「自閉症に気づいたきっかけが知りたい」
「うちの子も、もしかして発達がゆっくりなのかな」
「でも、どこまで心配していいのかわからない」
そう感じている親御さんへ。
わが家の長女は、知的障害を伴う自閉症です。
自閉症に気づいた一番大きなきっかけは、1歳で保育園に入ったあと、同じ月齢のお友だちとの違いが毎日のように見えるようになったことでした。
具体的には、次のような違いです。
- 発語がない。喃語もほとんどない
- 名前を呼んでも振り向かない
- 迎えに行っても親のほうへ来ない
- ほかの子と比べて、周囲への反応が少ない
- 1歳半健診で、指差し・発語・呼びかけへの反応が気になった
ただし、最初に大事なことをお伝えしておきます。
この記事は、自閉症を診断するための記事ではありません。
目が合いにくい、言葉が遅い、指差しをしないといった様子があっても、それだけで自閉症だと決めつけることはできません。
子どもの発達には個人差がありますし、年齢や環境によって目立つ困りごとも変わります。
一方で、親の「なんとなく気になる」は、あとから振り返ると大切なサインだったということもあるんです。
この記事では、わが家が「自閉症かもしれない」と感じるまでの流れを、できるだけ時系列で具体的に書きます。
不安をあおるためではなく、「何を見て、どこに相談し、どう動けばよいのか」を整理するための記事なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
わが家が自閉症に気づいたきっかけ

わが家の場合、最初から「自閉症だ」と確信していたわけではありません。
むしろ、1歳前は「少し手がかかる子なのかな」「個性なのかな」と、私は考えていました。
それでも保育園に入ってから、毎日ほかの子の様子を見るようになり、少しずつ違和感が大きくなっていきました。
特に大きかったのは、親や周囲の人とのコミュニケーションの差です。
同じくらいの年齢のお友だちは、親御さんに呼ばれるとそちらへ歩いていったり、簡単な言葉や身ぶりでやり取りしたりしていました。
でも、長女は名前を呼んでも反応がなく、迎えに行ってもこちらへ来る様子がありませんでした。
発語もなく、当時は喃語らしい喃語もほとんどありません。
毎日その差を見るうちに、「これは性格だけでは説明できないかもしれない」と感じるようになりました。
わが家が「自閉症かも」と思うまでの時系列

わが家の流れをまとめると、以下のようになります。
| 時期 | 気になっていたこと | 親として取った行動 |
|---|---|---|
| 1歳前 | 寝ない、よく泣く、落ち着きがない | 「手のかかる子かも」と思いながら様子を見る |
| 1歳ごろ | 保育園で同年代との差が見え始める | 夫婦で不安を共有する |
| 1歳すぎ | 発語なし、喃語もほとんどない、名前への反応が薄い | 自治体の発達相談を意識し始める |
| 1歳半健診 | 呼びかけに反応しない、指差し・発語がない | 発達相談につながる |
| 2歳ごろ | 自治体の療育に通う | STやOTなどの支援を受け始める |
| 3歳1か月 | 発達の遅れが明確になる | 診断を受けに行く(知的障害を伴う自閉症と診断される) |
もちろん、これはわが家の一例です。
自閉症スペクトラムの現れ方は一人ひとり違います。
早く気づく家庭もあれば、幼稚園や小学校に入ってから困りごとが目立つ家庭もあります。
ただ、わが家では「保育園で毎日ほかの子と同じ場面を見るようになったこと」が、気づきの大きなきっかけでした。
1歳前にあった違和感

保育園に入る前から、いくつか気になることはありました。
当時の長女には、次のような傾向がありました。
- とにかく寝ない
- 昼寝が短い
- 夜もなかなか寝ない
- 外出先でよく泣く
- 地域のイベントや読み聞かせで落ち着きにくい
- 周囲の赤ちゃんが楽しそうにしていても、長女だけ泣き続けることがあった
当時は「育てにくい子なのかな」「初めての育児だから大変に感じるのかな」と思っていました。
今振り返ると、これらも一つの違和感ではありました。
ただし、ここは慎重に書きたいところです。
寝ない、よく泣く、落ち着きがないというだけで、自閉症だとは言えません。
赤ちゃんの睡眠や泣き方には個人差があります。環境、体調、気質、親子の生活リズムなども関係します。
わが家で大きかったのは、こうした「育てにくさ」に加えて、あとから出てきたコミュニケーション面の違和感が重なったことでした。
保育園で差を感じた具体的な場面

保育園に入ってからは、違和感がかなり具体的になりました。
発語や喃語が少なかった
同じクラスのお友だちは、はっきりした単語でなくても、声を出して親や先生に何かを伝えようとしていました。
一方で、長女は発語がなく、喃語もほとんどなかった。
もちろん、1歳の言葉の発達には幅があります。
言葉が遅くても、その後ぐっと伸びる子もいます。
それでも、毎日見ていると「言葉が遅い」だけではなく、「人に伝えようとする感じがない」と思う場面が多々あったんです。
名前を呼んでも反応がなかった
迎えに行ったとき、ほかの子は親御さんの声に反応して振り向いたり、近づいたりしていました。
しかし、長女は名前を呼んでもこちらを見ないことがほとんど。
耳が聞こえていないのかと心配したこともありました。
ただ、好きな音や気になる音には反応することもあり、「聞こえていない」とも言い切れませんでした。
親のほうへ来ることがほとんどなかった
保育園へ迎えに行っても、長女は私たちのほうへ歩いてくることがほとんどありませんでした。
ほかの子が親御さんを見つけて近づいていく姿を見るたびに、胸がざわざわしていたのを覚えています。
「うちの子は親に興味がないのかな」
「愛着が足りないのかな」
「自分たちの関わり方が悪かったのかな」
そんなふうに考えてしまったこともあります。
でも、あとから発達相談や療育につながる中で、これは親の愛情不足という話ではなく、発達特性として見ていく必要があるのだと少しずつ理解していきました。
1歳半健診で引っかかった内容

1歳半健診は、わが家にとって大きな節目でした。
気になったのは、主に次のような点です。
- 名前を呼んでも振り返りにくい
- 指差しが出ていない
- 発語がない
- 大人とのやり取りが成立しにくい
- 先生が目を合わせようとしても、視線が合いにくい
こども家庭庁のページでは、1歳6か月児健診と3歳児健診は市町村で実施される乳幼児健診として位置づけられており、健診は「診断を確定する場」ではありません。
わが家も、1歳半健診だけで何かがすべて決まったわけではありませんが、「やっぱり一度きちんと相談したほうがよさそうだ」と腹をくくるきっかけにはなりました。
健診は、子どもの発達や健康状態を確認し、必要な相談や支援につなげるきっかけになる場だと考えるとよいと思います。
自閉症かもと感じたときのチェックポイント

ここからは、わが家の経験と公的情報を踏まえて、相談を考える目安を整理します。
繰り返しますが、以下に当てはまるから自閉症だと決まるわけではありません。
ただ、複数の項目が重なっていて、親として日常生活で困りごとや強い違和感がある場合は、早めに相談してよいと思います。
コミュニケーション面
- 名前を呼んでも振り向かないことが多い
- 目が合いにくい、またはすぐにそらす
- 親や先生に何かを見せに来ることが少ない
- 「見て」「ちょうだい」などのやり取りが成立しにくい
- 大人の指差した方向を見ないことが多い
言葉の発達
- 1歳半を過ぎても意味のある言葉がほとんどない
- 喃語や声で伝えようとする様子が少ない
- 言葉が出ても、やり取りというより一方的に見える
- 大人の簡単な声かけが通りにくい
指差しや身ぶり
- 欲しいものを指差しで伝えない
- 興味のあるものを指差して共有しない
- バイバイやちょうだいなどの身ぶりが出にくい
- 大人のまねをすることが少ない
遊びやこだわり
- 同じ遊びを長く繰り返す
- おもちゃを本来の遊び方とは違う形で使い続ける
- 予定や道順が変わると強く嫌がる
- 特定の音、感触、食べ物などへの苦手さが目立つ
国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターでは、自閉症について、対人関係、コミュニケーション、限定した興味や行動などの特徴があると説明されています。
ただし、発達障害の種類を明確に分けて診断することは難しいとも説明されていますので、親だけで決めつけるのではなく、相談先につながることが大切です。
【重要】相談しても「様子見」と言われたときにしたこと

発達相談に行くと、すぐに診断や療育につながるとは限りません。
わが家も、最初は「引き続き様子を見ましょう」という雰囲気で終わることがありました。
そのときに大事だと感じたのは、ただ不安を伝えるだけでなく、具体的な場面を記録しておくことです。
たとえば、次のような情報です。
- いつから気になっているか
- どんな場面で困るか
- 保育園ではどう見えているか
- 名前を呼んだときの反応
- 指差し、発語、身ぶりの様子
- 食事、睡眠、癇癪、こだわりの困りごと
- 家と外で様子が違うか
スマホで短い動画を残しておくのも役立ちます。
相談の場では、子どもが普段と違う様子になることがあります。
家では困っているのに、相談室ではたまたま落ち着いて見えることもあります。
だからこそ、日常の様子を客観的に伝えられる材料があると、話が進みやすくなるんです。
そもそも、どこに相談すればいい?

子どもの発達が気になるとき、相談先は一つではありません。
まずは、以下のような場所を候補にしましょう。
- かかりつけの小児科
- 自治体の子育て相談窓口
- 保健センター
- 乳幼児健診の担当窓口
- 発達相談
- 保育園や幼稚園の先生
- 発達障害者支援センター
- 児童相談所、児童相談センター、児童家庭支援センターなど
厚生労働省の相談窓口ページでは、18歳未満の子どもや家族を対象に、発達障害や子どもの行動上の問題などを相談できる機関が紹介されています。
また、発達障害者支援センターでは、発達障害に関する相談を受け、必要に応じて関係機関と連携した支援を行うとされています。
どこに相談すればよいかわからない場合は、まず自治体の子育て支援課、保健センター、または乳幼児健診の案内に書かれている窓口に連絡するのが現実的です。
診断前でも療育を検討してよい理由

わが家は、診断が出る前から自治体の療育につながりました。
この経験から感じているのは、療育は「診断名がついたあとにだけ考えるもの」ではなく、今ある困りごとに対して、子どもに合った関わり方を学ぶ機会でもあるということです。
たとえば、発語がない、指差しが出ない、目が合いにくい、集団生活がしんどいといった困りごとは、診断前でも家庭や園で困ることがあります。
その段階で相談し、必要なら支援につながることは、親にとっても子どもにとっても意味があるんです。
療育先の種類や選び方については、以下の記事で詳しくまとめています。
ただし、利用できる制度や手続きは自治体によって異なります。
受給者証、事業所の空き、医師や自治体の判断なども関係するため、具体的にはお住まいの自治体や相談支援機関に確認してください。
「自閉症かも」と思った日にできること

不安が強いと、検索しては落ち込み、また検索してしまうことがあります。
私たちもそうでした。
でも、検索だけでは状況はあまり変わりません。
まずは次の3つだけでやってみましょう。
1. 気になる行動をメモする
「目が合わない気がする」だけだと、相談時に伝わりにくいことがあります。
できれば、次のように書きましょう。
- いつ
- どこで
- 誰が声をかけて
- 子どもがどう反応したか
- どのくらいの頻度で起きるか
たとえば、「名前を呼んでも反応しない」なら、家だけなのか、園でも同じなのか。好きな音には反応するのか。
そういった情報が大事です。
2. 園の先生に普段の様子を聞く
保育園や幼稚園の先生は、同年代の子どもをたくさん見ています。
家庭ではわからない集団場面の様子を知っていることも多いです。
「ほかの子と比べてどうですか」と聞くより、「呼びかけへの反応はどうですか」「指差しや身ぶりで伝えていますか」「活動の切り替えはどうですか」と具体的に聞くほうが、話が進みやすいです。
3. 自治体や小児科に相談する
親の違和感だけで相談していいのか、迷う方も多いと思います。
でも、相談は「診断をもらいに行く場所」だけではありません。
子どもの発達を一緒に見てもらい、必要な支援につながるための入口です。
「まだ様子見でよい」と言われることもあるかもしれません。
その場合でも、次にいつ相談するか、どんな状態なら再相談するかを確認しておくと安心です。
よくある質問

Q
自閉症は何歳ごろに気づくことが多い?
A
わが家では1歳ごろから違和感があり、1歳半健診で発達相談につながり、3歳1か月で診断が出ました。
ただし、気づく時期は子どもによって違います。乳幼児期に気づく家庭もあれば、集団生活が始まってから目立つ家庭もあります。
発達障害情報・支援センターでも、年齢や環境によって目立つ症状が違ってくることがあると説明されています。
Q
1歳半健診で問題なしでも、あとから気づくことはある?
A
あります。
1歳半の時点では目立たなかった困りごとが、2歳、3歳、保育園、幼稚園、小学校と環境が変わる中で見えてくることもあります。
健診で問題がなかったとしても、親の不安が続く場合や、園で困りごとが出ている場合は、あらためて相談しましょう。
Q
親の違和感だけで相談していい?
A
相談しましょう。
「気のせいかもしれない」と思っても、相談して何もなければそれで安心材料になります。
逆に、支援が必要な状態なら、早めに情報を得られます。
大事なのは、親だけで抱え込まないことです。
Q
診断前に療育を始めてもいい?
A
制度上の利用条件は自治体や事業所によって異なりますが、診断前でも発達相談や療育的な支援につながるケースはあります。
わが家も、診断前から自治体の療育に通い始めました。
まずは自治体の窓口や発達相談で、「診断前でも利用できる支援があるか」を確認してみてください。
療育の選び方や民間療育の比較は、以下の記事で詳しくまとめています。
Q
健常児でも似た行動はある?
A
あります。
目が合いにくい、言葉が遅い、指差しが遅い、こだわりがあるといった様子は、健常児にも見られることがあります。
だから、一つの行動だけで判断するのは危険です。
一方で、複数のサインが重なっている、日常生活で困っている、園でも同じような指摘があるという場合は、相談を先延ばしにしないようにしましょう。
なお、療育は仮に健常児だったとしても効果がありますので、不安を感じたら検討してみましょう。
早期療育については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ|わが家のきっかけは「保育園で見えた同年代との差」でした
わが家が自閉症に気づいた一番大きなきっかけは、1歳で保育園に入り、同年代のお友だちとの違いを毎日見るようになったことでした。
特に気になったのは、発語、呼びかけへの反応、親への関わり方、指差しなどのコミュニケーション面です。
ただし、どれか一つが当てはまるからといって、自閉症だと決まるわけではありません。
大切なのは、子どもの様子を全体で見て、困りごとが続くなら早めに相談することです。
親の違和感は、ただの心配性で終わることもあります。
でも、支援につながる入口になることもあります。
一人で検索し続けて苦しくなるくらいなら、まずは小児科、自治体の発達相談、保健センター、園の先生などに相談してみてください。
そして、療育を検討する段階になったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
わが家も、最初は不安だらけでした。
それでも、相談し、療育につながり、家庭でできることを少しずつ積み重ねることで、子どもの見え方も、親の動き方も変わっていきました。
この記事が、同じように不安を抱えている親御さんの「次に何をすればいいか」を考えるきっかけになれば幸いです。



