4歳児の癇癪への対応は?【発達障害児を持つ実体験から解説】

4歳児の癇癪への対応は?【発達障害児を持つ実体験から解説】
ケンサク

ケンサク

はじめまして、ケンサクといいます。
知的障害を伴う自閉症の娘(ピノ子)への療育に奮闘中の父親です。

ー主な経験ー
■療育
◎前職で児童発達支援事業立ち上げに携わる
◎約10の療育(児童発達支援事業所)を体験
■出生前診断・臍帯血(※妻)
◎3人目の妊娠にて新型出生前診断(NIPT)
◎2人目・3人目の出産にて臍帯血を保管
■教材
◎学校教材の編集・制作経験(約7年)
◎発達障害児に役立つ教材の分析

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「もう4歳なのに癇癪が多くて困っている」「4歳で癇癪があるのは発達障害なのかな……」といった悩みをかかえる親御さんへ。
4歳で癇癪があるからといって発達障害と決めつけることはできませんが、定型発達でも発達障害の子どもでも、対策をとることで癇癪を減らすことは可能です(私の娘のピノ子は発達障害ですが、色々な取り組みをして改善してきました)。
今回は癇癪への対応方法について、私の経験を交えながらご紹介していきます。

4歳児の癇癪は発達障害?

4歳児の癇癪は発達障害?

4歳で癇癪があるからといって、その子どもが発達障害なのかどうかは一概には言えません。ただし、一般的な成長段階において、4歳児は自分自身をコントロールする能力が向上しているため、頻繁に起こる場合は注意が必要です。

また、定型発達の子どもの癇癪と発達障害の子どもの癇癪にはそれぞれ傾向があります。詳しくは次項で解説しますが、大まかにまとめると次のとおりです。

定型発達の子どもの癇癪

癇癪の対象は主に家族。癇癪を起こしても、比較的短時間で落ち着くことができる。

発達障害の子どもの癇癪

誰が相手でも癇癪を起こす。一度癇癪を起こすと、30分、1時間など長時間泣き続ける。

癇癪が起こる原因は?【定型発達と発達障害で異なる?】

4歳児の癇癪は発達障害?「癇癪が起こる原因は?」

定型発達の子どもの癇癪は、感情が高ぶったり、自分の思い通りにならなかったりするときに起こることが多いです。たとえば、おもちゃを取られたり、自分がやりたいことを親に止められたりするときです。疲れていたり、空腹だったりするときにも起こることがあります。

一方、発達障害の子どもの場合は、定型発達の子どもと同じ理由で癇癪が起こることもありますが、言葉の発達がゆっくりな場合が多く、そのことによって自分の欲求(要求)を言葉で伝えることができず、癇癪という方法で表すこともあります。

また、感覚過敏などが原因で癇癪を起こすことも。たとえば、音や光に敏感に反応してしまったり、本人の気に入らない些細なことがあった場合に起こることもあります。私の娘のピノ子も発達障害をかかえているため、些細なことでも癇癪を起こします。。

たとえば、自分が気に入っている遊びをしている最中に「トイレに行くよ!」と声をかけるだけで暴れることもありますし、車でお出かけをしたいのに自転車でお出かけするということがわかると、地べたに寝そべりながら暴れて抵抗したり……今ではだいぶ収めることができていますが、以前は長時間泣き続けていました。。

4歳児の癇癪の対応方法【家庭での対応】

4歳児の癇癪は発達障害?「4歳児の癇癪の対応方法」

我が家でピノ子に対して実践した方法をご紹介します。ピノ子は発達障害をかかえていますが、前述したように定型発達の子どもと同じ理由で癇癪を起こすこともありますので、どちらの場合でも参考になると思います。

また、癇癪が起こった後の対応も大事ですが、それ以上に「癇癪を起こさないこと」も重要です。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

癇癪を起こさないようにする方法

  • 子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】
  • 落ち着かせるための手段を事前に考えておく
  • 日頃からすぐに要求を通さないようにしておく

子どもの感情に寄り添う【親子関係の強化】

まずは、日頃から子どもの感情に寄り添うことを心掛けましょう。一日中ずっとそばにいるのはもちろん難しいのですが、子どもが何か話しかけてきたり、コミュニケーションをとろうとしてくれたときには笑顔で接しましょう。基本ではありますが、忙しい毎日を過ごしているとつい忘れがちになります(私もそうです)ので……できる範囲で心掛けるとよいと思います。

落ち着かせるための手段を事前に考えておく

これは、「癇癪が起こりそう!」となった場合にすぐに落ち着かせることができるよう、事前にその対策を考えておくということです。

たとえばピノ子の場合、家の中で散らかったおもちゃを片づけるように要求して、反抗しそうになった場合には、「片づけたらテレビ見ようか」「片づけたらおやつ食べようか」といったようにして予防線をはります。どちらも本人が好きなものですので、これである程度納得してくれます。

ただし、ピノ子の場合は「片づけたら好きなことができる」ということをそもそも理解するのが難しかったので、それなりの期間を要したのですが……わかるようになった今では、だいぶ落ち着いて生活できるようになりました。

日頃からすぐに要求を通さないようにしておく

癇癪を起こさないようにするには、極論、すべて子どもの望む通りにしてあげるということも考えられますが……もちろん、それでは成長につながりません。そのためには、日頃からすぐに要求を通さないようにしておくことも大切です。

ピノ子の場合も、たとえば「おやつを食べたい」という要求があった場合は、「先にトイレに行こうか」といったように、いちいち親の指示を挟むようにしています。もちろん、やりすぎは注意が必要ですが、日頃から適度なストレスに耐えられるようにしておくことで、ちょっとしたことでは癇癪が起こりにくくなります。

実際、ピノ子の場合はこれが効果的で、癇癪が起こりにくくなった大きな要因だと思っています。

癇癪が起こった後の対応

癇癪が起こってしまった場合、まずは落ち着くまでそばにいて見守るようにしましょう。その後、子どもの気持ちを受け止め、話を聞いて主張を代弁したり、抱き締めるなどしてスキンシップをとってあげてください。こうすることで安心感をあたえられますし、子どもの自己肯定感も高まるので、癇癪を減らすことにもつながります。

4歳児であっても、定型発達であっても、発達障害であっても、基本の対策は同じです。発達障害の子どもの場合は特に、癇癪が起こる前に好きなものに誘導するなどして防ぐことが重要ですが、どうにもならないケースもあります。

たとえばピノ子の場合、状態が悪いときは「ずっとテレビを要求してくる」「ずっと食べ物を要求してくる」ということもあります。そうなると、さすがにどこかのタイミングで制御する必要が出てくるので、そのときに癇癪が起こります。そのようなケースでは、寄り添ってあげる必要が出てくるでしょう。

とはいえ、やはり癇癪が起こらないに越したことはありません。そのためには、日頃から子どものストレスを減らすために十分な睡眠時間を確保することや、健康的な食事をとることも大切です。ピノ子の場合も食事療法を行うことで、癇癪の減少につながった実感があります。詳しくは別記事で紹介していますので、ご覧になってください。

4歳児の癇癪の対応方法【療育の活用】

4歳児の癇癪は発達障害?「4歳児の癇癪の対応方法」

前述したように、癇癪を起こしてしまう4歳児は、言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手な傾向があります。療育では、子どもの言動からその子が何を求めているのかを理解し、適切な支援を行ってくれますので、自分の気持ちを表現する方法を学ぶことで成長につながり、癇癪を抑えていくことが期待できます。

もしまだ利用されていなかったり、「色々試してはいるけど全然収まらない」といった場合は、利用してみることをおすすめします。

療育(児童発達支援)の通い方やおすすめの療育については別記事にまとめていますので、検討される場合はご覧になってください。

癇癪が中々収まらない場合は、親も一息つきましょう

4歳児の癇癪は発達障害?「癇癪が中々収まらない場合は、親も一息つきましょう」

癇癪が頻繁に続くと、私たち親も参ってしまいます。。そうすると気持ちに余裕がなくなり、子育てに限界を感じてしまうこともあるかもしれません。そういうときは、是非一人の時間をつくるようにしてみてください。

もちろん、ご家庭によっては難しい場合もあるとは思いますが、発達障害児であるピノ子をかかえる私たち夫婦も、できる限り一人の時間を捻出するようにしています。それについては別記事で紹介していますので、ご覧になってみてください。

まとめ

今回は癇癪への対応方法についてご紹介しました。定型発達の子でも発達障害の子でも、基本は「いかに癇癪が起こらないようにするか」の対策をとることが大切です。そのための環境づくりを事前にしておくとよいでしょう。

また、癇癪を抑えるうえでは療育の活用も有効ですし、何より私たち親が心身共に健康でいることが大事です。こちらの記事をご覧の親御さんは日々大変な思いをされているかと思いますが、あまり気を張り過ぎず、疲れたときはしっかり休むようにしましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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