、座って話を聞く活動へ切り替える場面がありました。娘はそのたびに泣き叫びました。毎回です。
家の中の困りごとも、ほとんど変わりませんでした。逃走癖があったので、外出のたびに神経を張り詰めさせていました。
当たり前といえば、当たり前でした。
週に1回、1時間ほどの療育に対して、娘が家で過ごす時間は圧倒的に長いんですから。
療育は、通わせて終わりではありません。
そこで学んだことを家庭の毎日に落とし込めるかどうかで、伸び方が変わってきます。私がそれに気づくまでには、かなりの時間がかかりました。
そして、気づいたあとにやったのは、何かを足すことではありませんでした。
減らすことです。
褒めると娘の表情が固まり、視線が外れ、課題から逃げようとする。声をかけるほど泣き声が大きくなる。良かれと思ってやっていたことが、娘にとっては刺激になっていたんです。
もしあなたが今、「我が子の成長を感じない」と思っていたら。
それはあなたの努力が足りないわけではなく、家庭での関わり方とお子さんの特性が、噛み合っていないだけという可能性があります。
そのあたりは、以下の記事で詳しく書いています。
それでも、わが家が受給者証を取ってよかったと思う理由

ここまで困ったことを4つ並べましたが、取らなかった場合と比べれば、取ってよかったと思っています。
理由を3つ書きます。
費用の負担が大きく下がります
受給者証があると、障害児通所支援の利用者負担は原則1割になります。さらに世帯の所得に応じた月ごとの負担上限額が定められており、どれだけ利用してもその額を超えて請求されることはありません。
- 生活保護受給世帯:0円
- 市町村民税非課税世帯:0円
- 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満):4,600円
- 上記以外:37,200円
通所施設を利用する場合は、食費についても低所得世帯と一般1の区分で軽減があります。
*出典:こども家庭庁「利用者負担の仕組み」
加えて、令和元年10月から、就学前の障害児の発達支援については利用者負担が無償化されています。対象となるサービスと年齢には条件がありますので、詳しくは自治体でご確認ください。
*出典:こども家庭庁「就学前障害児の発達支援の無償化について」
わが家が療育を探していたときも、受給者証が使えない施設がいくつかありました。(思わず金額を二度見してしまった記憶があります。)
使えるか使えないかで、選べる場所の数がまるで変わります。
家庭に持ち帰れる助言がもらえます
費用の話より、実はこちらのほうが大きかったです。
娘が2歳のころ、言語聴覚士など専門職の方から助言を受けて、家庭での実践を始めました。
日常の困った行動にどう対応するか。言葉の理解をどう広げるか。擬音語や身近な名詞を、どう積み上げていくか。
どれも、私たち夫婦だけでは思いつかなかった視点でした。
3歳6か月からは、民間の療育も併用しました。そこで体づくりを重視するプログラムに出会えたことが、のちの大きな成長につながるきっかけになっています。
娘にとっては、体幹を育てることと、外出に耐える力をつけることの両方につながりました。あの出会いがなければ、いまも休日の過ごし方に困っていたと思います。
つながる先が増えます
障害のある子どもを育てていると、親は驚くほど孤立します。事業所とつながることで、子どものことを一緒に考えてくれる大人が増えます。
これは、思っていた以上に効きました。
娘が小学校に上がってからは、学校と放課後等デイサービスの間で、排泄、食事量、情緒面の様子を共有できるようになりました。
小学2年生のある時期、娘の問題行動が一時的に増えた時期があります。そのとき家庭だけで抱えずに済んだのは、共有できる場所があったからでした。家庭で運動の機会を増やす対応を取り、徐々に落ち着いていきました。
もし相談先が家庭しかなかったら、原因を探すところで消耗していたはずです。
なお、通所受給者証を提示することで、一部のレジャー施設などで割引を受けられる場合もあります。ただし対象施設や条件は変わりますので、利用前に各施設の公式サイトでご確認ください。
取ったほうがいい人と、急がなくていい人【判断の目安】

ここまで読んで、自分はどちらだろうと考えている方へ。
判断の目安を書いておきます。
取得を前向きに考えていい人
- すでに療育をすすめられている:
窓口や園、医師から一度でも話が出ているなら、必要性が認められる可能性が高い状態です。 - 園や学校で困りごとが出ている:
集団に入れない、指示が通らない、癇癪が多いなど、本人が困っている場面がある。 - 家庭での対応に行き詰まっている:
親が相談先を持つこと自体に価値があります。 - 費用面で民間療育をあきらめていた:
受給者証の有無で、通える場所の数が変わります。
急がなくてもいい、または先に別のことをしたほうがいい人
- 本人も家族も、今のところ大きく困っていない:
手続きだけ進めても、通う場所が決まらなければ意味が薄いです。 - どんな支援が必要か、まだ見えていない:
先に見学へ行くほうが早いことがあります。受給者証がなくても、見学や体験ができる事業所はあります。 - 家族の合意がまったく取れていない:
申請より先に、一緒に見学へ行くことをおすすめします。
「どちらとも言えない」と感じたなら、それは相談していい状態だと思います。
申請は、通うことを確定させる手続きではありません。交付されても使わない、という選択は残ります。
判断に迷ったときの考え方は、こちらでも書いています。
診断がなくても対象になることがあります
診断名がついていなくても、通所受給者証が交付されるケースはあります。
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインでは、事業所が支援する対象を、主に就学前の障害のあるこども、またはその可能性のあるこどもとしています。
診断が確定していない段階の子どもも、はじめから制度の想定に入っているということです。
*出典:こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」
実際の手続きでも、診断書ではなく医師の意見書で申請できる自治体があります。意見書は診断名をつけるための書類ではなく、「この子には支援があったほうがよさそうです」という医師の見解を書いたものです。
いわゆるグレーゾーンのお子さんでも、支援の必要性が認められれば交付されることがあります。
「もらえない」と言われたときに確認したいこと
一度断られたことが、そのまま結論になるとは限りません。次の点を確認してみてください。
- どの条件が足りていないのか:
書類の不足なのか、必要性の判断なのかで、次の動き方が変わります。 - 意見書でも申請できるか:
診断書が必須ではない自治体もあります。 - 園や保育所からの情報を添えられるか:
日常での困りごとを、第三者の視点で伝えられます。 - 別の窓口でも相談できるか:
障害福祉課、子育て支援課、児童発達支援センター、相談支援事業所など、入口は1つではありません。
判断は自治体ごとに違いますし、状況が変われば結果も変わります。
通所受給者証をもらうには?申請から交付までの流れ

窓口への相談から交付まで、大きく5つの段階があります。細かい部分は自治体によって異なりますので、大枠として見てください。
- 窓口に相談する
市区町村の障害福祉担当窓口や子育て支援課、相談支援事業所などに相談します。必要な書類や、地域の事業所についても案内してもらえます。 - 必要書類を準備する
申請書のほか、医師の診断書や意見書、マイナンバー関係の書類などが必要です。診断書が必要かどうかは自治体によって違います。 - 障害児支援利用計画案を作成する
どのサービスを、どれくらいの頻度で利用したいかをまとめます。相談支援専門員に作成してもらう方法と、保護者が作成するセルフプランがあります。 - 調査・審査を受ける
お子さんの状況について聞き取りが行われ、利用できるサービスの種類と支給量が決定されます。 - 交付・契約・利用開始
受給者証が交付されたら、利用する事業所と契約を結び、利用を開始します。
申請から交付までは1か月前後が目安ですが、時期や自治体によってはもっとかかります。
くり返しになりますが、この期間に事業所探しを進めておくほうが、結果的に早く通い始められます。
通所受給者証についてよくある質問

Q
療育手帳とはどう違うのですか?
A
まったく別の制度です。療育手帳は知的障害があると判定された場合に交付され、障害があることの証明になります。通所受給者証は通所支援を利用するための書類で、障害の有無を示すものではありません。療育手帳がなくても申請できます。
Q
将来、就職活動のときに申告が必要になりますか?
A
療育に通っていたことを申告する義務は、通常ありません。障害者雇用の枠で応募する場合は障害者手帳が必要になりますが、それは受給者証とは別の制度の話です。ただし制度の運用は変わり得ますので、その時点での確認はしてください。
Q
保育園や幼稚園の入園に影響しますか?
A
受給者証を持っていることで入園できなくなるという話は、聞いたことがありません。ただ、入園の手続きの際に、通所先での様子や配慮してほしい点の共有を求められることはあります。手間は増えますが、これは園と情報をそろえるための作業で、不利益とは違います。園との連携については、以下の記事も参考にしてください。
Q
診断書は必ず必要ですか?
A
自治体によります。医師の意見書で足りる場合もありますし、専門機関の所見で申請できることもあります。診断書が必要な場合は作成に費用と日数がかかるため、早めに医療機関へ相談しておくと安心です。
Q
放課後等デイサービスにも同じ受給者証が使えますか?
A
使えます。児童発達支援と放課後等デイサービスは、どちらも障害児通所支援に含まれます。ただし就学のタイミングで利用するサービスが切り替わるため、支給量などの見直しが必要になります。
Q
引っ越したらどうなりますか?
A
受給者証は市区町村が交付するものなので、転出すると使えなくなります。転入先で改めて申請が必要です。引っ越しが決まっている場合は、転出前に転入先の自治体へ確認しておくと、空白期間を短くできます。
申請を迷っている方へ、いま一番お伝えしたいこと

ここまで読んで、こう感じた方もいるかもしれません。
「取ったところで、結局そのあとが大変なんじゃないか」
そのとおりです。受給者証は、療育の入口を開ける書類であって、それ以上のものではありません。
ただ、入口が開いていなければ、選択肢そのものが存在しないままになります。
そして、申請してから実際に通い始めるまでには、早くても1か月、待機が出れば数か月かかります。その期間、家庭で何もできないわけではありません。
わが家が最終的に一番効いたと感じているのは、通う場所を増やしたことではなく、家での過ごし方を変えたことでした。
娘は、いま小学校3年生です。パズルは型はめから始めて、32ピース、117ピース、192ピースと段階を刻み、年長のうちに234ピースを完成させられるようになりました。小学2年生では、自分の名前をひらがなで書けるようになっています。
魔法ではありません。家庭では課題の段差を細かく分けて、一段ずつ登れるようにしただけです。
では、家庭療育では何を減らし、何を見ればいいのか。わが家がどこでつまずいて、何が変わったのかは、以下の記事にまとめています。今日から1つだけ試せることも書いています。
まとめ
通所受給者証に、制度としてのデメリットはほとんどありません。
障害の認定ではありませんし、進学や就職に自動的に響くような仕組みも、私が調べた範囲では見当たりませんでした。よく挙げられる手続きの手間や年1回の更新も、事実ではありますが、年に一度と考えれば大きな負担ではないはずです。
わが家が実際に困ったのは、そのどれでもありませんでした。
証が出ても通える場所がすぐには見つからなかったこと。使える日数に上限があったこと。事業所によって持ち帰れるものが違ったこと。そして何より、「通わせれば変わる」と思い込んでいたことです。
デメリットは、制度の側ではなく、取ったあとの使い方に出ます。
だから、迷っている段階でやっておくといいのは、書類の心配ではありません。
窓口に電話する。近くの事業所を1つ調べて、見学の予約を入れる。
今日できるのは、それくらいで十分だと思います。
※この記事のうち、制度・費用に関する部分は、こども家庭庁および自治体の公開情報をもとに執筆時点の内容をまとめたものです。それ以外は、重度知的障害を伴う自閉症の娘を育てる中での、わが家の体験にもとづく記述です。
※制度の運用や必要書類は自治体によって異なり、変更される場合もありますので、実際の手続きにあたってはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
※当ブログの編集方針・情報の取り扱いについてもあわせてご覧ください。

