「子どもの成長が何となく遅い気がする……もしかして自閉症なのかな?」「自閉症に気づいたきっかけがあれば知りたい」とお悩みの方へ。
自閉症の初期症状に気づくことは、早期の療育やサポートにつながる大切なステップです。たとえば、「目が合わない」「言葉の遅れ」「同じ行動を繰り返す」といった小さなサインが見られることがあります。これらの兆候に気づくことで早めに対策ができ、成長をサポートできます。
- 自閉症の初期症状に関する情報
- 自閉症の疑いがあるときに、早期に気づくためのチェックポイント
- 自閉症の初期症状に気づいた場合、どのように対応すればよいか
このブログ記事を読めば、自閉症の初期症状に気づいた後の対応方法までわかります。自閉症の娘を持つ私たち夫婦の実体験をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
目次
【実体験】自閉症に気づいたきっかけは?
私の娘のピノ子は知的障害を伴う自閉症です。自閉症に気づいたきっかけは、保育園入園後に周囲のお友だちとの大きな差を感じたことでした。
ピノ子が保育園に入園したのは1歳。しかし、1歳になる前から「手のかかる子だなあ」というのは夫婦で実感していました。なぜかというと、次のような傾向があったからです。
- とにかく寝ない(昼寝も少ない、夜も寝ない)
- 落ち着きがない
- よく泣く
昼寝もあまりせず、そして何といっても夜になかなか寝てくれませんでした。当時の寝かしつけは妻に任せてしまうことが多かったので、本当に負担をかけていたと思います。。
また、外に出かけて、絵本の読み聞かせやベビーマッサージのような地域のイベントに参加しても、とにかくよく泣いていました。。周囲の赤ちゃんが楽しそうにしている中、ピノ子だけが泣き叫び、暴れ回る。。
そのときは「手のかかる子だなあ」と少し不安に感じていたくらいでしたが、今思えばそれが予兆だったんでしょう。。
自閉症の初期症状はいつから現れる?
自閉症に気づく年齢の目安
自閉症の兆候が現れる年齢には幅がありますが、一般的には1歳半から3歳の間に症状が見られることが多いです。特に、他の子どもと比較して「目が合わない」「名前を呼んでも反応しない」「一人で遊ぶことを好む」などの傾向が見られる場合、親が異変に気づくことが多いでしょう。
定型発達の子どもは、この時期に周囲の人々との関わりや社会的なスキルを身につけ始めるため、上記のような傾向が見られると、差が目立つようになります。。
1歳半から3歳の間に子どもの行動に少しでも気になる点があれば、注意が必要です。
1歳半検診でわかる自閉症の兆候
1歳半では、言葉の発達や対人コミュニケーション力が大きく伸びる時期であり、発達の遅れが見つかりやすくなります。特に、上述した「目が合わない」ことや「反応が少ない」「特定の行動に強いこだわりがある」といったサインは、1歳半検診で指摘されることが多いです。
私の娘のピノ子も、検診時に先生が子どもと目を合わせようとしても目をそらし続けたり、名前を何度呼ばれても反応はありませんでした。。
自閉症の早期発見が難しい理由
自閉症の早期発見が難しい理由は、この時期の発達の個人差が大きいこと。子どもの場合は一般的な成長の遅れや個性の一部として見られがちで、特別な問題だと気づきにくいことがあります。
発達の個人差が大きいため、親としては「ちょっと他の子より遅れているだけかもしれない」と思ってしまいがちです。。
実際、言葉が少し遅れていても、その後急に話し始める子どももいます。また、特定の状況でのみ問題行動が見られる子どももいて、日常生活では見られないこともあります。そのため、早期発見が難しく、適切な療育が遅れるケースも少なくありません。
年齢別の特徴
自閉症の子どもの場合、年齢(月齢)ごとに以下のような特徴が見られます。
- 生後~12カ月:
この時期の赤ちゃんは、通常、人の顔を好み、視線を合わせることが多いですが、自閉症の赤ちゃんは視線が定まらず、周囲の物に興味を示すことが多いです。 - 1歳~2歳:
言葉の発達が遅れたり、他者との共同注意(指さしや視線を追う行動)が少ない場合、自閉症の可能性が考えられます。この時期は特に個人差が大きく、診断が難しいことも。 - 2歳~3歳:
自閉症の子どもは特定の遊びに没頭したり、身体の使い方が不器用であったりすることが多く、この時期に言語発達の遅れが目立つことがあります。 - 3歳~4歳:
社会的コミュニケーションや集団生活での困難さが顕著になり、多くの場合、この時期に保育園や幼稚園で自閉症の可能性に気づきます。言語発達の遅れや問題行動も見られることがあります。
自閉症の代表的なサインと行動の特徴
自閉症の代表的なサインや行動には、上述した「目を合わせない」「言葉の遅れ」「特定の行動に強いこだわりがある」といったことが挙げられます。
以下、それぞれについてもう少し詳しく見ていきます。
なぜ目が合わない?
自閉症の子どもが目を合わせない理由は、コミュニケーションに対する苦手意識や、他者との関わりを回避する傾向があるためです。親が目を合わせようとしても子どもが無視する、目をそらすといった行動は、自閉症の典型的な特徴の一つです。
自閉症の子どもは、視覚的な接触やコミュニケーションに強い負担を感じる傾向があります。他の子どもが自然に目を合わせて意思疎通をする場面でも、自閉症の子どもは視線を合わせること自体がストレスになる場合も。
つまり、目が合わないのは単なる性格の問題ではなく、子どもが他者とのコミュニケーションを避けている可能性もあるため、注意が必要です。
コミュニケーションや言葉の遅れ
自閉症の子どもに多く見られるのが、言葉の発達やコミュニケーションの遅れです。たとえば、2歳を過ぎても話し始めない、または話し方が単調で同じフレーズを繰り返すといった症状が見られることがあります。
自閉症の子どもは他者との交流が難しいため、自然な言葉の習得が難しくなることが多いです。たとえば定型の子どもであれば、家族や友人との対話を通じて言葉を覚えることができますが、自閉症の子どもはこの過程がスムーズに進まないことがあります。
言葉の発達が遅れている場合やコミュニケーションがうまくいっていない場合は、自閉症の初期サインの一つとして注意が必要です。
自閉症の子どもに見られる「こだわり」
自閉症の子どもに見られる行動の特徴の一つが、特定のパターンや物事に対して強い「こだわり」を持つこと。たとえば、同じ道を歩きたがる、特定のおもちゃでしか遊ばない、食事の際に特定の順番や配置にこだわるといった行動があります。
なぜこのようなこだわりが起きるかというと、自閉症の子どもが自分のルーチンや特定の物事に対して安心感を得ているから。このようなこだわりは、環境の変化や予定が狂うことに対する不安からくる場合が多いです。
たとえば私の娘のピノ子も、以前は同じルートで歩かないと激しく泣き出したり、同じ食べ物を与えないとパニックを引き起こすことがありました……今でも、それ以外のこだわりが出ることも。。
こうした強いこだわりは自閉症の子どもの特徴の一つですが、周囲がそのこだわりに合わせた対応をすることで、子どもが感じる不安を軽減することは可能です。具体策については、次から紹介していきます。
自閉症の疑いを感じたときの具体的な対応策
私たち親が「おかしいかも?」と思ったら、すぐに行動に移すことをおすすめします。まず、かかりつけの医師や自治体の発達相談窓口に相談するのが最初のステップです。一人で悩まず、専門家に早めに相談することが、適切なサポートにつながります。
私たちも1歳時点で相談しました
娘のピノ子が1歳で保育園に入園した当初、周囲のお友だちとそこまで成長の差を感じていませんでした。しかし、毎日送迎をしてお友だちの様子を見ていると、ピノ子とは明らかに成長具合が違っていました。。
最も違いを感じたのは、コミュニケーションの取り方。ピノ子は発語がなく、当時は喃語すらありませんでしたが、お友だちはしっかり発語があり、言葉で簡単なコミュニケーションが取れていました。
また、ピノ子の場合は迎えに行っても私たちのほうには来てくれません……お友だちは親御さんに名前を呼ばれるとしっかり歩み寄っていましたが、ピノ子はまったくせず。。
そういった積み重ねがあり、私たち夫婦はどんどん不安になっていきました。。保育園に入園してから数カ月くらいで、「もしかしたらこの子は自閉症なのかな……」と思うようになります。
そこで、自治体の発達相談に通うようになったんです。
相談先やサポート機関の見つけ方
自閉症の疑いを感じた際には、適切な相談先やサポート機関を見つけることが重要です。自治体や地域の発達支援センター、専門の医療機関など、多くの場所で支援が受けられるため、まずは近隣の施設を調べることが第一歩です。
各地域には発達障害に特化した支援機関が存在しており、こうした機関を通じて適切な診断や療育が受けられます。
家庭でもできる療育方法
自閉症の子どもに対する療育は、家庭でもできる方法があります。目を合わせる練習であったり、指差しを促す練習、発語を促す練習など、様々です。
このブログでも色んな方法を紹介していますので、たとえば以下の記事などを参考にしてみてください。
>>自閉症の子どもと目が合わない……どの程度ならOK?【対策も紹介】
>>1歳の子どもが指差ししないのはなぜ?|健常児でしないこともある?
>>言葉が遅い子の発語を促す、おすすめの絵本12選!|自閉症の子にも
自閉症の診断が出るまでの経緯
不安を感じながら保育園に通っていましたが、周囲のお友だちと比べると引き続き目立った成長は見られませんでした。。そこで、自治体の発達相談に通うようになります。
発達相談は色々アドバイスや知識をいただけるのでよいのですが、この段階では「引き続き様子を見ましょう」で終わることが多く……そんなこんなで迎えた1歳半検診で、ついに引っかかることになりました。。
やはり、「名前を呼んでも振り返らない」「指差ししない」「発語もない」といったように、親を含めて他者とのコミュニケーションはあまりとれない状況でした。。
2歳(自治体の療育へ)
1歳半検診で引っかかり、自治体の発達相談で相談したところ、自治体の療育をおすすめされました。具体的には、言語療法(ST)や作業療法(OT)。
このときの様子は、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>療育は早めに通わないと後悔する?【健常児だったとしても効果あり】
3歳(診断が出た年齢)
2歳で自治体の療育に週一回のペースで通い始めてから、「集団行動へ参加できるようになった」「椅子に座れる時間が長くなった」「切り替えができるようになった」など、確かな成長が見られるようになりました。
とはいえ、健常児の子やいわゆる発達グレーゾーンの子と比べたら、できることは少なかったわけで……不安は現実となり、3歳1か月で「知的障害を伴う自閉症」という診断が出ました。
自閉症の診断が出たあと【早期診断の重要性】
診断が出たあと、私たち親は計り知れないショックを受けましたが……それでも「何とか前を向いてやっていくしかない」と切り替えて、自治体の療育だけでなく児童発達支援も検討するようになりました。
児童発達支援については、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>【実体験】民間療育おすすめ8選!|人気の児童発達支援事業所を紹介
療育は大きく分けて「集団」と「個別」がありますが、他者とのコミュニケーションが取れていなかったピノ子の場合は「集団」がよいと判断。その後、「個別」にも通うようになりました。
療育は決して万能ではありませんし、通えば通うほどよいとは限りません。その点も踏まえ、様々な療育を比較・検討して、ピノ子に最適と思われる支援体制を整えていきました。
早期診断のメリット
早期診断のメリットは、早期療育が可能となること。子どもの発達が大きく期待できます。
ただし、幼少期の発達には個人差が大きいため、特定の行動や発達遅れが一時的なものである可能性もあります。たとえば、3歳未満の子どもが成長過程で自然に困りごとがなくなるというケースも。逆に、早期診断を受けたことで、適切なサポートを受けて子どもの発達が促進されたケースも多くあります。
早期療育の重要性や効果についても、上述した「療育は早めに通わないと後悔する?【健常児だったとしても効果あり】」で紹介しています。
まとめ【不安を感じたら早めの対策を】
自閉症に気づいたきっかけは、保育園入園後(1歳過ぎ)に周囲のお友だちとの大きな差を感じたことでしたが、実際は保育園入園前(1歳前)から「不安だなあ」と思うことも多々ありました。
自閉症の代表的なサインは、「目が合わない」「言葉の遅れ」「こだわり」など。初期症状は、生後数か月から1歳半ごろに現れることがあるので、「おかしいな?」と思ったら、早めに医療機関や発達支援センターに相談することが重要です。
早期に診断することで早期療育が可能となり、子どもの成長を促すことができます。
もし、今お子さんの成長に不安を感じている場合は、まずは自治体の発達相談などを利用してみてください。また、療育に通うかどうか迷われている場合は、できるだけ早めに検討を進めてみてください。
おすすめの療育については、以下の記事で詳しく紹介しています。
自閉症(発達障害)であったとしてもなかったとしても、療育はお子さんの成長につながります。私は自閉症児を持つ親として、早めに行動に移していただくことをおすすめします。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。