【実体験】療育は意味がない?「自閉症の娘は療育で成長しました」

【実体験】療育は意味がない?「自閉症の娘は療育で成長しました」
ケンサク

ケンサク

はじめまして、ケンサクといいます。
知的障害を伴う自閉症の娘(ピノ子)への療育に奮闘中の父親です。

ー主な経験ー
■療育
◎前職で児童発達支援事業立ち上げに携わる
◎約10の療育(児童発達支援事業所)を体験
■出生前診断・臍帯血(※妻)
◎3人目の妊娠にて新型出生前診断(NIPT)
◎2人目・3人目の出産にて臍帯血を保管
■教材
◎学校教材の編集・制作経験(約7年)
◎発達障害児に役立つ教材の分析

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「療育に通わせようと思っているけど、意味がないんじゃないかな……」「療育に通っているけど効果を感じない……」とお考えの親御さんへ。
自閉症の娘を持ち、療育に通わせている私の経験上、「療育で確実に成長している」と感じています。しかし、療育の利用方法によっては確かに十分な効果が得られない可能性も。
今回は療育に通う娘の実体験もまじえながら、療育の効果的な利用方法などについて紹介していきます。

この記事を読んでわかること
  • 療育の効果を最大限引き出す方法
  • 療育の選び方
  • 療育の効果

この記事を読めば、「療育は意味がない」と思ったときに取り組むべきことがわかります。
私たち夫婦が、自閉症の娘を療育に通わせている実体験をもとに紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

療育は意味がない?【療育の選び方も大切】

療育は意味がない?【療育の選び方も大切】

発達障害の子どもや発達がゆっくりの子どもの成長を促すために、選択肢としてまず考えられるのが「療育」です。私の娘のピノ子も自閉症のため療育に通っていますが、療育先の親御さんからは「あまり効果を実感できない」「意味がないんじゃないか」という声を、確かに聞くこともありました。

そもそも、療育の目的とは?

療育の目的は、おそらく親御さんの教育方針やお子さんの成長度合いによって、各家庭ごとに多少違ってくると思います。

たとえば、やや重めの障害をかかえているお子さんの場合は「少しでも過ごしやすい日常生活を送れるようにしたい」、軽度の障害をかかえているお子さんや、いわゆるグレーゾーンのお子さんの場合は「可能な限り健常児に近づけるようにしたい」、といった具合です。

ピノ子の場合は前者に当てはまり、「少しでも過ごしやすい日常生活を送れるようにしたい」と思って療育に通わせるようになりました。その目的であれば、ピノ子は十分に成長してくれていると実感しています。

「療育は意味がない」とお考えの親御さんの中には、ついつい当初の目的以上のことを求めてしまっているケースもあるのではないでしょうか。私たち夫婦も、「もっと成長してほしい」「成長スピードが遅い」などと思うこともついついあります。。

療育はすべてを解決してくれるものではありませんので……当初の療育の目的を果たせていれば、それで十分だと思っています。

療育の効果を最大限引き出すには?

しかし、場合によっては「少しどころか、全然効果を感じない」ということもあるかもしれません。療育といっても様々な療育があります。私たち親は子どもの特性を見極めて、その子に最適な療育を選択することも大切です(療育の選び方については、後ほどご紹介します)。

加えて、子どもの成長は療育だけではなく、家庭での過ごし方、親との関わり方、食事、睡眠……などなど、あらゆる要素が関係してきます。

療育の効果を最大限に引き出すには、こういったことに私たち親が日頃から最善を尽くす必要もあるのです。

「療育は意味がない」「効果を感じない」とお考えの親御さんは、今通っている療育や、療育以外の過ごし方を一度見直してみるのもよいでしょう。療育以外の過ごし方(家庭での療育)についてはこちらのブログで色々な情報を発信していますが、以下の記事でおすすめの書籍もご紹介しています。

身につけておきたい知識がまとまっているので、興味があればご覧になってみてください。

療育の選び方

療育は意味がない?「療育の選び方」

では、療育はどのように選べばよいのでしょうか。まず前提として、療育は大きく「個別療育」「集団療育」に分けられます。

個別療育

子ども一人ひとりの発達状況や目標に合わせて、指導員の先生が個別に指導します。具体的には次のようなものです。

  • 言語聴覚士による言語訓練
  • 作業療法士による運動機能や日常生活動作の訓練
  • 心理士による心理テストやカウンセリング
  • 音楽療育士による音楽を使った遊びやコミュニケーションの訓練

集団療育

子ども同士でグループを作ったり、大人数で活動したり遊んだりします。具体的には次のようなものです。

  • お友だちと一緒に遊ぶ
  • お話や絵本の読み聞かせをする
  • 手作りや工作をする
  • リズム遊びや体操をする
  • お散歩や外遊びをする

お子さんの特性を踏まえて、「どちらのほうが馴染みやすそうか」または「子どもの伸ばしたい能力はどちらのほうが伸ばせそうか」を考えてみましょう。

たとえば、言語発達が遅れている場合は言語聴覚士がいる個別療育を検討する、他のお友達ともっとコミュニケーションをとれるようにしたい場合は関わる機会が多い集団療育を検討する、といった具合です。

また、「個別療育」「集団療育」に関わらず、療育によって強みとするところは異なります。事前にHPを確認したり資料請求してみたり、見学・体験などを通して決めることをおすすめします。

具体的な療育先については、私たち夫婦が実際に児童発達支援を見学した体験談をまとめた、以下の記事をご覧ください。

慣れてきたら掛け持ちもおすすめ

療育に通ってみて、もし物足りなさを感じる場合には、療育を掛け持ちすることもおすすめです。ピノ子の場合もはじめは1つの療育に通っていましたが、体力もついてきて「もう少しできそうだなあ」と思ったタイミングで掛け持ちをするようになりました。

ただし、お子さんによってはストレスに感じることもあるでしょうし、親御さんの負担が増えることもあります。療育の掛け持ちについては以下の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はご覧ください。

療育の効果【自閉症のピノ子の場合】

療育は意味がない?「療育の効果」

お話ししてきましたように、お子さんが普段からよい状態で日常生活を送るようサポートしつつ、お子さんの特性に合った療育に通わせることで、はじめて療育の効果を最大限引き出せると考えています。

当たり前のことですが、そもそも子どもによって成長度合い・特性は異なりますし、適切な療育も異なるので一概には言えませんが、参考までにピノ子の実体験を参考に、療育の効果についてまとめておきます。

自治体での療育(2歳)

ピノ子が自治体の療育に通い始めたのは2歳。集団療育で、トランポリンや平均台、ジャングルジムなどの遊具を使って遊ぶ、親子で手をつないで皆で輪になって行進する、椅子に座って先生の手遊び歌などを聞く、というような活動を行っていました。

結果、最初は活動に参加すらできていなかったピノ子は、楽しんで参加できるようになり、じっとしているのが苦手だったのも少しですが解消され、癇癪も少し減るといった効果が見られました。2歳という早いうちから通えたのもよかったと思います。

早期療育については以下の記事でも紹介していますので、気になる方はこちらもご覧ください。

民間の療育(3・4歳~)

2歳の頃の療育でピノ子も少しずつできることが増えてきましたので、3歳からは新しく民間の療育にも通わせるようにしました。こちらも集団療育で、屋外活動(お散歩や公園遊びなど)・屋内活動(お絵描きや食事指導など)どちらも行う生活型の療育でした。

結果、今まで体幹がなくてまともに歩けていなかったピノ子がある程度しっかり歩けるようになったり、ペンを正しく持って線を引いたり、野菜など色々なものを食べられるようになったりと……本当によく成長してくれたと思います。

また、4歳からは学習面も強化したく、家庭で通信教育にも取り組んでみました。こちらについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ご覧になってください。

なお、年長さんとなった現在は、集団療育だけではなく個別療育にも通うようになっています。

まとめ【「療育は意味がない」と思ったら見直しを】

「療育は意味がないんじゃないか」「療育に通っているけど効果が見られない」という場合は、日頃から十分に子どもをサポートできているか、かつ、療育そのものが子どもに合っているのかどうかを振り返るよい機会だと思います。

私たち夫婦もそのような時期を経て、新たな療育に通わせてみたり、頻度を見直したりして、ピノ子の成長につなげられたのではないかと思っています。

繰り返しになりますが、療育はすべてを解決してくれるものではありませんので、「どうしたら療育を最大限生かせるか」を考え、取り組んでみてください。そうすれば、必ずやお子さんの成長につながるのではないかと思います。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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