「どうしてウチの子は喋らないんだろう……」「自閉症だから一生喋らないのかな……」といった不安を抱える親御さんへ。
私の娘は重度知的障害を伴う自閉症で、発語がありません。しかし、家庭での取り組みや療育によって、何とか音声模倣が出るまで引き上げることができました。また、娘のお友だちには、喋らなかったところから大きく言葉が伸びた子もいます。
このブログ記事では、そういった実体験をもとに、発語を促す方法やおすすめの療育などを中心に紹介します。
- 自閉症児の言葉が遅れる理由
- 言葉の発達を促す方法
- 自閉症児の言葉が伸びた実体験
この記事では、自閉症である娘やお友だちの言葉が発達した実体験をまとめつつ、自閉症児を育てる私たち親の心の持ちようまで紹介しています。ぜひ、参考にしてください!
※本記事はプロモーションを含みます。
目次
自閉症の子は一生喋らない?
「自閉症の子は一生喋らない」
もちろん、必ずしもそうとは言い切れません。ただし、自閉症が原因で言語発達が遅れるというのも事実です。
私の娘のピノ子は重度知的障害を伴う自閉症の6歳で、未だに無発語。ただ、療育の効果もあり、ようやく音声模倣がまれに出るようになってきました。
年齢を考えれば、そこから発語に至る可能性は低いかもしれませんが、ここから発語したお子さんの事例も複数聞いており、今も発語を促すことには継続して取り組んでいます。
この記事をご覧の皆さんの中には、ピノ子と同様に無発語のお子さんを育てている親御さんもいるでしょう。どうか、引き続き発語を促していただければと思います。
親ができるサポート方法は後述しますが、まずは自閉症による発語の遅れのメカニズムや特徴について先にご紹介しておきます(ご存じの方は読み飛ばしてください)。
自閉症児の言葉が遅れる理由
自閉症児の言葉が遅れる理由は、言わずもがなですが脳の発達が関係しています。
自閉症は社会的なコミュニケーションや行動の障害を特徴とし、言語発達にも影響を及ぼします。言語の習得には、聴覚処理、記憶、模倣、人への興味・関心など、複数の脳機能が関与しており、自閉症児はこれらの機能が通常とは異なる働きをすることがあります。
言語発達に影響を与える要因としては、以下の点が挙げられます。
- 脳の構造や機能の異常
- 聴覚処理の障害
- 人への興味・関心の欠如
- 模倣能力の不足
これらの要因が重なることで、言葉を覚える・発するプロセスが遅れるか、ピノ子のように無発語というケースが発生します。
喋らない自閉症児の一般的な特徴
喋らない、または発語のない自閉症の子どもには、主に以下のような特徴が見られます。
- 非言語コミュニケーションを使う:
言葉を使わずに、ジェスチャーや表情などでコミュニケーションを取る傾向があります。 - 言葉ではなく音声で表現する:
意味のある言葉は発しませんが、「うー」「あー」などの音を発することがあります。 - 人への興味・関心が欠如している:
他人とのコミュニケーションに対する興味が少なく、孤立した行動を取る傾向があります。 - 行動がパターン化されている:
同じ行動を繰り返したり、特定の物や活動に強いこだわりを持つことが多いです。
もちろん、こういう特徴があると一生喋れない、というわけではありません。自閉症の子ども全般に言えることでもありますし、あくまで傾向として見られるということです。
重度知的障害を伴う自閉症の娘(無発語)の場合
娘のピノ子は、3歳のときに中度知的障害を伴う自閉症と診断されました(6歳時点で重度に)。
発語がないため、日常生活でのコミュニケーションはすべてジェスチャー(指差し・ハンドサインなど)や絵カードを使って行っています。家で最低限度の日常生活を送る分には支障ありませんが、たとえば体調不良などは自分から訴えられないので、やはり無発語というのは苦労を強いられています。。
他人への関心は本当に少しずつは身についてきていますが、やはりまだまだ。行動のパターン化(こだわり)もあるため、上述した「喋らない自閉症児の一般的な特徴」にほとんど当てはまっていることになります。。
そんな重度知的障害を伴う自閉症のピノ子でも、ようやく音声模倣が出るまでに成長しました。どのようにサポートしてきたのかについては、後述していきます。
家庭でできるサポート方法
喋らない自閉症児に対して、家庭でできるサポートは多岐にわたります。最も重要なのは、子どもに対する理解と忍耐。子どものペースに合わせ、適切なサポートを提供することで、少しずつ発達を促すことができます。
「そんなことは当たり前」と言われてしまうかもしれませんが、これが一番難しいと感じています。。日々ストレスを抱えながら、忍耐強く子どもと向き合う……とても大事なことです。
具体的な方法をご紹介していきます。
自閉症児の言葉の発達を促すアプローチ
自閉症児の言葉の発達を促すためには、様々なアプローチが必要です。まずは、日常生活の中で子どもが何かに興味を持って遊んでいるときに、それに関連した言葉を共感しながら教えることが効果的。
たとえば、子どもがおままごとをして遊んでいるのであれば、「あっ、にんじんあったね!」「トマト美味しそうだね!」といったように共感して言葉に出すイメージです。
それ以外には、以下のような方法も有効です。
- 視覚支援:
絵カードや写真カードなどを使って、言葉の意味を視覚的に伝える。 - 模倣させる:
親がお手本となって言葉を発し、子どもにそれを真似させる。 - 目を合わせて話しかける:
話しかけるときは、必ず目を見て話す(他者への関心を促す)。 - 褒める:
子どもが少しでも言葉を発した際は、積極的に褒めてあげる。
自閉症児の行動を理解したうえで支援をする
上述した方法は一例ですし、子どもの状態を見ながら使い分けてあげる必要があります。そのためには、まず子どもの行動の背景にある理由を把握しておくことが重要です。
具体的には、子どもの普段の行動を観察し、何が原因でその行動が起こるのかを分析します。「なぜ今は機嫌がいいのか」「なぜ癇癪を起こしたのか」「なぜ問題行動を起こしたのか」など、しっかり理解しておけば、子どもの状態を見ながら対策を考えやすくなります。
そうすることで、適切なタイミングで適切なフォローができるようになるので、子どもの状態を比較的よい状態に保つことができ、結果的に成長・発達につなげることができます。
自閉症児の言葉が発達した実例【おすすめの療育】
重度知的障害を伴う自閉症の娘のピノ子は、6歳時点で無発語。しかし、上述した家庭での取り組みを行いつつ、ある療育に通い続けた結果、発語ではないものの音声模倣がまれに出るようになりました。
さらに、ピノ子のお友だち(同じ自閉症児)も、その療育に通い始めてから言葉が格段に増えたという実例もあります。
言葉が大きく伸びた自閉症児の例【娘のお友だちの例】
ピノ子が年少だった頃。同学年の自閉症のお友だち(男の子)は、やはりピノ子と同様に言葉が出ていない状況でした。無発語というレベルではなかったようですが、言葉でのコミュニケーションはほとんどなかった様子。
そこから約1年療育に通い続け、年中になるまでには言葉を中心に大きく成長して、以下のように定型発達の子とほとんど変わらないくらいになっていました。
- 言葉でのコミュニケーションが格段に増えた
- 書字や数の理解など、学習面も飛躍的に伸びた
- 運動面でも成長が見られた
喋らない自閉症児に音声模倣が出るようになった例【重度の娘の例】
ピノ子の場合は、上述したお友だちよりも元々が重度なこともあり、特に言葉に関しては大きく遅れをとっています。早期療育に取り組み、できることはかなり増えましたが、どうしても発語にまでは至っていません。
それでも、年中から通い始めた療育で年長まで過ごした結果、わずかですが音声模倣が出るようになったのです。発語ではないものの、ほんの少しでも兆しが見えたことは、私たち夫婦にとっては大きな成長だと感じました。
それ以外にも、課題に取り組む集中力が増し、コミュニケーション(意思疎通)の面でも成長が。今では絵カードや写真カードでやりたいこと・やりたくないことをほぼ完璧に伝えることができるようになりました。
2人に共通していた療育
2人が通っていたのはLITALICO(リタリコジュニア)。療育の中ではかなり有名なので、すでに通っているお子さんも多いかもしれません。
なお、ピノ子はスタンダードコース、お友だちはパーソナルコースに通室していました。
LITALICO(リタリコジュニア)
指導実績20,000人以上・全国100教室以上の業界トップクラスの実績を誇る、発達障害・学習障害の子ども向けに療育・発達支援を行っている教室です。
この内、「パーソナルコース」であればすぐに通室可能。実費負担ですが、子どもの特性に合わせてオーダーメイドの療育プランを構築し、経験豊富な先生からの療育を受けることができます。
一方、スタンダードコースは通所受給者証(療育を利用するために必要な、市区町村から交付される証明書)を使用可能。費用を1割程度の負担に抑えられますが、教室に空きがなく1年以上待つケースもざらにあります。
パーソナルコースは、申し込み後すぐに通室できるのも大きなメリット。以下の公式HPで詳しく紹介しています。
\オーダーメイドの個別指導/
おすすめのパーソナルコースを紹介
なお、LITALICO(リタリコジュニア)に通室していたピノ子やお友だちの体験談や評判などは、以下の記事で詳しく紹介しています。
自閉症児を育てる親の心構えとメンタルケア
喋らない、または無発語といった自閉症児を育てるにあたって、私たち親の心構えやメンタルケアはとても大切です。これから一生向き合っていくわけなので……以下、少しでも参考になればと思います。
自閉症児の親が持つべき心構え
自閉症の子どもを育てるうえで、以下のような心構えでいると、精神的に少し楽になるはずです。
- 期待を持ちつつも、現実を受け入れる:
自閉症の子どもの成長はとにかく時間がかかります……焦らず見守っていきましょう。 - ポジティブに考える:
私たち親はつい自分自身を否定的に見てしまいますが……自閉症の子どもと向き合っているだけですごいことです……!自信を持って取り組みましょう。 - 柔軟に対応する:
自閉症児はいつ・何をするか見当がつきません。。子どもの状態や状況に応じて、柔軟に対応する姿勢を持ちましょう。 - 小さな成長にも喜ぶ:
「まだこれしかできない」ではなく「できるようになった!」と、小さな成長でも喜びましょう!
具体的なメンタルケアの方法
上述したのはあくまで心構えの問題なので、「そんなの私は絶対できない」という親御さんもいるとは思います……実際、私たち夫婦も落ち込む時期はありますので。。
そういうときは、やはり一人の時間をつくったり、気持ちに余裕を持つのが一番だと思います。以下の記事で、私たち夫婦が取り組んできたことについて紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
まとめ【自閉症児は一生喋らない→最善を尽くして気長に待ちましょう】
言葉があまり出ていなかったり無発語だったとしても、自閉症の子が一生喋らないとは限りません。確かに私の娘のピノ子は未だに無発語ではありますが、ようやく兆しが見えてきましたし、同じ自閉症のお友だちにも言葉が大きく成長した子たちはたくさんいます。
言葉を促すにあたって、家庭での取り組みやおすすめの療育について紹介しました。後者についてはLITALICO(リタリコジュニア)が最もおすすめではありますが、ほかの療育についても以下の記事で詳しく紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
言わずもがなですが、自閉症児を育てるのは並大抵のことではありません。。ただし、適切なサポートと、私たち親が心身ともに元気であれば、お子さんの成長に大きく貢献できるはずです。
最善を尽くしつつ、肩ひじを張り過ぎずに気長に見守っていきましょう!
今回の記事が、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。